イチロク
明治10年、根岸競馬で活躍した雑種の馬
名称:Ichi Roku (イチロク)
性別:騸
父:不明(ナポレオン三世の馬)
母:不明(南部産の和種)
毛色:芦毛
生年:明治5年
死年:不明
産地:南部生まれ?
■解説
・根岸競馬を走った雑種の馬。
・父が「ナポレオン三世の馬」とされるがその名称は不明である。
・ジョンピールが当該馬を購入し、根岸競馬のレースに使用した。
・当時の根岸競馬は春と秋に各3日間行われる体育祭のような形式となっていた。またレースカテゴリも「日本馬」「中国馬」「日中混合」の3つのみであり、イチロクは「日本馬」として参加した。
・明治10年の秋大会に参加し、5レースを走り2勝した。
・その後ケガをして引退。結果として1シーズンのみの参加となってしまった。
・相当の気性難であったようだ。そのため日本馬の中に雑種が参加したにも関わらず成績も今ひとつ。
・引退後の行方は不明だが、明治11年の取香種畜場の名簿に「睾丸抜芦毛」というひどい名前の雑種が書かれており、イチロクと特徴がよく似ている感じがする。【資料2】
■遍歴
・1873(M5):南部地域にて生まれる?【資料1】
・1878(M10):根岸競馬明治10年秋シーズンに参加
・1879(M11):引退し取香種畜場に送られた?【資料2】
・その後の行方は不詳
■資料
【資料1】The Japan Weekly Mail [Nov.10.1877]
・https://archive.org/details/jwm-bound-1877/page/n1037/mode/2up (右ページ右中段あたり)
The greatest novelty,however,which this meeting presented,was the advent on the course of Ichi Roku,a pony raised at the Government breeding establishment at Nambu.The pony is a gelding aged 5 years 4 months,his sire having been a pure Arab,one of those presented bythe late Emperor Napoleon to the last Shogun.and his dam a native Nambu pony.
【資料2】富里村史 史料集 2(近・現代編)
・https://dl.ndl.go.jp/ja/pid/9641696/1/376
睾丸抜芦毛と云う雑種牡馬 一頭
是者東京新宿へ廻す