◎ネットワークアーキテクチャ
広義のネットワークアーキテクチャ
>標準的に守るべき通信プロトコル(規約)を体系的にまとめたもの。
狭義のネットワークアーキテクチャ
>データ通信の機能を定義分類し、標準化された階層構造と各階層間の
インタフェース、プロトコルを体系的にまとめたもの。
◎LANとWAN
●LAN(Local Area Network)
同一の敷地内やビル内など比較的狭い範囲で通信処理を行うネットワーク。
●WAN(Wide Area Network)
LANどうしを回線等でつないだ広範囲なネットワーク。
●LANの伝送媒体・接続方法・アクセス方式
低速・短距離・低価格・電磁波影響大
↑
より対線(ツイストペア) スター型 TDMA
同軸ケーブル バス型 CSMA/CD
光ファイバケーブル リング型 トークンリング
↓
高速・長距離・高価格・電磁波影響小
●LANの種類と特徴
○TDMA(Time Division Multiple Access)方式
各装置(ノード)に固定的な時間を割り当てる方式。
○CSMA/CD(Carrier-Sense Multiple Access with Collision Detection)方式
LAN技術の主流であるイーサネットで採用されている標準方式。
各装置(ノード)が独自に伝送路上の信号(キャリア)の有無を監視し、
キャリアがなければ(空いていれば)フレームの送信を行う。
キャリアがないと同時に複数のノード送信し始める「衝突」がおこる。
LANのトラフィック(データ量)が少ないときには高速であるが、
トラフィックが多くなると、衝突が多発して再送信が発生し、
実効速度が低下する、
○トークンリング方式
伝送路上を、送信許可を与えるトークン(識別信号)が巡回していて、
トークンを取得した局が一時的にネットワークの制御権利を得ることが
できる。
●LANの規格
○FDDI(Fiber Disributed Data Interface)
100Mビット/秒の光LANの規格。光ファイバーを使用。トークンパッシン
グ方式。
○CDDI(Copper Distributed Data Interface)
同軸ケーブルを利用したLAN。
◎無線ネットワーク
●センサネットワーク
複数のセンサ付無線端末を空間に散在させ、それらが協調して環境や物理的状況を採
取することを可能とする無線ネットワークのこと。
◎伝送方式と回線
●伝送方式
○無手順(TTY)
同期方式:調歩同期方式(非同期)
※1文字(8bit)の前後にスタート・ストップビットを付加。
※データリンクの確立/開放を行わず、応答確認も誤り制御も行わない。
○ベーシック伝送制御手順
同期方式:キャラクタ同期方式
通信方式:半二重方式(送信と受信を交互に行う)
○ハイレベル伝送制御手順(HDLC)
同期方式:フラグ同期方式
通信方式:全二重方式(送信と受信を同じに行う)
誤り制御:CRC方式
※文字符号だけでなく、任意のビットパターンも伝送可能。非同期は×。
◎多重化方式
1つの回線に異なった2つ以上のデータを同時に伝送する方式。
┌─┐ ┌─┐
端末──┤多│ │多├──端末
│重│ │重│
端末──┤化├──────┤化├──端末
│装│ │装│
端末──┤置│ │置├──端末
└─┘ └─┘
●周波数分割多重化方式(FDM)
複数のデータに異なった周波数を割り当てる方式。
アナログ回線に用いられる。
●時分割多重化装置(TDM)
複数のデータを小さく分割した時間に割り当てる方式。
デジタル回線に用いられる。
◎交換方式
●回線交換方式
●パケット交換方式
●フレームリレー交換方式
●セルリレー(ATM)交換方式
◎LAN間接続装置
●LAN間接続装置とOSI階層
アプリケーション層 ↑
│
プレゼンテーション層 │
|
セッション層 |
|
トランスポート層 ゲートウェイ
|
ネットワーク層 ↑ |
| |
データリンク層 ↑ ルータ |
ブリッジ | |
物理層 リピータ ↓ ↓ ↓
○リピータ
物理層の中継装置。
ケーブル上の電気信号を再生して中継することで、LANのケーブルを延長する。
アクセス方式が同じLAN間接続に限定される。
○ブリッジ
データリンク層の中継装置。
同じ論理リンク制御プロトコルを使用する二つのLANを相互接続する。
