America 国名由来の謎
~Amerigo Vespucci VS. Richard Amerik~
~Amerigo Vespucci VS. Richard Amerik~
Amerigo Vespucci 説の疑惑
“アメリカ” という国名の由来は、「アメリカの発見者と信じられたイタリア人の航海者 Amerigo Vespucci のラテン名 Americus Vespucius から」ということは、よく知られてはいますが、実はこの説に異論を唱える学者がいます。
Basil Cottle 博士は、アメリカは Amerigo Vespucci に由来するのではない、と主張しています。(Go Britannia! 3.America may have taken its name from a Welshman.)
Cottle 博士によると、新しい国や大陸などには First Name がつけられることはなく、必ず Second Name がつけられるはずなので、もし Amerigo Vespucci の名前をとったのであれば “Vespucci Land” のようになっていたはずだ、ということです。
次のようにすると、Cottle 博士の主張がよく分かると思います。 確かに地名に限らず、人名に由来する語といえば、Family Name の方が使われています。
☆America アメリカ…Amerigo Vespucci (?_?)(イタリア人の航海者)
なかには、Guy Fawkes のように First Name が使われていることがありますが、基本的に姓の方が使われています。そう考えると、Amerigo Vespucci に由来するのに、なぜ “Vespucci” ではなく、First Name の “Amerigo” が使われたのか疑問です。
Richard Amerik 説
America という地名は、John Cabot の2回目の大西洋横断の投資者であった Richard Amerik に由来する、とCottle 博士は言います。“Amerik” という姓は、ap Meuric (the son of Maurice)というウェールズ語に由来するそうです。
John Cabot は、1484年、ヘンリー7世に未開の地の探索を命じられました。Cabot は、カナダ東部 Hudson 湾と大西洋の間にある Labrador にたどり着き、Nova Scotia から Newfoundland までの沿岸の地図を作成しました。投資者であり Chief Customs Official であった Richard Amerik は、その名を地図に残すことができたようで、イングランドでは “Amerik's Land” として知られるようになりました。このように、北アメリカの地図は主に英国製だったようです。
Vespucci の航海は、南アメリカ大陸沿岸で、北アメリカにまでは到達していません。彼は、Buenos Aires の the Rio Plata を “発見” しました。1507年、Vespucci の発見が出版された年に、「新大陸」を「アメリカ」と呼ぶことが提案されましたが、「南アメリカ」だけのことを指したようです。そして、その名前は John Cabot がすでに作っていた北アメリカの地図からとった名前であった可能性があるのだそうです。
私の憶測
ここからは私の「憶測」なのですが、ひょっとして北アメリカがすでに “Amerik's Land” と呼ばれていることを Vespucci は知っていて、あえて音が似ている First Name の Amerigo に由来した名前を南アメリカの地名にしたのではないかと思うのです。
“Amerik's Land” に由来する北側が「North America」になり、Vespucci の“発見”した土地が「South America」となる。由来が異なるにもかかわらず、表向きにはどちらの大陸も “America” と呼ばれる。投資家であった Richard Amerik は無名のまま。航海者・探検者として名声を得た Amerigo Vespucci は世に知られるようになる。「北米」「中米」「南米」の区別を考えることなく、単純に「America という地名は Amerigo Vespucci に由来する」と言われるようになる。
強調しておきますが、↑この部分は特に根拠のない私の憶測です。ただ、こうして考えてみると、なぜ Amerigo Vespucci があえて自分の First Name に由来する地名を「新大陸」につけたのか分かるような気がするのです。
社会科などでも歴史的事実として「アメリゴ・ベスプッチ説」が紹介されていることがあります。あまりにも有名で、疑われることのないこの説に異議を唱える Basil Cottle 博士の研究にこれからも注目していきたいと思います。