美味しいコーヒーと言えばアラビカ種。カネフォラ種は味では劣り,インスタントコーヒーとかに使われるものというのが定説。しかし,アラビカ種は,標高の高い比較的冷涼で乾燥したところを好む。カネフォラ種は,それに比べると高温多湿の低標高で栽培できるので,どちらかというと沖縄ではカネフォラ種の方が向いていそうなんですね。
それにカネフォラ種の方が病気に強いようです。カネフォラ種は,ブラジルではコニロン(Conilon,クイユ Kouillouとも呼ばれる)が栽培されていますが,一般にはロブスタ。ロブスタという名称は英語のrobustから来ているとか。つまり,「頑健」ということ。
しかし,いくら作りやすくても高く売れないとやっていけないので,今のところ沖縄ではみなさんアラビカ種を生産しています。
ならば,ロブスタがおいしくて高く売れればどうか?という話になるわけです。
最近,ファインロブスタというのがあって,カッピングスコア80を超えるロブスタもあるとか。8Coffeeさんがやたらとベトナムのロブスタを推しておられる。
これがそんなに美味しいのであれば,沖縄でもちょっと考えてみてもいいんじゃないのかって思って,ロブスタを出しているカフェがないかと探した。エスプレッソとかにファインロブスタを使う人はいるみたいだが,ドリップで出しているところを探した。東京の国立にあった(THE MIDFLOW coffee roast)。近く・・・でもなかったが,東京で用務があったので,終わってから中央線に乗って国立まで行ってみた。駅からもちょっと距離があったがてくてく歩いて行った。休みだった(涙)。
やはり自分で焼いて淹れてみることにした。
焙煎日:2025.3. 14
生豆:8Coffee 楽天市場
産地:ビントゥアン省 15小規模農家
品種: ロブスタ(R138)
精製:Winey-Natural
価格:1,550円/400g(税込)
ピッキング:446g→363g
焙煎方法:さっと水洗い,翌々W焙煎。1回目水抜き 20分で341gに(乾燥で重量6.1%減)。あまりに着色が違うのが2種類あったので,分けて2回目本焙煎。濃い方175gを14分で156g(水分1.9%),重量10.9%減。薄い方,166gを14分で151g(水分2.60%),重量 9.0%減。
はじめてのロブスタなので,クセのないウォッシュトを買ったつもりだったが,届いたのはWiney-Natural。間違ったのは自分の方のようなので,文句はいえない。
豆の大きさはスクリーン18ぐらい。質感がアラビカと全く違う。アラビカの豆はぎゅっと絞まった感じだが,ロブスタはなんかぽこぽこしている(これでわかるかな?)。
しかしそれ以上に驚いたのが銀皮(シルバースキン)。これは,ロブスタというよりも,ナチュラルだからなんだが,それでもこんなに銀皮に固められた豆はじめて見た。ちゃんとした焙煎機だと,焙煎途中でチャフとして吹き飛ばしてくれるんだろうけど,土鍋焙煎だと,自力で取り除かねばならない。これは大変だろうとビビった!
400gを購入したが,ピッキングで1割ぐらい減るだろう,ということで,446g入れてくれていた。良心的なお店だ。しかし,銀皮がすごくて欠点豆がわかりにくい・・・。30gほど除いたが,1回目の水抜き後に,しっかりやろうとあきらめる。
いつものように冷たい水でさっと洗った。普通だったら,ここで少し銀皮がとれたり,ふにゃふにゃになったりするが,ちょっと洗ったぐらいではびくともしないような銀皮。
焼き方はいつも通り。350度まで熱した土鍋に豆投入。ちょっと強めの火で20分。15分で130度ぐらいまで上げて,あとは5分,火を弱めて水がしっかり抜けるまで待った。
アホみたいにチャフが出る。ベランダに出てハンディ扇風機でチャフを飛ばすが,飛ばしても飛ばしてもチャフが出る。ベランダがチャフだらけになった。
まあまあチャフが飛んであらためて豆を見てびっくり。2色ある! 結構濃く色づいたやつと淡食のまま色づいてないやつ。火の入れ方にムラがあったわけではない。焼きにムラがあったとしたら,もっと真っ黒になるやつもあるし,もっと白いのもあって,グラデーションができる。しかし,きれいに2色に分かれた。どういうこと?
