19.経営戦略マネジメント

経営戦略手法

◎競争戦略

ハーバード大学ビジネススクールのマイケル・ポーター教授提唱の3つの基本戦略

●差別化戦略

●コスト・リーダーシップ戦略

●集中戦略

◎差別化戦略

競争基本戦略の一つで、他社との差別化を図ることで競争優位を実現する戦略。

◎ブルーオーシャン戦略

競争の激しい既存市場を「レッド・オーシャン」といい、競争のない未開拓である市場

を「ブルー・オーシャン」と呼ぶ。ブルー・オーシャンとして新しい価値市場を創造し

ユーザーに高付加価値を低コストで提供することで、利潤の最大化を実現するという戦

略のこと。

◎コアコンピタンス

●コアコンピタンス

顧客に対して価値を提供する企業内部の一連のスキルや技術の中で、他社がまねでき

ない、その企業独自のスキルや技術の集合体のこと。

●コアコンピタンス経営

自社の中核(コア)となる強み(コンピタンス)を明確化して、企業の独自性と競争

優位を確立する経営手法のこと。

◎M&A(Mergers and Acquisitions)

企業の買収・合併を指す。買収は他の企業を丸ごと買い取ること、合併は複数の企業が

法的に1つの企業に合同することである

◎アライアンス

複数の企業が互いに経済的なメリットを享受するために、緩やかな協力体制を構築する

こと。

◎グループ経営

資本関係にある親子会社などが企業グループとしての意思決定を統一化し、組織目的を

実現していくための経営手法。

◎企業理念

企業や組織の目的や存在意義について、短くまとめたもの。

◎SWOT分析

現状分析から経営戦略を立てるために用いる分析手法。外部環境(外部要因)である機

会と脅威、内部環境(内部要因)である強みと弱みをマトリックス図に配置し、どのよ

うな対策をとれるかを各欄に記入して戦略を立てていく。

●内的要因:Strength(強み)とWeakness(弱み)

●外的要因:Opportunity(機会)とThreat(脅威)

◎PPM(Product Portfolio Management)

多種類の製品を生産・販売したり、複数の事業を行ったりしている企業が、戦略的観点

から経営資源の配分が最も効率的・効果的となる製品・事業相互の組み合わせ(ポート

フォリオ)を決定するための経営分析・管理手法。

◎バリューチェーン分析

●バリューチェーン

製品やサービスを顧客に提供するという企業のビジネスモデル全体が、価値とコスト

を付加・蓄積する連鎖活動によって付加価値を最大化し、最終的に「価値」を生み出

すという考え方。

●バリューチェーン分析

対象とする事業を「顧客に提供する価値」を起点に分析し、現状を可視化する。

さらに、現状バリューチェーンの価値を高める施策を埋め込んで、事業そのものを再

構築する活動のことを「バリューチェーンマネジメント」と呼ぶ。

◎成長マトリクス

事業を拡大するうえで、今後の成長戦略の方向性を分析・評価するためのツール。企業

戦略の分野で使われるほか、マーケティング領域においてもよく利用される。製品と市

場を軸にした2次元の表を作り、成長戦略を「市場浸透」「製品開発」「市場開拓」

「多角化」の4つに分類する。

◎アウトソーシング

自社の業務や機能の一部または全部を、それを得意とする外部の企業などに委託するこ

と。経営資源を補完する方法の1つ。

◎シェアドサービス

複数の組織で共通的に実施されている業務(特に間接部門)を、個々の組織から切り離

して集中・統合して別会社として独立させ、それぞれの企業(通常はグループ企業)で

共有してサービス提供を受けることで、経営の効率化を目指す経営手法のこと。

◎インキュベータ

起業に関する支援を行う者。広義には既存事業者の新規事業を含む起業支援のための制

度、仕組み、施設のことをいう。

マーケティング

マーケティングとは?

