1999年秋号
<寄稿記事>
◾️パドリングエリアガイド
・静岡県・西伊豆(入間~下田):カラー4P
・鹿児島県・錦江湾桜島:カラー4P
【パドリングエリアガイド】
◾️静岡県・西伊豆(入間~下田)
トップで使われたのは大根島近辺。海の色が透明感のある青と緑。フジフィルムのプロビアの発色に適した色だった。この辺りは何回も漕いでいるが、ここまで静かなことは珍しい。
こちらの文章は三澤徹也さんが担当している。この取材のときは代表の村田泰裕さんは同行しておらず、当時のNCKは、週末だけや住み込みでガイドをする奴らが何人もいて(三澤さんもその一人)、その中から何人か手伝ってくれたのだった。
ここのフィールドで一番のフォトジェニックだったポイントは、盥岬の近くの入江にあった沈船。しかしこの沈船はすでに撤去されており、さらに木々の成長のためにこの湾も隠されてしまい、撮影自体が今はもうできない。しかしよくこんな狭い湾に入り込んだものだ。そして航路の邪魔になる、誰かの迷惑になっているわけではなく、むしろ観光資源にすらなっていたのに、なんで撤去したのかなあ。他に使うお金もあるだろうに。
この後に出された凄まじく誤植が多かったカヌー雑誌に、全く同じアングルで撮影された写真が掲載されていたな。
マップに入れる情報を作るにあたっては、各海岸の様子とトイレを撮影。サーフィンも合わせて何日もかけて素材を揃えていったと思う。もう状況が変わってしまっているところもあるだろうな。
◾️鹿児島県・錦江湾桜島
溶岩の向こうに、噴煙をあげる桜島。これもまた日本でのシーカヤッキング。ほんとうに様々なフィールドがある素晴らしい国だ、この日本は。
鹿児島には日本でもかなり早い時期からのシーカヤック・ビルダーであるNanoks(ナノックス)があった。このときのエスコート役は、そのナノックスの櫛山氏を中心とするメンバー。奄美シーカヤックマラソンで知り合った。
ナノックスはシーカヤックのラインナップの充実、インフレータブルカヤックの「マナティ」シリーズのリリースと拡大路線を歩んできたが、その後、アウトドアブームが去り、景気の後退によってナノックス母体の測量・計測用品の販売がメイン事業であるランドアートはシーカヤック生産事業から撤退、現在、カヌー・カヤックビルダーとしてのナノックス、ランドアートはない。
ただその火は消えているわけではないので、いずれどこかで紹介できればと思っている。
さてこの時の錦江湾でのシーカヤッキングは、桜島をほぼぐるりと周るコース。昔、といっても1914年の大正噴火の前であれば一周できたのだが。訪れたのは真冬だったが、なんとなく暖かかったのは覚えている。海中温泉もあり、海の中ではガンガゼが長い針をゆらゆら動かしていたから、実際暖かかったのだろう。写真からキャンプもしているのだけど、どこでキャンプしたかはパッと思い出せない(もちろん本誌を読めば書いてあるのだが)。その代わり「キャンプ地を決めるのは、風次第」という言葉を覚えている。そう、火山灰を避けなければならないからだ。
ただ誠に残念ながら、現在は桜島側の漁港、港、避難港全てカヤックの利用は禁止になったと地元の方から伺った。つまり遠目に見るのはともかく、この山の近くのパドリングはほぼ不可能、ということだろう。
噴煙上がる活火山をバックにカヤッキングできるのは、ここか硫黄島くらいだと思っていたし、湾奥ということもあって波もほとんど立たず、快適なパドリングができ、さらにイルカの群もよく現れるということで、いつかまた漕ぎたいと思っていたのだけど・・・。
確かこの取材あたりから、上限は決められたけど交通費を経費として申請できるようになったと思う。最も鹿児島なんて行くと全然足りなかったけどね。あと後日、だんだん台所事情を知るとその交通費も請求しにくくなって、結局自腹になっちゃったんだよね。総括にも書こうと思っているけど、カヌーライフでの活動は結果的には赤字だったね、完全に。