● 実践できて今週も幸せ

投稿日: Apr 27, 2010 11:45:40 PM

 

2年間理由があって、WWを実践できなかったK先生が、今年度は年度当初から特別支援学級でのWWの実践を復活しました。以下は、〇回目のWWをした後の報告です。

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Tくんにものすごい変化が!!

バカボンから離れた作品を書き出すことに。

ミニレッスンでは、前任校の子ども達が作った文集『8歳の文学』を使用。

作品を読み聞かせしようかなと思っていると、「先生ちょっと見せて」と言って、自分でページをめくりながら好きな作品を読み出しました。

ちなみにこのとき、RさんとJさんはまだ教室に戻っておらず、Tくんとマンツーミニレッスンを開始。

そのうち戻ってきた二人は、自分から座布団の在りかを聞いて、座布団を持って読書コーナーに集まってきました。(読書家の時間・作家の時間の最初と最後には、座布団タイムがあることが当たり前になりつつあります)

何も言わずにTくんとのミニレッスンに合流。

この日のTくんは、タイトルに興味を持つ。

「最初のページに目次が載っているから、そこを見ればいろいろなタイトルが出ているよ」と言うと、真剣にタイトルを読み入るTくん。

ノートを開き、タイトルを考えること1分。

最初に考えたタイトルは気に入らなかったのか、3文字書き出して「先生消して」と言い出しました。

正直、また今日も…と思いましたが、この日のTくんは違ってました。

なんと、タイトルを新たに4つも考え出したのです。

このノートの表紙にタイトルを書き出すというアイディアはとしくんのオリジナル。

今日はその中の一つ、『その日はダメだった』をひたすら書いていました。

JさんとRさんは、何も言わずと自分の好きな場所で書き出しました。

Jさんのお気に入りの場所は変わらず、Rさんは相変わらず寝そべりスタイルで書いていました。

Rさんが書けそうなことシートに前回書いたJさんの似顔絵。

前回は、Jさんをモデルに「ちょっとこっち向いてて」なんて言いながらでっかい顔を一つ描いて、あとの時間は何も書かず、「今日は書かないの?」ときくと、「うん、これはね、ただJさんを描いただけなの」と言っていたRさん。その時は、本当にただ描いただけなんだろうな。書きたいことと結びつかないのかな…、と思っていました。

しかし、昨日、『じゅうんまん』というタイトルで見事、Jさんをモデルに作品を書き出したのです。

書いている内容はみなさん読み取れますか?慣れてくると、しっかり読み取れるようになります。この作品を読むと、Jさんの朝からの様子を時間を追って書いていることがわかります。休み時間になっても書こうとするほど、作品に入り込んで書いていました。

Rさんは現在6年生。3年生まで通常学級に在籍していました。3年生までの国語で、Rさんは他者と比較され、教師の物差しで評価され、深い傷を負いました。「Rさんは書くことが苦手なんだ」というメッセージをずっと与えられてきたのです。去年は書くことに異常なまでに拒絶反応を示していました。去年の行事作文(すごくそれを書かせるのがいやでしたが)や出来事日記では、いやいやながら3行以上書いたことはありませんでした。

そんなRさんが作家の時間で息を吹き返しつつあります。今後が楽しみです。

昨日のJさん。またまた書けそうなことシートに、へんな国の登場人物が追加されました。

それにしてもこの想像力&創造力はどこから来るのでしょう。

昨日もひたすら書いてました。

昨日は離任式で2年間の空白を生み出した先生が来たので、控えめな作家コーナーに。

おまけ1(Tくんの別枠作品)

おまけ2(Tくんが書いたスクーターものづくり書!?これをもとに現在本当にスクーターを作っちゃおう計画が進み、既にナンバープレートができあがりつつあります)

【保護者会】

保護者会で読書家の時間、作家の時間について保護者に説明。

実際に子どもたちが書いた作家ノートや読書家の時間で読んでいる本、マイ読書コーナーなどを紹介。

【振り返り&つぶやき】

・毎回毎回子ども達の変化に驚くとともに、改めて年間を通して行うスタイルの強みを感じる。

・特別支援学級においても、自立した学び手になることは十分可能性がある。

・もともと持っている才能や能力を見える形にするのが教師の仕事。

2010年4月24日・K記