CSMA/CDやトークンリングのMACアドレスによるフィルタリング機能を持つ。
受信したパケットの宛先とMACアドレスが登録されたアドレステーブルとを照らし合わせ、
該当する端末が存在しているポートにパケットを中継する
※スパニングツリー機能
LAN構成がループしている場合に、ブリッジに与えられたブリッジ識別子
(プライオリティやMACアドレスなど)やポート番号からルートブリッジを決定し、
そのルートブリッジを元にツリー構造を形成しループを解消する機能。
○ルータ
ネットワーク層の中継装置。
異なるIPネットワークのLANをWAN経由で接続し、経路選択機能を持つ。
IPアドレスやTCPポート番号(サービス識別)によるフィルタリング機能(ファイア
ウォール機能)を持つ。
※NAT(Network Adoress Translator)
グローバルアドレスをプライベートアドレスを変換する機能。
IPアドレス枯渇問題に対する対策である。
※IPマスカレード
グローバルIPアドレスの節約を行う技術。
○ゲートウェイ
ネットワーク層より上位の中継装置。
あるネットワークで使用するプロトコルをカプセル化し、他のネットワークで使用
できるように変換する。上位層のプロトコル変換機能を持つ。
※ハブ
10BASE-Tのマルチポートリピータ。4台まで接続可能。
・リピータハブ(物理層)
単に中継を行うハブ。
受信したパケットを他のすべてのポートにブロードキャストする。
・スイッチングハブ(データリンク層)
ブリッジと同じくデータリンク層で動作するネットワーク機器で、ハブという名前は
付いているが、各ポートがブリッジ機能を持つ「マルチポートブリッジ」を指す。
受信したパケットの送信先アドレスと内部のアドレステーブルを照らし合わせ、
送信先の端末がつながっているポートにのみパケットを送出する。
●同一ネットワーク(LAN)内通信
※MAC(Media Access Control)アドレス
ネットワークを構成する各端末のNIC(ネットワークインタフェースカード)に対し
製造時に割り当てられる全世界で一意となる物理アドレス。48bit。
イーサネットアドレスはMACアドレスである。
例)00-0X-XX-1E-XX-XX
アプリケーション層
プレゼンテーション層
セッション層 |メールデータ
|
トランスポート層 |メールデータ+TCPヘッダ
|
ネットワーク層 |メールデータ+TCPヘッダ+宛先IPアドレス
|
データリンク層 ↓メールデータ+TCPヘッダ+宛先IPアドレス+宛先MACアドレス
物理層 ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
物理層 このパケットデータをハブなどを介して
同一ネットワーク内にブロードキャストし、
それを受信した各端末は自分宛であれば取得し
それ以外は破棄する。
※TCPコネクションを識別するのに必要なもの
宛先IPアドレス、宛先TCPポート番号、送信元IPアドレス、送信元TCPポート番号
→IPアドレスを基にMACアドレスを取得するためにARP(Address Resolution
Protocol)が用いられ、ユーザやアプリケーションがMACアドレスを意識する必要はない。
自端末のARPキャッシュに宛先IPアドレスの端末のMACアドレスが保存されていない
場合は、ARPリクエストをブロードキャストすることで宛先IPアドレスに対応する
MACアドレスを取得する。
●異なるネットワーク(LAN)間通信
※デフォルトゲートウェイ
異なるネットワーク(LAN)向けにパケットを送信する場合の宛先となるルータ。
(デフォルトゲートウェイはルータである。)
▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲
送信元IPアドレス及び宛先IPアドレスそれぞれにサブネットマスクをかけて
それらが一致しない場合デフォルトゲートウェイのMACアドレスを宛先MACアドレス
に設定する。
宛先がデフォルトゲートウェイに直接接続されたネットワークでない場合には
適切なルータに対してルーティング(経路選択)を行う。
※ホップ
ルータからルータへのパケット通信のこと。ルーティングではホップ数などによって
最適な経路が選択される。
