論文をオープンアクセスにする際に、出版社のポリシーを確認する必要がある場合があります。
雑誌に掲載された論文の多くは、著作権譲渡契約によって出版社や学協会が著作権者となっています。
論文をセルフアーカイブ(UTokyo Repository、分野別リポジトリへ登録等)する前に、当該論文の著作権者が許可しているかを確認する必要があります。
・著者によるセルフアーカイブを認めているか
・公開可能な原稿の種類:Published version / Accepted Version、出版社版 / 著者最終稿 など
・公開できる時期:Embargo、論文掲載後〇カ月後 など
・公開できる場所:Institutional Website / Author's Homepage、機関リポジトリ/著者個人のWebサイト など
出版社・学協会、または雑誌ごとにセルフアーカイブについての条件は異なります。条件をオープンアクセスに関するポリシーとしてまとめている出版社・学協会もあり、それらを雑誌単位で検索できるデータベースがあります。
Open policy finder(旧SHERPA RoMEO)
対象:世界の出版社等のポリシー。
雑誌のタイトルごとにポリシーまとめられており、論文のバージョン(Submitted/Accepted/Published)と、エンバーゴ(公開禁止)期間や選択したライセンスに応じた公開条件(Option)がそれぞれの見出しにまとめられています。
*掲載されている情報は最新のものではないこともあるため、各ページに掲載されているURLをクリックして、出版社のウェブサイトで最新の情報を確認すると安心です。
SCPJ(Society Copyright Policies in Japan:学協会著作権ポリシーデータベース)
対象:日本国内の学協会等のポリシー。
運営者:日本のオープンアクセスリポジトリ推進協会(JPCOAR: Japan Consortium for Open Access Repositories)
雑誌とそのポリシーをリスト化してGoogleスプレッドシートにまとめられています。論文のバージョンごとの著者による掲載可否や、掲載場所(機関リポジトリ等)、掲載条件等の情報が1列ずつ分けて記載されています。まとめられたポリシーは「SCPJ Search」を使用して、雑誌名や学協会名、付与されていればISSNなどをキーとして検索できます。
*掲載されている情報は最新のものではないこともあるため、学協会のウェブサイトで最新の情報を確認すると安心です。
各出版社・学協会のウェブサイトでは、セルフアーカイブの可否や条件を掲載している場合があります。(サイトの名称例:Open Access、Rights and Permissions、For Authors)。
当該ウェブサイトを探す際には、以下を組み合わせてキーワードにして検索する方法が有効です。
・「(Green) Open Access」「Self-archiving」「(Institutional)Repository」等の用語
・公開対象の論文のバージョンを指す用語
・出版社名
・雑誌タイトル
日本の出版社・学協会の場合は、「オープンアクセス」「オープンアクセス方針(ポリシー)」などを検索のキーワードにできます。
また、各雑誌のウェブサイトに公開条件がまとめられていることもあります。
ウェブサイト内で情報が見つからない場合は、以下の方法もあります。
・メールや問い合わせフォームなどで直接に問い合わせ
・契約書の内容を確認する
各出版社のポリシーでは、論文のバージョンによってセルフアーカイブを許諾するかどうかが異なります。それぞれの段階でどのような取扱いが許められているかを確認する必要があります。それぞれのバージョンの日英の名称は、次のとおりです。
プレプリント:Preprint
アクセプトされる前のバージョン
著者最終稿:(Author)Accepted Manuscript、Accepted Articleなど
アクセプト直前の提出バージョン
出版社版:Version of Record、Final Published Versionなど
アクセプトされ校正も済んだバージョン
学会誌などを出版する側として、対象誌のポリシーを定める際には次のガイドラインが参考になります。
著作権ポリシー策定・公開ガイドラインについて
https://jpcoar.repo.nii.ac.jp/news/2024#news_20241220
著作権ポリシー策定・公開ガイドライン
https://doi.org/10.34477/0002000542
(最終更新日:2025/04/01)