1 証券投資の分かり易い例
・ 「リターン」は、投資収益を意味し、金額の大きさで測る。
・ 投資元本の割合として測る場合、正確には、「投資収益率(rate of return )」という。
・ トータルリターン=インカムリターン+キャピタルゲイン
※ インカムリターン: 利子、配当
※ キャピタルゲイン: 値上がり益
・ 証券(有価証券)に対する「リターン」は、「トータルリターン」で測られる。
・ 会社(企業)の「リターン」は、株主資本に対するリターン(株主資本利益率、ROE)や、株主資本と他人資本(銀行借入や債券)を含む総資本に対するリターン(総資本利益率、ROA)で測られる。
・ 投資を考える場合、リターンだけでを考えるわけにはいかない。リスクも考えなければならない。
・ リスクとは、儲けや損失の、バラツキの程度(度合い)をいう。
※ 値下がりだけが「リスク」ではなく、値上がりも含む「ばらつき」を「リスク」と考える。
・ 機会損失もリスクの一つである。→外部検索「機会損失」
・ リターンのバラツキを表すツールの1つが「分散」である。→外部検索「分散」
・ リターンのバラツキを表すもう1つのツールが「標準偏差」である。→外部検索「標準偏差」
・ 投資の世界では、この「リターン」のバラツキを「リスク」の尺度として用いられる。
・ 日米の株式・債券の年代別リターン比較(Chart)
・ 日本の株式のリターンをみる指標として、ここでは東証証券取引所の第一部に上場している銘柄全体を指数化した「東証株価指数(TOPIX)」を用いている。
・ 米国の株式は、「S&P500インデックス」を用いている。
・ 債券は、日米とも、10年債の利回りから産出している。
・ 株式は、債券よりも、バラツキが大きい。
・ 債券は、株式よりも、バラツキが安定している、とも言える。
・ 10年単位よりも、年度単位の方が、バラツキが大きい。
・ 日本の株式と債券のリスクとリターン(Chart)
・ もう少し長期の、2004年以前の33年間のデータで見ると、
・ 株式は、年率平均リターン「8.8%」+-標準偏差「17.7%」=(-8.9%~26.5%)
・ 米国株式・債券の長期リターン(Chart)
・ さらに長期の、2000年以前の100年間のデータでみると、
・ 株式は「10.1%」、債券は「4.8%」である、これは名目リターンで、
・ インフレ調整後の実質で見ると、株式は「6.7%」、債券は「1.6%」であった。
・ 配当利回りと長期金利・定期預金金利の推移(Chart)
・ 「配当リターン」を、日本の主要企業400社の指標で見ると、最近上昇してきている。
・ 一方、債券の利回りは大幅に下がってきている。
・ 年次株式収益率と30年間年率リターン(Chart)
・ 日本の株式のキャピタルゲインをみると、最近大きく下がってきている。
>第2章 リターンとリスクの計測(証券アナリスト1次レベル)
Contents > 1sp.証券分析とポートフォリオ・マネジメント(証券アナリスト1次レベル) > 第1回 証券分析とポートフォリオ・マネジメントの基礎(証券アナリスト1次レベル) >