送信元(MAC:A)
|
|宛先IPアドレス+宛先MACアドレス:B
|
↓--------------------------------MAC:B
ルータ(=デフォルトゲートウェイ)
|--------------------------------MAC:C
|
|宛先IPアドレス+宛先MACアドレス:D
|
↓--------------------------------MAC:D
ルータ(=デフォルトゲートウェイ)
|--------------------------------MAC:E
|
|宛先IPアドレス+宛先MACアドレス:F
↓
宛先(MAC:F)
◎回線接続装置・媒体
●伝送装置
接続形態
DTE DCE DCE DTE
|← →||← →| |← →||← →|
┌───┐┌───┐┌───┐ ┌───┐┌───┐┌───┐┌───┐
│端 末├┤モデム├┤NCU├─(電話回線)─┤NCU├┤モデム├┤CCU├┤ホスト│
└───┘└───┘└───┘ アナログ伝送 └───┘└───┘└───┘└───┘
┌───┐┌───┐┌───┐ ┌───┐┌───┐┌───┐┌───┐
│端 末├┤DSU├┤NCU├ (ISDN)─┤NCU├┤DSU├┤CCU├┤ホスト│
└───┘└───┘└───┘ディジタル伝送└───┘└───┘└───┘└───┘
・DTE(=Data Termainal Equipment =端末装置)
・DCE(=Data Circuit termainal Equipment=データ回線終端装置)
・MODEM(=モデム=MOdulator DEModulator=変復調装置)
ディジタル信号からアナログ信号への変換や、その逆の処理を行う。
標本化、量子化、符号化の3段階の処理を行う。
・DSU(=Digital Service Unit=ディジタル網用回線終端装置)
コンピュータが文字列からビット列に変換した信号を、電送に適した
形のディジタル信号に変換する。
・CCU(=Communication Control Unit=通信制御装置)
伝送するデータの組立・分解や、データに対する誤りの制御などを行う。
・NCU(=Network Control Unit=網制御装置)
接続制御を行う。DSUやモデムに組み込まれている。例えば、端末を呼び出す
ために端末のもっている電話番号にダイヤルする。専用回線では不要である。
●交換装置
・回線交換機
・パケット交換機
・フレームリレー交換機
・ATM交換機
・PBX(Private Branch eXchange)
●回線接続媒体
○ペアケーブル(より対線)
対になった銅線によりをかけたケーブル。
○同軸ケーブル
伝送用の導体を絶縁体で囲んで外側を覆ったもの。
○光ファイバケーブル
1本または複数の光ファイバを束ねて外側を覆ったケーブル。
○無線
◎電力線通信(PLC)
電力線を通信回線としても利用する技術。
◎OSIの階層
OSI(Open System Interconnection:開放型システム間相互接続)基本参照モデル
>ネットワークアーキテクチャのひとつでLANやISDN網などで適用されている。
●応用(アプリケーション)層(L7)
応用プログラムや端末利用者にデータ通信機能を提供。
例)ファイル転送、ジョブ転送、データベースアクセス、メール転送
●プレゼンテーション層(L6)
異機種間のデータの型や符号を共通なものに変換・逆変換する機能を提供。
例)暗号化、コード変換(ASCII/JIS)、データ圧縮(画像)
●セッション層(L5)
エンドユーザ間の回線の接続、切断の制御機能を提供。
例)全二重/半二重、優先データ、同期、送信権、再送信
●トランスポート層(L4)
ネットワーク層が提供する品質・速度が不充分だった場合に、
セッション層の要求する品質・速度をもつ伝送路を提供。
ネットワーク利用者を識別する「トランスポートアドレス」はこの層で提供。
送逆確認。コネクションの多重化機能、異常回復、サービス品質管理。
例)TCP、UDP
●ネットワーク層(L3)
ノード間での通信ルート選定機能を有し、エンドツーエンドのデータの中継・転送
する機能(誤り、訂正、順序)を提供。
例)IP、X.25(パケット)
●データリンク層(L2)
