Guy Fawkes Day

Guyって"やつ"知っていますか?

Guy Fawkes Day ~the Fifth of November~

Remember, remember the fifth of November:

Gunpowder, treason, and plot.

We know no reason

Why gunpowder treason

Should ever be forgot!

1605年、国王ジェームズ一世のプロテスタント政策に不満を持っていたカトリック教徒の Guy Fawkes とその共謀者は、国会議事堂を火薬で爆破して、ジェームズ一世と上下両議員を殺害しようとした事件が起こりました。しかし、これは11月5日議会開始前に見つかり、翌年Guy Fawkes と共謀者は反逆罪で処刑されることになります。

この事件は "Gunpowder Plot"「火薬(陰謀)事件」として知られるようになり、陰謀を未然に防いだこの日を祝して11月5日は "Guy Fawkes Day" となりました。400年以上もたった現在でも"Guy Fawkes Day"をイングランドでは、花火や大かがり火(fireworks and bonfires)で祝っています。子供たちが“guys”と呼ばれる人形(effigy)を持って“a penny for the guy”と通りの人に言いながら街を練り歩きます。ぼろぼろの服を着た "guys" は、かがり火(bonfire)で焼かれます。 当然、「“悪者”である Guy Fawkes」を処刑する意味が込められています。

こうした事件を理解するためには、カトリックとプロテスタントの歴史をおおざっぱにでも知っておくとよいと思います。ヨーロッパそしてアメリカを一歩深く見ることができます。といってもまだ私も勉強不足なので、もっと勉強していつかこのことは記事にしたいと思っています。

もうお分かりと思いますが、“guy”の語源は、このGuy Fawkesに由来します。1940年代までは“She is a good guy.”のように性別に関係なく使われていたようです。現在では主に男性を指して言いますが、複数の人、つまり「みんな」のように言うときには性別にかかわらず“Hi, guys!!”などと言います。

なぜ日本であまり知られていないのか?(2003年11月追加)

Halloween は日本のみならず、世界的に有名なイベントと言えると思います。しかし、一方で Guy Fawkes Day は、あまり知られていません。現在の日本は、アメリカの影響を強く受けているというのが理由として考えられます。しかし、それ以上に、カトリックとプロテスタントのいわば“殺し合い”から始まり、イングランド(プロテスタント)にとっての “カトリックという悪者” を人形にみたてて焼くという、よく考えてみれば、非常に残虐な祭りだからではないかと思うのです。Bonfire Night は、次のように解説しています。

Soon, people began placing effigies onto bonfires, and fireworks were added to the celebrations. Effigies of Guy Fawkes, and sometimes those of the Pope, graced the pyres. Still today, some communities throw dummies of both Guy Fawkes and the Pope on the bonfire (and even those of a contemporary politician or two), although the gesture is seen by most as a quirky tradition, rather than an expression of hostility towards the Pope.

“Gunpowder Plot” の首謀者の一人であった Guy Fawkes の人形だけではなく、the Pope(ローマ法王)の人形まで焼くこともあるそうなんです(T_T) "as a quirky tradition, rather than an expression of hostility towards the Pope."とは言っても、「敵意」の現れであることには違いありません。

English as a Global Language ~Ireland~ を読んでいただければ分かっていただけると思いますが、イングランド(プロテスタント)がアイルランド(カトリック)を支配して、カトリック教徒の職業を制限していたときに、カトリック教徒が希望する職業につきたければ、「ローマ法王に対する忠誠を破棄する文章」を読まなければなりませんでした。こうした対立を背景として知っていると、この Guy Fawkes という祭りの本当の姿が見えてくるような気がします。