>顧客のニーズをつかみ、商品やサービスの流通を促進させる行動。マーケティング活

動は、計画(Plan)、実施(Do)、統制(See)のPDSサイクルによって表現でき、こ

れをマーケティング管理という。

◎マーケティング理論、分析手法

●3C分析

自社と顧客と競合環境を分析する事により、現在の状況を客観的に捉え、今後の経営

や営業の活動指針をゆるぎないものにするための手法。

「市場(customer)」「競合(competitor)」「自社(company)」の頭文字。

●セグメンテーション

何らかの基準で分類することによって市場を細分化することをセグメンテーションと

いう。

●サンプリング

調査対象のすべてを調査することは不可能であるか、可能であっても膨大な時間と費

用を要することが多い。その代わりに母集団の一部を標本として抽出(サンプリング

)し、これを調査するすることにより母集団を推定することができる。また標本誤差

も確立論的に推定できるので多くの市場調査で使われている。

●ポジショニング分析

市場内における競合会社、競合ブランド、競合製品などと自社のそれらの相対的な位

置について、その関係を分析する手法。

●市場調査(マーケティングリサーチ)

市場に関する様々な情報を収集し、分析する手法。

◎マーケティング手法

●マスマーケティング

大衆全体を対象としたマーケティング。

●ターゲットマーケティング

対象とする顧客を絞ったマーケティング。

●ソーシャルマーケティング

マーケティングの考え方を社会全体の利益向上を追求するために適用すること。

●ニッチマーケティング

市場全般ではなく、自社の製品やサービスの特性を生かせる市場のみに対して行う。

●ワンツーワンマーケティング

顧客個々のニーズに合わせたマーケティング。

●リレーションシップマーケティング

顧客との良好な関係を長期的、継続的に維持し、深くしてゆくことで顧客との良好な

関係を維持し、顧客の強いロイヤリティを創り出すマーケティング。

●ダイレクトマーケティング

消費者とのコミュニケーションを図る双方向マーケティング・システム。

●テストマーケティング

商品を発売する際に、当初限定された市場、チャネルなどで、全国発売時と同じ条件

(同様のマーケティング活動、チャネル設定など)でテスト的に発売すること。

●エリアマーケティング

帰属する地域の特性と構造を掌握し、その地域での自社課題を解決するノウハウ。

●バイラルマーケティング

企業の商品やサービスを、消費者自身にプロモーターとして口コミ等で宣伝してもら

うことで、利用者を広げるマーケティング戦略。

◎ライフタイムバリュー(LTV)