隣接ノード間のフレーム単位での伝送機能(誤り、訂正、順序)を提供。
例)HLDC、CSMA/CD、フレームリレー
●物理層(L1)
物理的条件、電気的条件のもと、伝送媒体を制御し媒体上のビット単位の転送機能
を提供。モデム・DSUの制御機能、DTE・DCEインタフェースの管理機能。
ケーブル媒体の種類やコネクタ形状など。
例)Vシリーズ、RS-232C
◎誤り制御
●再送訂正方式
○パリティチェック
伝送文字単位に1のビットが奇数または偶数になるよう1ビットを付加する方式。
○エコーチェック
受信したデータを送信側に返送(エコー)し、送信側でもとのデータと照合して
誤りの有無をチェックする。
○サイクリック符号検査(CRC:CyclicRedundancyCode)方式
メッセージの最後に特定の多項式の除算の余りを誤り検出用の符号として付加す
る方式。誤りが集中して発生するバースト誤りに効果的である。
HDLC手順でも採用されており、HDLC手順はベーシック手順と違い、文字
符号だけでなく任意のビットパターンも伝送可能である。
※誤り検出用符号の例)x^16+x^12+x^5+1 (H12問33)
●自己訂正(ECC:ErrorCorrectingCode)方式
ハミングコードによる1ビットの誤りを訂正でき2ビットの誤りを検出できる
誤り訂正符号(ECC)を採用している。
※ハミングコード
nビットの情報に対し、mビットのチェックビットが n≦2^m-1 となるように構成
◎メディアアクセス制御(MAC)
●CSMA/CD(Carrier Sense Multiple Access/Collision Detection)
搬送波感知多重アクセス/衝突検出方式。制御局がなく各端末(ノード)は伝送路上
にデータが流れていないか確認し(Carrier Sense)、他端末が送信中でなければ送
信を開始出来る。複数の端末が同時に送信を開始した場合は衝突(コリジョン)(
Collision Detection)が発生する。この場合、両者は送信を中止し、ランダム時間
待機後、再送を試みる。Ethernetがこれを採用している。
●CSMA/CA(Carrier Sense Multiple Access/Collision Avoidance)
搬送波感知多重アクセス/衝突回避方式。無線LANに用いられているアクセス制御
方式。無線ではコリジョン(同じ回線を流れる信号の衝突)を検出できないため、各
端末は通信路が一定時間以上継続して空いていることを確認してからデータを送信。
◎データリンク制御、ルーティング制御
情報を送信するため、コンピュータネットワーク上での経路を見つけだす手法。
◎フロー制御
データ通信において、受信側の処理が追いつかずにデータを取りこぼしたりするのを防
ぐため、通信状況に応じて送信停止や速度制限などの調整を行う機能のこと。
◎DTE・DCEインタフェース
●Vシリーズ勧告:アナログ回線用
○V.24:電気的条件
○V.28:相互接続回路
●Xシリーズ勧告:デジタル回線用
○X.20:1200ビット/秒以下
○X.21:1200ビット/秒以上
○X.25:パケット交換
●Iシリーズインタフェース:ISDN
※PIAFS(Personal Handyphone System Internet Access Forum Standard)
PHSにコンピュータをつないで、高速なデータ通信をするための規格。
この方式を使うとデジタル64kbps(実効伝送速度58.4kbps)で通信できる。
◎IP(Internet Protocol)
コネクションレス型のネットワークサービス・プロトコル。
●IPv4アドレス
送信元/宛先ポート番号はそれぞれ32bit。
※ネットワーク部:全世界ユニーク
※ホスト部:各ネットワークで独自に体系化
※サブネットアドレス
各ネットワーク内にあるどのLANであるかを示すアドレス。
サブネットアドレスはサブネットマスクでマスクすることで得られる。
例)IPアドレス * . * . * . 78 → 4E (16進)
サブネットマスク 255.255.255.240 → F0 (16進)
↑
ホストアドレス部の上位4bitがサブネットアドレス
※CIDR方式
IPアドレスの末尾に「/サブネットアドレスのビット数」を表記する表記法式
