ゼバイカウント

馬名：ゼバイカウント

別表記：バイカウント

性別：牡

父：ビクトリアス【資料３】

母：マーチオネスマリア【資料３】

毛色：栗毛

生年：１８８１年（明治１４年）

死年：１８９４年（明治２７年）

産地：英国

■解説

・明治２０年にイギリスからやってきた馬。おそらくスプーネーと同時に輸入された。

・ゼバイカウントの「ゼ」は「The」なので、「バイカウント」などのように「ゼ」を抜いて書かれる事も結構多い。

・輸入された年は下総で種牡馬として供用され、同年２０年５月に新冠御料牧場に送られた。この扱いはスプーネーとほぼ同じであるがゼバイカウントはこの下総での短い期間で吾妻と交配し、吾妻は「第八吾妻」を産んだ。

・その後新冠御料牧場で５～６年ほど種牡馬に供されたが、晩年には再度下総御料牧場に移送されたようだ。

・そして明治２７年に死亡。種牡馬としての供用期間も短く、残念ながら第八吾妻以外はこれといった産駒は残せなかったと言える。

・同じ年に、同じイギリスから、同じ値段で購入した豪傑「スプーネー」とは明らかに差を付けられてしまった、という評価にならざるを得ない。

■遍歴

・1881(M14)：イギリスで産まれる。【資料２・３】

・1887(M20)：日本に輸入され、下総種畜場で繁殖に供された。

・1887(M20)５月：新冠御料牧場に移送された。【資料４】

・1893(M26)頃：下総御料牧場に移送された。【資料５から推定】

・1894(M27)：死亡した。【資料６】

■資料

【資料１】輸入種牛馬系統取調書

・https://dl.ndl.go.jp/pid/842117/1/15

宮内省において購入の分

種類：乗用

性別：牡

毛色：栗毛

産地：英国

名称：バイカオント

購入価格：英貨５２５ポンド

輸入年：明治２０年

【資料２】宮内省下総牧場における競走馬の育成調教

・https://dl.ndl.go.jp/pid/1067254/1/18

輸入年：明治２０年

名称：ゼバイカウント

種類：英国産洋種

性別：牡

毛色：栗毛

生年：明治１４年

【資料３】輸入サラブレツド血統簿　全

・https://dl.ndl.go.jp/ja/pid/946289/1/144

ゼー、バイカウント　栗毛　牡　明治２０年輸入　THE VICOUNT 1881 （新冠御料牧場）

母：マアチヲネス、マリア　黒鹿毛　Marchioness Maria 1867

父：ビクトリヲス　鹿毛　Victorious 1862

【資料４】新冠御料牧場沿革誌

・https://dl.ndl.go.jp/ja/pid/901111/1/17

（２０年５月）先に英国において藤波侍従購入のサラブレッド種「バイカオント」号来場す。

【資料５】明治３年度　馬籍原簿（下記宮内庁公文書サイトで検索）

・https://shoryobu.kunaicho.go.jp/Kobunsho

[167/340]　１２０４　

馬名：勝洋　

性別：牡

生年：明治２８年４月２４日

父：バイカウント　（英吉利サラブレット種）

母：六歌仙　（一回雑種）

産地：駒之頭区

種類：（空欄）

減籍：明治２９年３月２８日　萩原盛種へ代金９５円にて払下げ。血統書第５３９号。

【資料６】日本之産馬２（８）

・https://dl.ndl.go.jp/ja/pid/11209078/1/17

バイカウントは６８頭の子を残し２７年に斃れた。