一人当たりの顧客が、製品の購買者となってから離れて行くまでの間にもたらしてくれ

る価値や利益を示す長期的な指標のこと。

◎マーケティング戦略

●ブランド戦略

企業または企業が供給する製品やサービスに対する、顧客イメージを高めるための

手法。

●プッシュ戦略

流通業者に何らかのインセンティブ(主に経済的メリット)を提供することで、自社

製品を強力に販売し、消費者に商品を提供する戦略。

●プル戦略

製造業者が、広告・宣伝などにより消費者に直接働きかけ、消費者から流通業者に自

社製品を取り扱うようにしむける戦略。

ビジネス戦略と目標・評価

◎ビジネス戦略立案とビジネス環境分析

●企業理念

経営理念とも呼ばれ、企業が活動する際の拠り所や指針となる考え方であり、企業の

存在意義や価値観(ミッション)を示したもの。

●経営目標

企業理念に基づいてビジネス戦略を策定し実行するために、企業の将来のあるべき姿

を示したビジョンを設定する。

●戦略目標立案

設定した企業のビジョンを具現化するために、SWOT分析などの手法を用いてビジ

ネス環境を分析して現状の経営環境を把握し、具体的な目標である戦略目標を設定す

る。そして、設定した戦略目標を達成するために重点的に取り組むべき重要成功要因

(CSF:Critical Success Factors)を抽出し、経営戦略や事業戦略をさらに具体

化し、より実践的なものにしたビジネス戦略を立案する。

◎ニーズ・ウォンツ分析

企業は常に市場データを分析して、ニーズとウォンツを把握し、即座に市場に応えられ

るような営業戦略が必要不可欠となる。

◎競合分析

戦略策定の際に競争相手を分析すること。具体的な分析項目としては、誰が競合か、競

合のバリューチェーンや技術・ノウハウ、財務状況、シェア、商品ラインナップなどが

ある。

◎PEST分析

企業を取り巻くマクロ環境のうち、現在ないし将来の事業活動に影響を及ぼす要素を把

握するため、PESTフレームワークを使って外部環境の諸要因を洗い出し、その影響

度を分析する手法。

●Political:政治的環境要因

○法規制(規制強化・緩和)

○税制

○裁判制度、判例

○政治団体の傾向

●Economic:経済的環境要因 ・景気

○物価(インフレ・デフレ)

○成長率

○金利・為替・株価

●Social:社会的環境要因 ・人口動態

○世論・流行

○教育水準

○治安・安全保障

○宗教・言語

○自然環境

●Tchnological:技術的環境要因 ・技術開発投資レベル

○新技術の普及度

○特許

◎CSF(Critical Success Factors)

経営戦略やITガバナンスなどを計画的に実施する際、その目標・目的を達成する上で

決定的な影響を与える要因のこと。ビジネスの成否に大きな関係を持つマネジメント上

の重点管理項目といえる。

◎KPI(Key Performance Indicator:重要業績評価指標)

企業目標やビジネス戦略を実現するために設定した具体的な業務プロセスをモニタリン

グするために設定される指標。

◎KGI(Key Goal Indicator:重要目標達成指標)

企業目標やビジネス戦略を実現するために設定した具体的な業務プロセスをモニタリン

グする指標の1つ。何を持って成果とするかを定量的に定めたもの。

◎バランススコアカード

●BSC(Balanced SCorecard)

企業や組織のビジョンと戦略を、4つの視点から具体的なアクションへと変換して計

画・管理し、戦略の立案と実行を支援するとともに戦略そのものも市場や環境の変化

に合わせて柔軟に適合させるための経営戦略立案・実行評価のフレームワーク。また

はこのフレームワークで利用される達成目標と評価指標を記載したカードのこと。

○学習と成長の視点:人材育成(資格取得率)、ナレッジ蓄積(ナレッジDB)、組織構築(従業員満足度、定着率)

○業務プロセスの視点:プロセス改善(保守時間、不良率)

○顧客の視点:顧客満足度向上→新規顧客獲得(獲得数)、市場占有率向上

○財務の視点:売上向上、コスト削減→利益向上

参考動画

経営管理システム

◎CRM(Customer Relationship Management)

セールス、マーケティング、サービスなど、顧客に影響を与える部門業務すべてをシー

ムレスに統合し、顧客満足度と自社の利益を最大化しようというビジネスモデル構築の

考え方のこと。

◎SCM(Supply Chain Management)

企業活動の管理手法の一つ。取引先との間の受発注、資材の調達から在庫管理、製品の

配送まで、いわば事業活動の川上から川下までをコンピュータを使って総合的に管理す

ることで余分な在庫などを削減し、コストを引き下げる。

◎ERP(Enterprise Resource Planning)

「企業資源管理」とも言い、経理、生産管理、販売管理、人事管理などの基幹業務をコ

ンピュータシステムを使用して一元管理すること。

◎意思決定支援

●意思決定支援システム

コンピュータを利用した情報システムの一種で、その名の通り企業や組織の意思決定

を支援する。

◎ナレッジマネジメント(KM)

個人の持つ知識や情報を組織全体で共有し、有効に活用することで業績を上げようとい

う経営手法。

◎企業内情報ポータル(EIP:Enterprise Information Portal)

企業内に存在するデータベースを横断的に検索し、従業員や取引先ごとに最適な情報を

選択して提供するシステム。