例)233.x.255.16/28
↑
IPアドレスの上位28bitがサブネットアドレス
┌─────────┬─────────────┐
│サブネットアドレス│ ホストアドレス部 │
└─────────┴─────────────┘
| |
○Aクラス | |
| |
1 7bit 8 32
┌─┬───────┬───────────────────────┐
│0│ネットワーク部│ ホストアドレス部 │
└─┴───────┴───────────────────────┘
○Bクラス
2 14bit 16 32
┌─┬─┬────────────┬────────────────┐
│1│0│ネットワークアドレス部 │ ホストアドレス部 │
└─┴─┴────────────┴────────────────┘
○Cクラス
3 21bit 24 32
┌─┬─┬─┬───────────────────┬───────┐
│1│1│0│ ネットワークアドレス部 │ ホスト部 │
└─┴─┴─┴───────────────────┴───────┘
○Dクラス
4 32
┌─┬─┬─┬─┬─────────────────────────┐
│1│1│1│1│ マルチキャストアドレス部 │
└─┴─┴─┴─┴─────────────────────────┘
※使用できないアドレス
ホストアドレス部が全て0:ネットワークアドレス
ホストアドレス部が全て1:ブロードキャストアドレス
※ブロードキャスト:宛先を指定せず不特定多数の相手に送信する。
※マルチキャスト:宛先を指定して送信する。
●IPv6
IPの次世代版(Version 6)通信プロトコル。2の128乗個まで使えるようにした
のが大きな特徴の一つである。
◎トランスポート層プロトコル
○UDP(User Datagram Protocol)
コネクションレス型のトランスポートサービスプロトコル。
小さなパケット通信に適する。
○TCP(Transmission Control Protocol)
コネクション型のトランスポートサービスプロトコル。
送信元/宛先ポート番号はそれぞれ16bit。
※well-konown(ウェルノウン)ポート
よく使われるサービスの種類によってあらかじめ決められているポート。
例)http:80 telnet:23 SMTP:25 FTP:20
◎アプリケーション層プロトコル
○telnet(telecommunication network)
リモートログイン用のプロトコル。
○FTP(File Transfer Protocol)
ファイル転送用プロトコル。テキスト転送とバイナリ転送がある。
○HTTP(Hyper Text Transfer Protocol)
WWWサーバで使われているドキュメント転送用のプロトコル。
※Proxy(プロキシ:代理)サーバ
社内LANなど内部ネットワークからインターネットに接続する際セキュリティ確保と
高速アクセスを実現するために設置するサーバ。ファイアウォールが兼ねる場合もあり
リクエストしたページがサーバ内のキャッシュに存在した場合はレスポンスが早くなる。
○SMTP(Simple Mail Transfer Protocol)
電子メール送信用のプロトコル。
○POP3(Post Office Protocol3)
電子メール受信用のプロトコル。
参考)SLIP(Serial Line Internet Protocol)
シリアル回線でワークステーションとIPネットワークを接続するため
のプロトコル。現在はあまり使われていない。
○MIME(Multipurpose Internet Mail Extension:マイム)
電子メールに画像、音声、動画などを添付するための規格。
○NNTP(Network News Transfer Protocol)
ネットワーク上でのニュース機能を実現するためのプロトコル。
○CORBA(Common Object Request Broker Architecture)
様々なコンピュータ上で様々なプログラミング言語で書かれたソフトウェアコンポ
ーネントの相互利用を可能にする標準規格。
