・ フリードマンの議論とは、非合理な投資家が存在しても、非合理な投資家に歪められた証券価格は、合理的な投資家によって「正しい」証券価格に引き戻されるため、結果「非合理な」証券価格はなくなる、というもの。
・ しかし、フリードマンの議論は、現実の市場がファンダメンタルズを反映した価格に必ずしもなっていないという点で正しくない。
・ 裁定取引(投資家)が完全に成立しない、制約条件(理由)
→ 完全な代替資産が存在しない。つまり、厳密な意味での「リスクのない裁定取引(risk-less arbitrage)」は不可能である。
→ 流動性がないとできない。裁定取引は小さな利ざやで儲けるため大量に実行しなければ利益が出ない。そのため、大量の売買で価格が変動してしまう。
→ コストが高い。非常に高い能力が必要で人件費が高い。高度な設備が必要。
・ フリードマンの最大の誤りは、「ノイズトレーダーリスク」という本源的なリスクが裁定取引に存在すること。
・ LTCMは、ノーベル経済学賞受賞のMertonやScholesと実務界でトップの投資家によって設立されたドリームチームであった。
・ ヘッジファンドによる裁定取引(Professional Arbitrage)問題:
・ 実績による裁定取引投資委託(Performance based Arbitrage: PBA): ファイドのパフォーマンスを、現在の実績で判断すること。
>第4章 投資家のバイアスの諸形態(証券アナリスト2次レベル)
Contents > 2sp.証券分析とポートフォリオ・マネジメント(証券アナリスト2次レベル) > 第11回 行動ファイナンス(証券アナリスト2次レベル) >