210002:「完成振替」はどんな機能?
【回答】
完成工事基準の経理方式では、未成工事支出金や未成工事受入金など貸借対照表科目に計上した金額を
工事完成時に損益計算書科目に振替します。
※この仕訳を自動的に出力する機能が「完成振替処理」です。
この経理方式をとっていても、財務会計ソフトで完成振替を行う場合や未成工事原価を損益計算書科目で
経理処理している場合にはこの処理は不要です。
※完成振替を財務会計ソフトで行う場合、この処理は不要ですが、
完成振替後の転記を完成振替転記先科目(完成科目)で出力させる場合は
当処理を実行してください。
その際、完成振替の財務会計ソフトでの読込は不要です。
※工事進行基準の完成振替は、進捗区分「部分完成」の機能を利用してください。
完成振替仕訳生成のしくみ
すでに転記した売上伝票と仕入伝票のうち、対象となる完成工事分を工事別科目毎に集計します。
財務会計へ転記>転記設定>科目の「通常転記先」と「完成振替転記先」で次のように出力されます。
※完成振替は原価科目のみ行うことが一般的です。売上科目の完成振替は入金伝票振替形式で入力し、
通常転記で処理する運用をお勧めします。
完成振替の対象データと振替
借 方 貸 方
原価科目 「科目」完成振替転記先(完成) 「科目」通常転記先(未成)
(例) 材料仕入高 未成工事支出金
売上科目 「科目」通常転記先(未成) 「科目」完成振替転記先(完成)
(例) 未成工事受入金 完成工事高
※ 完成振替の伝票日付は、工事毎に「工事登録」の進捗日付で出力されます。
※ 完成振替転記先科目が未登録の科目は完成振替の対象外となります。
※「その他工事」「入庫(工事)」は完成振替の対象外となります。
完成振替後の仕訳出力
完成振替をしたあとに転記した仕訳はすべて完成振替転記先科目(完成科目)で出力されます。
完成日以前の日付であっても未転記の伝票や完成振替後に修正した伝票と追加した伝票は
すべて完成振替転記先科目で出力されます。
※ 「工事登録」の「完成振替済」のチェックを外すと、通常転記先(完成振替前)での仕訳出力に戻ります。
■完成振替後の仕訳
借 方 貸 方
原価科目 「科目」完成振替転記先(完成) 「仕入先」通常転記先
(例) 材料仕入高 買掛金
売上科目 「得意先」通常転記先 「科目」完成振替転記先(完成)
(例) 売掛金 完成工事高
※完成振替転記先科目が未登録の科目は完成振替後の転記も通常転記先で出力されます。