○SOAP(Simple Object Access Protocol)
ソフトウェア同士がメッセージ(オブジェクト)を遠隔で呼び出し交換する(リモ
ートプロシージャコール)ためのプロトコル。
○DHCP(Dynamic Host Configuration Protocol)サーバ
未使用のIPアドレスを動的に割り当てるサーバ。
グローバルアドレスを同時に必要とする端末数が少ない場合に有効。
DHCPの設定のみで、サブネットマスク等の設定が不要というメリットもある。
○DNS(Domain Name System)
IPアドレスとドメイン名の対応付けを行う機能。
○RADIUS(Remote Authentication Dial In User Service)
ネットワーク資源の利用の可否の判断(認証)と、利用の事実の記録(アカウンテ
ィング)を、ネットワーク上のサーバコンピュータに一元化することを目的とした
プロトコルである。
◎ネットワーク管理
●ネットワーク管理項目
○障害管理:障害を早期発見し、診断と回復を行うための情報提供
○構成管理:資源の属性、構成や変更状況の一元管理
○性能管理:性能に対する情報収集や監視
○会計管理:資源の使用状況の関する情報収集、コスト計算、課金計算
○機密管理:不正アクセスからの保護
○運用管理:ネットワーク運用の迅速化と確実性の向上
●ネットワーク管理システム
OSIシステムにおける資源の統合的管理要素
○システム管理応用プロセス
SMAP(System Management Application Process)
○特定管理サービス
障害管理、構成管理、性能管理、会計管理、機密管理
○共通管理サービス
共通管理プロトコル(CMIP:Common Management Information Protocol)
◎ネットワーク運用管理、障害管理
●SNMP(Simple Network Management Protocol)
TCP/IPのネットワークに接続された機器を、ネットワーク経由で管理する
ときに使うプロトコル。
◎性能管理、トラフィック監視
●MRTG(Multi Router Traffic Grapher)
ルータなどネットワーク機器が送受信したデータの量(トラフィック)をグラフによ
って可視化するプログラム。
◎インターネット・イントラネット・エクストラネット
●インターネット
世界中のネットワークをTCP/IPとよばれるプロトコル(通信規約)で結んだ
「ネットワークのネットワーク」。
●イントラネット
社内等、限定された範囲でのコンピュータネットワークを構築する時に、インター
ネットの標準的な技術を利用することで低コスト化とベンダー独立性を高めようと
する目的で構築されたネットワーク。
●エクストラネット
複数のイントラネットを相互接続したネットワークシステム。
◎ネットワークOS
LAN上で複数の端末が協調して処理を実行したり、複数の端末で資源を共有した
りするクライアントサーバシステムを管理するソフトウェア。
◎通信サービス
●回線交換サービス
アナログ電話網やISDN網(Integtated Service Digital Network
:サービス統合デジタル網)を介して行う通信回線交換方式。
ユーザからの通信開始要求によって接続を確立する。
○特徴
・伝送品質不安定で混雑しているときは接続できない
ときもある。
・不特定多数の相手と接続可能。
・料金は基本料金+通信距離・接続時間なので、
限定されたデータ転送に適する。
○種類
・公衆電話網
・公衆電信網(テレックス)
・公衆データ網(DDX-C)
・ISDN回線交換(INS-C)
●パケット交換サービス
データをパケットと呼ばれる一定の長さに区切ったデータを
デジタル方式で伝送する交換方式。
端末-交換機、交換機-交換機間で伝送エラーの有無を確認し
エラー発生時はネットワーク内で再送処理を行う。
非パケット交換端末をパケット交換網に接続するには
PADが必要。
○特徴
・伝送品質は非常に良好。
・伝送遅延時間が比較的大きい。
・不特定多数の相手と接続可能。
・料金は基本料金+通信距離・接続時間だが、
距離についてはあまり距離格差なし。
・PVC(Permanent Virtual Circuit:相手固定接続サービス)
とあわせると専用線的な使い方もできる。
