寄せ集め短歌鑑賞

歌人別ページ

目次



評論でとりあげたり、そのついでに思いついたりした短歌鑑賞をここに集めています。

もとの評論とは表現を変えている場合もあります。

短歌鑑賞 歌人別

無主物にそらみつやまとしきしまのみちの表土をすこしけづつて

かくばかりわれをもとむるいのちあり網戸を隔て蚊の裏をみつ

調理法のおもひうかばぬ食材のおほき生簀のまなかをあゆむ 

掃溜めのあをいライトのしたにゐて静脈をもうさがしだせない

ショートケーキだとしたらおまえ、もはやとがってるとこ一個もないぞ

--にしかまだ言ってないから誰からじゃあ、漏れたか分かる噂 各自が

電話しながらぼくがあなたも舞浜を言う真夜中のもしも これから

下北沢の食べるお店で迷ったら入るころまでおりている坂

分かってて違う血液型の血を入れるときってこんなだろうか

階段を上がってきながら怖い人「今1階に誰もいないよ」

もう終わるギャグ漫画にはキャラクターたちがしりとりする回がある

ふたりのうち一人が塾を指さして昔行ってたーって言った

三人が刺され一人が亡くなったあとの二人のように暮らした

音楽の先生を性欲で好きだったおれには資格がない

こんばんは日本年金機構から業務委託を受けた者です

本日も東日本のご利用まことにありがとうございました

ぼくたちを徴兵しても意味ないよ豆乳鍋とか食べてるからね

買いはしないアイス売り場は金正日総書記みたいになる後ろの手

自販機へのぼる誰もがつま先をお釣りの穴にいったんいれて

もらうだけ 持ってるものを守るだけ 「ありがとうございました!」ってだけ

人が人にふつうに冷たいときがある 竜巻(ボールペンだけで描く) 

みんなどの秋にキンモクセイのにおいって教えてもらったんだよ

自衛隊だから 元、って噂してるトラックがゆく花びらのなか

ルビ:元【もと】

壁をアコースティックギターこすれながら倒れていった泊めてもらう日

さっきから言ってることと実際にやってることがドクターペッパー

最後は「楓」だから楓が終わったら終わったままにしておいていい

何を考えているのかわからない。何を考えてるかが分かる?

食べたあと4人くらいで黙ってて「行くか……」っていうとき おもしろい

一睡もしてない、みたいな一滴も飲んでない、の言い方が要る

女1:男99の図の青いあの人たちのあの後

母さんがおなかを痛めて産んだ子はねんどでへびしか作りませんでした  

考えてみますねのねでファスナーの音 そしてまたファスナーの音

……などなど。

笹井宏之(まだ準備中)

夕立の檻にかこまれ国道を二匹の青い動物がゆく

柴田瞳(まだ準備中)

蛇行しつつ夜空を目指すぬばたまの十号玉の孤独を思え

琥珀色の海ができたら伝えよう 醸成を待つ心は金魚

意外にもよく喋るひと森になって聞けば内耳の季節が変わる

晴れ上がる銀河宇宙のさびしさはたましいを掛けておく釘がない

エスカレーターにせり上がりくる顔顔顔  朝のホームは魔術師である

この不思議な磁力のなかをすりぬける左右にならぶ鯨と機関車

休日のしずかな窓に浮き雲のピザがいちまい配達される

雪ふればふるとてかなし理髪屋のねじりん棒の無限上昇

三月の雪ふる夜にだす手紙ポストのなかは温かですか

朝礼に並ばされいておとなしい低温殺菌されたる君ら

半分のいのちとなりしタマネギの切り口がすこし膨らんでくる

人の名を呼んだりしない秋天の星は無限の吸音装置

ねむりゆく私の上に始祖鳥の化石のかたち重ねてみたり

あたたかき毛糸のような雪ふればこの世に不幸などひとつもない

雪ぞらの浸透圧なすさびしさはガラス一重を透りくるらし  

杉山モナミ(まだ作成中)

天の川って義憤に似てるひかりの波しゅるるる消えるまで抱きしめる

押しの一手のひとたちおぼろの空を押して指圧のようにきみがとどく日

お相撲さんとすれちがう度にんげんについてハッと考えてきた

サルトルがタンスを内側から閉めるみたいなちから 秋はおかしい

ムコスタくん推定1歳コンビネゾンふわわ 夏の夢に落ちくる

ていねいなクシャミはたぶんいつだってマイケル・ジャクソンのたまごです

梨の匂い この世にきっと想像もつかないような友情がある

バッグから今日も四方にうっとりのレコンキスタがはみ出している

ともだちのいないセンスのお姫様ですものさくらはマナーも最悪

むすびめに似ているからほどかれるひとがいて丹田とはなんですか?


土井礼一郎(まだ準備中)

ある年は物干し竿にTシャツをひっかけたまま死ぬ人もいた

男の子なるやさしさは紛れなくかしてごらんぼくが殺してあげる

ねえむうみんこつちむいてスコップのただしいつかひかたおしへます

 ひ‌と‌夏‌の‌鬱‌で‌も‌い‌い‌が‌く‌さ‌か‌づ‌ら‌つ‌ぎ‌の‌駅‌名‌く‌ら‌ゐ‌読‌ま‌せ‌ろ‌や‌ ‌

まもりのための家でも石なので投げるものだつたらなんとかなる

杭のかぶるゴム手袋が来てみろといふいいからなにもないから

木蓮は白でよかつた庭さきに青いのがあんなにきてたまるかよ

なにか撃たれやしなかつたかぽぽぽぽと鰯雲その集まるあたり

葉の下にはげしくつるむかたつむりわれに無音の音域のもの

とにかくこのままでゐてはいけないと蛞蝓の跡がみちをわたる

いいですかおはきな足にあふ靴ですあなたにも履いてもらひます

膝折って崩れるまでのふしぜんを念のためこの眼で見ておくために

藤原龍一郎(まだ準備中)

韻文をわが武器となし見あげれば積乱雲の翳の濃密

家庭内歌人とは何?バスタブのふちに玩具のアヒル並べて

白鳥さん悲しいほどに麗子です海のあおさは削除しました

この子がおまえの子だと先生に言われ教室の端に立つ参観日

目蒲線沿線にスーパーアメフラシあらわれ青でぬりつぶす

とつぜんのスーパーアメフラシ父さんの見る海にボクは棲めない

社会には食うためだけの情熱や努力の後の盛り塩がある

撒き散らされたもののため捨てられてキャベツ畑で体をひらく

大人用オムツ履かされ父は鯵のひらきのように自己を投げだす

撒き散らされたもののため捨てられてキャベツ畑で体をひらく

びかびかの星にもなれぬ水煙をあげて来たりし象は倒れき

かたわらに折り畳み式一生があり展がるたびに水がこぼれる

ないよりはだいぶいい虫コナーズ    ぶらさげているヒロシマの鐘

ほか

渡辺松男(まだ準備中)

ふゆの疎林にまんじゆしやげ青くあるところ運命はえらびとりうるにあらず

ねむれずにゐるきみのなか海老いろの癌はうごくかだいなみつくか

そのほかの作者 あいうえお別整理箱

鑑賞歌が少ないばあいとりあえず以下に振り分けておこうか、と……。

あ行の歌人 書きかけ

か行の歌人 準備中

さ行の歌人 準備中

た行の歌人 準備中

な行の歌人 書きかけ

は行の歌人 準備中

ま行の歌人 準備中

や行の歌人 書きかけ

ら行の歌人 準備中

わ行の歌人 準備中