オススメ図書紹介(子ども用)

ここに紹介するのは、『作家の時間』(プロジェクト・ワークショップ編著)で紹介した本です。

◆は『作家の時間』の本文で取り上げている本です。(掲載ページ)

※『ライティング・ワークショップ』でも、題材探し等について学べる絵本を多数紹介しています。

 

 

Ⅰ 題材集めの参考になる本、「書く」ことを勇気づける本

『けんかのきもち』柴田愛子 伊藤秀男(絵)、ポプラ社、2001年

・日常生活の中の話題をさがすきっかけに

『だめよ、デイビッド!』デイビッド・シャノン/小川仁央訳、評論社、2001年

・「こんなことあるでしょ」「こんなことも書いていいんだよ」という誘いかけに

『勇気』バーナード ウェーバー日野原 重明訳、U-LEAG出版、2003年

・一つのテーマから多くの題材を生み出すことができるということ

◆『じぶんだけの いろ』レオ・レオーニ/谷川俊太郎訳、好学社、1975年(P.169)

・自分らしさを大切にするということ

◆『てん』ピーター・レイノルズ/谷川俊太郎訳、あすなろ書房、2004年

・一歩ふみだすということ、作家の決断ということ

 

Ⅱ 物語の構成や場の設定について学べる本

◆『三びきのやぎのがらがらどん』ノルウェーの昔話 マーシャ・ブラウン(絵)/瀬田貞二訳、福音館書店、1965年(P.35)

・変化のある繰り返し、橋の上という「場」の設定

『星空キャンプ』村上康成、講談社、1994年

・現在(日曜日)→過去(月~土曜日)→現在(日曜日)という構成、大きな視点

『さつまのおいも』中川ひろたか 村上康成(絵)、童心社、1995年

・土の中→土の中と地面の上→地面の上という視点の移動、最後のどんでん返し

『ゆらゆらばしのうえで』木村裕一 はたこうしろう(絵)、福音館書店、2003年

・話のメリハリ(ハラハラドキドキの場面とゆったりとした対話の場面)

『トゥートとパドル‐ふたりのすてきな12カ月‐』ホリー・ホビー/二宮由紀子訳、BL出版、1999年

・「はじめ、中、終わり」という構成、往復書簡という形式、二人の人物の対比

 

Ⅲ 文章表現の技について学べる本

◆『スイミー』レオ・レオニ/谷川俊太郎訳、好学社 、2000年(P.168)

・比喩の効果、体言止めによるテンポの良い文体

◆『おまえうまそうだな』宮西達也、ポプラ社、2003年(P.33)

・擬音語、擬態語の例、繰り返しの効果、絵で語る、行動描写による書き終わり

『落語絵本 はつてんじん』川端誠、クレヨンハウス、1996年

・生き生きとした会話、語り口調の文体、オチのある書き終わり

『さかなつりにいこう!』村上康成、理論社、1996年

・擬音語、比喩、体言止め、省略、簡潔な言い回し、章立て

『みどりの船』クェンティン・ブレイク/千葉茂樹訳、あかね書房、1998年

・人物や自然についてのすぐれた描写、時間の進め方(省略する、じっくり描く)

『とてもすてきなわたしの学校』ドクター・スースとJ・プレラツキーとレイン・スミス 神宮輝夫訳 童話館出版、1999年

・リズムのある歌うような文体

 

Ⅳ 書き出しと書き終わりの工夫が学べる本

◆『もしかしたら名探偵』杉山亮 中川大輔(絵)、偕成社、1992年(P.124)

・主人公の自己紹介から、人物の特徴の描き方、常体文、

『すっぽんぽんのすけ』もとしたいづみ 荒井良二(絵)、すずき出版、1999年

・会話文の書き出し、きめぜりふの書き終わり

『ともだちや』内田麟太郎 降矢なな(絵)、偕成社、1998年

・書き出しと書き終わりがミミズクのじいさんのつぶやき

『ぼくにもそのあいをください』宮西達也、ポプラ社、2006年

・書き終わりが題名、明確なテーマ

『ルラルさんのにわ』いとうひろし、ポプラ社、1990年

・主人公の紹介、余韻の残る書き終わり(文章で表現しない)、はじめ・中・終わり

 

Ⅴ 明確なテーマのある本

『鳥の島』川端誠、BL出版、1997年

・「夢」「勇気」

『せかいいち うつくしい ぼくの村』小林豊、ポプラ社、1995年

・「平和」、アフガニスタン、美しい描写のみで静かに「戦争」の意味を描く

 

Ⅵ 想像力を刺激する絵本

『アンジュール』ガブリエル・バンサン、ブックローン出版、1986年

・「絵だけで語る短編小説」、捨てられた犬に感情移入する

『かようびのよる』デヴィッド・ウィーズナー/当麻ゆか訳、徳間書店、2000年

・「絵だけで語る短編映画」、音やにおいやせりふをいろいろに想像させる

 

Ⅵ ノンフィクションの本

『うん このあかちゃん‐おとうちゃんの出産絵日記‐』長谷川義文、クレヨンハウス、2006年

・家族の記録、絵本作家による本文も手書きの私的な絵日記

『トイレのおかげ』森枝雄司(文・写真) はらさんぺい(絵)、福音館書店、2007年

・身近な話題、意外性、小見出の付け方、時間的な広がり、空間的な広がり

『どうぶつえんガイド』あべ弘士、福音館書店、1995年

 

・読者の興味関心にこたえる、観察の視点、いろいろな切り口、小見出の付け方

 

イラストの効果的な使い方、似ているものとの比較、ユーモア

 

『やあ!出会えたね テントウムシ』今森光彦、アリス館、2004年

 

・筆者の感動、読者を引き込む構成、詳細な観察と記録、詩的な描写

 

『アマガエルとくらす』山内祥子 片山健(絵)、福音館書店、1999年

 

・数奇な出会い、長い年月にわたる飼育の記録、筆者の心の動き、感動・驚き

ようこそ!せせらぎ教室へ まるごと川あそび』阿部夏丸 奥山英治(絵)、PHP、2004年

・ノンフィクションとフィクション、魚自身に語らせる、いろいろな文体