・データ量が多くなく、データ発生が散発的な場合に有効。
・送信データを分割して送るため、通信密度が高いデータ伝送には向いていない。
・呼の設定は、ネットワーク層で行われる。
・通信速度の異なる端末間の通信が可能である。
・網・端末間インタフェースは、ITU-T勧告X.25で規定される。
・非パケット回線をパケット交換網に接続するために、PADという装置が
使われる。
・複数の呼が一つの回線を共用できる。
○種類
・第1種パケット交換(DDX-P:パケット交換網に直接接続)
・第2種パケット交換(DDX-TP:加入者電話からパケット交換網に接続)
・ISDNパケット交換(INS-P)
●フレームリレー
データをフレームと呼ばれる単位でデータを伝送するが、
再送処理は行わない。
○特徴
・伝送遅延時間が小さい。
・再送処理を行わないため、エラー発生時は回復処理が必要。
・高速なため、通信料が多い場合に有効。
・X.25パケット交換に比べ、順序制御やフロー制御を省略することによって
高速化を図っている。
・OSI基本参照モデルのデータリンク層までを対象とする。
●セルリレー(ATM)
データをセルと呼ばれる固定長の伝送単位で伝送する。
○特徴
・ネットワーク輻輳時、エラー回復処理が必要。
・大量データを伝送する。
●専用線サービス
特定の利用者間を交換機を介さずに常時接続している通信回線サービス。
○特徴
・伝送品質良好。
・機密保護性が高い。
・伝送速度固定。
・通信料金月額固定性でデータ量が多い場合に有効。
○種類
・一般専用線サービス
・衛星通信サービス
・高速デジタル伝送サービス
○接続構成
・ポイントツーポイント
・マルチポイント
●国際通信サービス
○国際電話サービス
○国際専用線サービス
○国際パケット交換サービス
○国際VPNサービス
○国際ISDN
●移動体通信サービス
携帯電話、PHSサービスなど。
●VAN(Value Added Network:付加価値通信網)
第一種電気通信事業者から借用した回線にプロトコル変換などの付加価値をつけた
通信サービスで、一般的には第二種電気通信事業者が提供する。
◎インターネット接続サービス
インターネットプロバイダ(接続事業者)が提供する一般利用者とインターネットの基
幹回線とをつなぐサービス。
●DSL(Digital Subscriber Line:ディジタル加入者線)
既存の電話線を利用したディジタル伝送方式。既存の電話線にアナログ信号とディジ
タル信号を混在させて利用する。
●CATV回線
TV番組用で使用していない空帯域を利用して、安価で高速な接続サービスを受けら
れる。従量制でなく常時接続が可能。
※VoIP
TCP/IPを使って音声データを送受信する技術。IP電話を実現。
※VPN(Virtual Private Network)
インターネットに自社内のユーザ端末を接続して構成した企業内ネットワーク。
※ベストエフォート型サービス
信頼性や高速性を犠牲にすることで料金を安く設定する通信サービス形態。
※ギャランティ型サービス
電気通信事業者が利用者に対して一定のサービス品質を保証する通信サービス。
◎ネットワーク関連法規
●電気通信事業法
電気通信事業に関してNTT/KDD以外の民間へ解法を目的として1985年
に施行され、公共性を確保するため下記の点が定められている。
・検閲の禁止
・通信の秘密保持
・サービスの差別的扱いの禁止
・非常事態や公共の利益のための優先順位の選定
※端末設備の設置は「工事担当者」が行わなければならない。
○第一種
回線の設置 :設置
郵政大臣への許可 :許可
約款(やっかん) :郵政大臣への許可
電気通信主任技術者:許可
事業者例 :NTT/KDD/NCC
○特別第二種
回線の設置 :借用
郵政大臣への許可 :登録
約款(やっかん) :郵政大臣への届出
電気通信主任技術者:登録
事業者例 :大規模・国際VAN
○一般第二種
回線の設置 :借用
郵政大臣への許可 :届出
約款(やっかん) :利用者
電気通信主任技術者:届出
事業者例 :業界VAN
●電気通信主任技術者の監督範囲
○第一種伝送交換主任技術者
第一種、特別第二種の伝送交換設備
○第二種伝送交換主任技術者
一般第二種の伝送交換設備
○線路主任技術者
第一種の線路設備