いつもアラビカを焼いている時も焼き色がつかない豆が混じることがある。Quakersと呼ばれる豆のこと。未成熟豆だとこうなる。えぐみのもとになるから取り除かないといけない。逆に熟しすぎたり古い豆は焼き色が早くついたりする。しかし,それは通常一部だけで,コロンビアのスプレモとかピッキングしてから焼くとそんなのはほとんどない。ほんとにきれいに色が揃ったりする。
ロブスタというのはそういうものなのか? それとも,品種はロブスタとあるが,もしかして別の品種が混じっている?それとも15の小規模農家から豆を集めたというので,農家によって収穫適期の判断が違うのか? いろんな可能性が頭をよぎったが,ここまできれいに分かれると,ちょっと気になるので,別々に焙煎してみることにした。面倒くさいが,どうせこの段階で欠点豆をはじかないといけなかったので,ついでに濃いのと白いのとをえり分けた。
写真はあんまり色に差がないようだが,実際はもっとちょっと色に違いがある。この段階で欠点豆を49gえり分けて,濃いのが175g、淡色の方が166g残った。なんか淡い方が香りが強いような気がした。
これもめんどくさかったが,濃いのと淡いの別々で焼いた。両方とも14分であっさり焼けた。まず,焼いている時の香りがアラビカ種と全然違う。アラビカ種も品種によっていろんな香りがしてくるが,最初は青臭くてそのうちコーヒーらしい香ばしさが立ってくる。ロブスタは,う~ん何だろう,やはり最初は青臭かったがアラビカとはちょっと違う。そして焙煎が進んでもなかなかコーヒーらしい香ばしさが立ってこない。このちょっと刺激のある臭いが消えるまでは焼こうと思ったが,意外とあっさり温度が上がっていった。
ハゼ音はごく少数だったが,淡い方のハゼ音の方がやや元気がよかった。焼いた後は,濃い方が156gで水分1.9%まで減った。中深という感じ。淡い方も151gで水分2.6%になった。同じ中深だが濃い方よりやや浅いということか。
ところが,淡い方が浅く焼けたはずなのに,色はむしろやや濃くなった。艶も淡い方が出ている。謎が多い。
それにしてもなんか初めての香り。
焙煎後1日目,飲んでみました。
抽出はいつも通り。
エアロプレス,豆:20g,中挽き(だいたい),お湯:92℃を100cc30秒,80℃を130cc,1分30秒,抽出45秒,ロスタイム15秒(計3分)
う~ん,苦い!しかも,パプアニューギニアのような後味がさわやかな苦さではなくて,後を引く苦さ。
Wineyと謳うだけあって,確かにワインっぽいフレバーは感じるが,カツーラほど豊かでなないし,あまり心地よくない(これは個人的な好みもあるとは思う),しかもずっと残る。
カップはクリーンではあるが,これは私のピッキングと抽出技術によるものか?(笑)
濃いのと淡いのとの差は,濃い方がまだ風味がある。淡い方は,苦みも少ないが風味も薄い。いわゆる味が薄い。WCRの表現によると,Amplitude(味の振幅)が小さい・・・多分。
もっとも,まだ焙煎したてだから,もう2~3日してから,もう一回比べてみよう。
見た目は全然変わらないですね。
焙煎から3日目。濃い色の方を淹れてみた。淹れ方は前回と同じ。う~ん,前回よりもあの香りが強烈になっている。ちょっと苦手かも・・・
焙煎から6日目。淡色の方を淹れてみた。前回の強烈さでどんびきし,なかなか淹れる勇気がなかった。しかし,今日は珍しく天気もよく体調も良かったので(笑)再チャレンジ。
淹れ方を変えてみることにした。豆20gを中挽き,お湯を86℃まで冷まして100g投入,10回ほどかきまぜて同じお湯を130g追加。キャップをはめてすぐ抽出。
う~ん,飲める。香ばしさはすごい。ただし,甘味はない。
要はフレバーを抑えた淹れ方なんだが,フレバーを殺すって,コーヒーとしてどうなんだ?・・・ロブスタに合う淹れ方が,なにがしかあるのだろうか?
もともと,ロブスタは高温高圧で処理されてインスタントコーヒーに使用されている。ここにはそれ用の装置がないのでどうしようもないが,代わりに,ごしごし洗って,乾燥機で乾燥させてから焙煎してみたらどうなのか?この方法,アラビカでやって味もそっけもないコーヒーになってしった。なので,もうやってない。乾燥機も部屋の隅に追いやられている。しかしロブスタこそどうなんだ?
無駄な努力への興味がムクムクと湧いてきた・・・