●WWって何ですか? その2  ~ 2つのサイクル

投稿日: Mar 25, 2010 11:11:58 PM

作家の時間の特徴(すごいところ)を説明し続けます。

 

2つのサイクルを大切にしています。

 

一つは、本物の作家やノンフィクション・ライターが実際に使っているサイクルです。

①題材集め → ②下書き → ③修正 → ④校正 → ⑤出版 → 再び①題材集めを繰り返すサイクルです。

 

でも、実際は、このようにスムースに流れることは少なく、③までいったのに、パッとしないので、また①に戻ったり、あるいは②の下書きをやり直したり、という感じです。

 

また、自分が本当に書きたい題材(テーマ)であると、作文指導では教師の役割になってしまう修正や校正のステップを、繰り返しやる子どもたちの姿を頻繁に見るようになります。⑤の出版が先にあるというか、自分のメッセージを読者にいい形で伝えたいので、修正や校正をいとわなくなるのです。 教師にとっては、これまでの実りのある仕事とは決して言えない(でも、自分はやるべきことをやっているとは思えた)家での添削をやらなくなるので、楽になるだけでなく、子どもたちが修正と校正の力を身につけるわけですから、誰にとってもいいわけです。

 

このサイクルを、年間に何回も繰り返しますから、書く力がつくわけです。

 

もう一つのサイクルは、1時間の時間のサイクルです。

①ミニ・レッスン → ②ひたすら書く/カンファランス → ③共有の時間

45分の場合だと、ミニ・レッスンは5~10分、ひたすら書く/カンファランスが30分、③共有の時間が5~10分という感じです。

特徴は、書くことがうまくなり、好きになるには、そのための時間、つまり「ひたすら書く」時間を一番多く確保する、ということです。泳ぎ、スキー、サッカー、野球など、スポーツの世界では当たり前になっていることです。「うまくなりたければ、ひたすら練習するしかない。」

子どもたちがひたすら書いている間に教師がすることは、自分もひたすら書くモデルを見せるか、書いている子どもたちにその場で2~5分ぐらいずつのカンファランス(相談)をして回ることです。 ★これについては別項で。

 

ミニ・レッスンは、子どもたちに身につけてほしいことを、教える時間です。 ★これについても別項で扱います。

注意しておきたいことは、「ひたすら書く」時間は、ミニ・レッスンで教えられたことを練習する時間ではないということです。子どもたちは、あくまでも自分の書くことを優先します。その中に、教えてもらったことが役立つ場合は積極的に使います。

共有の時間は、ミニ・レッスンで扱ったことを補強するために、あるいは「ひたすら書く」中で見つけたみんなでぜひ共有したいことを全体でシェアする時間です。 ★これ(=作家の椅子)についても別項で扱います。

 

年間の最初のWW(作家の時間)は、特に大事です

 

(つづく)