変な関係代名詞の治療法

Redundant や Wordy という言葉をご存知でしょうか。これは同じ文のなかに同じ意味の語が重複してあることや、簡単に言えるのにややこしい表現を使っているということを意味します。例えば、In my opinion I think that the world situation is serious. では、In my opinion とI thinkが同じく「意見を持っていること」をあらわすので、この場合はどちらか一方を省略することになります。次の文を見てください。

He works for a company which makes computers.

以前に使っていた教科書にはこのような英文がありました。この文は文法的には正しいのですが、He works for a computer company. で十分かと思います。次の文は、どのように修正すれば良いでしょう。

Mr. Tanaka is a man who teaches English.

これは、Mr. とa manが重複しています。そのため、Mr. Tanaka teaches English.とすればスッキリします。ワークなどにのっているMr. Tanaka is a teacher who teaches English. などは、言うまでもなくWordy な文の典型です。

ここで紹介したように、教科書や参考書、ワークの関係代名詞の項目では、文法練習を重視するあまり、日本語を文字通り置き換えたギコチナイ英文が必ずと言っていいほどあります。多くの場合、関係代名詞を使わずに簡潔に表現できます。とりあえず「関係代名詞でしか表せない表現」と「関係代名詞をつかわなくても、簡単に言える表現」の区別はぜひ身につけ たいものです。「良い英語」「分かりやすい英語」とは、難しい表現や言葉を使うのではなく、簡単な語でシンプルな構文をつかうことだと言えます。

次のような英文も問題としてあるワークブックに載っていました。

Ichiro is a famous baseball player that everyone knows.

(イチローは、誰もが知っている有名な選手です。)

これは、redundantな英文と言えます。“famous”ということは当然 “everyone knows” なわけです。ということで、これは、Ichiro is a famous baseball player.ですんでしまいます。テスト問題に次のような英文が使われていました。

She needs someone who will talk to her.

「彼女は話し相手が必要だ」を英訳したつもりだと思います。これも文法的には正しいのですが、She needs someone to talk to. という表現がでてきてほしいもんだと思いました。これも会話表現などに慣れていればすぐに使える表現です。

「関係代名詞は使わなくても良い」というわけではありません。ただ、関係代名詞を使わなければ表現できないものは、関係代名詞を使い、使う必要の無いものは、もっと簡単な表現を使うべきだと私は思います。