・ ソロー成長モデル : きわめて簡単なフレームワークではあるが、ある経済環境のもとでどのような水準に資本蓄積が収束していくのかを予測することができる。
・ 生産関数と貯蓄関数(Chart)
・ 資本減耗(Chart)
・ ソローモデルの弱点2つ
→1. 貯蓄率を一定として所得を消費と貯蓄に機械的に振り分けることを想定しているため、資本収益率に応じて消費と貯蓄の配分変更していいくというダイナミックな消費者行動を把握できない。
→2. どの程度の資本蓄積が適切なのかという問題に直接答えることができない。
2 ラムゼーの経済成長モデル
・ ソロー・モデルの2つの弱点
→ 第1 貯蓄率を一定として所得を消費と貯蓄に機械的に振り分けることを想定→資本収益率に応じて消費と貯蓄の配分を変更していくダイナミックな消費者行動を把握できない。
→ 第2 どの程度の資本蓄積が適切なのか直接答えることができない。
・ ソロー・モデルの弱点を、ラムゼー(F.Ramsey)が提起したモデルが契機となって発展してきた成長モデルが克服した。
・ ソロー・モデルにおける資本蓄積過程(Chart)
・ 生産性向上と資本蓄積(Chart)
(1) 資本蓄積の過程
・ ラムゼー・モデルは、高度な動学的極大化問題(変分法)によって導出される。
・ フィッシャー方程式に表れる実質金利は、ラムゼーモデルでいう資本所得率に相当する。この資本所得率には、資本保有によって生じるキャピタル・ゲインが含まれていない。
(2) 消費者行動
・ 消費者は、資本所得率が高いと消費(すなわち再投資)を選択し、資本所得率が低いと貯蓄を選択し消費は減少する。
(3) 資本所得率(実質利子率)の決定
・ 資本水準が高まると資本の限界生産性が低減していくため、高水準の資本蓄積のもとでは資本所得率が低くなる。
(4) 定常状態の特性
・ 資本蓄積の黄金律(Chart)
・ 消費水準を極大化させる資本水準を黄金律(golden rule)と呼ぶ。黄金律の資本水準では資本の限界生産性は資本減耗に等しくなる。また、黄金律水準では1単位の資本投下によるインカム・ゲイン(資本所得率)はゼロになる。
・ 黄金律超えて資本が蓄積される状態では、過剰蓄積(over-accumlation)が生じる。つまり、長期的に適切な資本水準は黄金律水準を下回っている必要がある。
(5) 資本と消費の動学的経路
・ 資本水準が低いほど資本限界生産性および資本所得率が高まるため、消費を現在から将来に引き延ばそうとする誘因が高まるからである。
・ 資産価格決定理論(asset pricing theory)では、資産価格が割引率を超えて高騰し続ける状態を資産価格バブル(asset price bubble)と呼ぶ。
>第5章 新古典派成長モデルの展開(証券アナリスト1次レベル)
Contents > 1e.経済(証券アナリスト1次レベル) > 第7回 マクロダイナミックス(証券アナリスト1次レベル) >
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