フッサールの新資料を読む(1):『論理学研究補巻』第二分冊と『知覚と注意』

    • 日時:2014年3月9日(日) 15:00-18:00

    • 会場:立正大学大崎キャンパス、1号館1階 第4会議室

      • ※当日は日曜日のため門はどこもしまっています。入るには、大崎キャンパスの大崎駅の側の正門(山手通りに面した入り口ではなく)の脇にある防災センター(守衛室のような場所)に申し出ていただき、脇の地下駐車場から入り、1号館用のエレベーターで一階に上がってもらい、第4会議室にいっていただくということになります。以下を参照してください。

      • http://www.ris.ac.jp/access/osaki/ndex.html

      • http://www.ris.ac.jp/introduction/outline_of_university/introduction/osaki_campus.html

  • 企画・司会:植村玄輝(日本学術振興会/立正大学)

    • 報告:鈴木崇志(京都大学) 葛谷潤(東京大学)

開催趣旨

今世紀に入ってからのフッサール研究に特有の事情の一つとして、全集『フッセリアーナ(Husserliana)』をはじめとした一次資料の刊行される勢いが明らかに増したということがあげられる。1950年の刊行開始から2000年までのちょうど50年では、(分冊も別々に数えるならば)合計32冊が全集として世に送り出されており、フッサールの一次資料が公になるペースは、平均すると一年に0.64冊でしかなかった(『フッセリアーナ記録集(Husserliana Dokmente)』第三巻として刊行された全10冊の書簡集のうち、索引を除く9冊をそこに加えたとしても、平均刊行ペースは一年に一冊に満たない0.82冊である)。それに対して2001年から2013年までの12年間では、『フッセリアーナ』として13冊、2001年に新設された『フッセリアーナ資料集(Husserliana Materialien)』として9冊が出版されている。つまり今世紀に入ってからは、一年に約1.83冊というそれまでの三倍弱(あるいは二倍以上)のペースで一次資料が新たに登場しているのである。もちろんこれらの資料には分量にも難度にもばらつきがあるため、単純な計算だけから結論を導くことはいささか安易ではある。だがそうはいっても、気づけば次の巻が出ているというここ十年あまりの状況を目の当たりにして途方に暮れたフッサール研究者は少なくないのではないだろうか。これでは全部を読むことはもちろん、読んだふりをすることさえできないよ、と。

本企画は、以上のような事情によりよく対処することを目的にしている。具体的には、さしあたり21世紀に入ってから公刊された22冊(2013年12月現在)から毎回1〜2冊をとりあげ、2〜3名によるサーヴェイ報告とそれに続くディスカッションを行うことで、当該資料に関する情報の共有を進めたい。今回はこうしたシリーズ企画の第一弾として、鈴木と葛谷がそれぞれ『論理学研究補巻』第二分冊(XX/2)と『知覚と注意』(XXXVIII)についての報告を行う。どちらの巻も1890年代から1910年代前半までのフッサールの研究草稿と講義を集成したものであり、共に認識の現象学的分析に深く関連するため(たとえば、前者では「表現とその他の記号の区別」や「認識における表現の役割」といった話題が、後者では「思念と注意が知覚で果たす役割」や「知覚における現出」といった話題が取りあげられている)、これらを同時に取りあげることは効果的であるように思われる。

タイムテーブル

15:00~15:10 司会者による趣旨説明とイントロダクション

15:10~15:50 報告1:鈴木崇志 『論理学研究補巻』第二分冊(Hua XX/2)

15:50~16:30 報告2:葛谷潤 『知覚と注意』(Hua XXXVIII)

16:30~16:45 休憩

16:45~18:00 ディスカッション