二度のコーヒー危機を招いたのは需要の停滞が原因です。特にそれまでのコーヒー消費大国の消費減退がありました。しかし、コーヒーは2006年ごろから世界的な需要拡大へ。
コーヒー豆の消費量の国別変化
1992-2005年、2005-2019年、単位:1000×60kg、データICO
この時期のコーヒー需要はほとんど伸びていません。伸びていないって、消費量は結構増えているではないか...と言われるかもしれませんが、これは価格低下で説明できます。この期間、1995年に価格高騰などもありましたが、その後ベトナムの輸出量増大で2001年を底としてコーヒー豆は大暴落します。2005年に価格はやや持ち直しますが、そうすると需要量ももとに戻りました。つまり、価格が下がって需要量が増えただけということです。こういうのは需要が増えたとは言いません。
国別には、アメリカで消費量がやや増加しましたが、フランス、オランダ、ドイツなどコーヒーの消費国が軒並み消費量を減らしてしまいました。国民1人当たり消費量を見ても、消費量の多い米国、スウェーデン、ノルウェー、デンマークで停滞~減少しています。価格が低迷している中での消費減退は、こうした国でコーヒーという飲料に飽和感が出てきたことを推測させます。
それに対して、中南米、南欧、東欧地域などでは消費量の伸びが確認されます。特にブラジルの消費量の伸びがこの時期の供給増大による価格低下を抑えていたと思われます。日本もこの時期に消費量が増大しました。
国民1人当たりのコーヒー豆消費量の変化
: 1992-2005年
単位:g/人、データ:ICO
▼欧州を拡大
この時期は2011年に価格高騰があったにも関わらず、消費量は増大をし続けます。
一時期需要が停滞していた米国、フランス、スウェーデンも需要増に転じます。エジプト、カナダなどでも増加し、世界的な需要拡大といえるでしょう。一時期飽きられつつあったコーヒーがなぜ需要拡大を見せたのか、スペシャルティコーヒー運動なども実を結んできました。ラテ系飲料の増大もありました。ロブスタ種の品質向上も寄与したかもしれません。上記でロブスタ種独特の苦みを抑えるなどの技術が普及していきます。焙煎機の機能も向上したようです。その辺りはコーヒーの消費大国アメリカの事情に書いてみました。
生産国も国内消費を増やす方向に転換します。特にブラジルは,今やアメリカに並びそうな世界第二位の消費国にまで増えました。ベトナム、フィリピン、インドネシアといったアジアのロブスタ系産地国の消費量も増大しました。こうした国は2000年代に入ってからの経済成長の影響も大きかったようです。
国民1人当たりのコーヒー豆消費量の変化
: 2005-2019年
単位:g/人、データ:ICO
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