投稿日: May 01, 2010 2:21:42 PM
今日は、学校行事で授業はなかったので、子どもたちが出版した作品を掲載して、ちょこっと考えてみた。
「ひとりでいけるかな」
表紙を入れて5ページの作品である。
「ひとりでいけるかな」 ○○○○○○○○ さく
「○○ちゃんはえきからままとさよならまたあとでといてがっこうえむかいました」
「がっこうにつくとみんながあそんでいます」
「がっこうについたらせんせいがいました」(おはよう)(おはようございます)
「こうていでみんなとあそびました」
気がついたことを書き出してみる。
①電車通学をしている子であるが、どの子も、この時期は学校に一人で来ることが大きな課題である。この子もその例にもれず、一人で登校することを頑張っていることがわかる。
②表紙にタイトル、作者名が書けている。
③主人公を「○○ちゃん」と3人称で書き、自分を客観視した視点で書いている。
④3枚目の文章に驚いた。この文章だけが現在形で書かれている。他の文章は過去形で書かれていることから、この場面を現在形で書くことで強調しているのである。「やっと、学校についた。安心した気持ち。友だちがそこで遊んでいる姿を見てうれしい気持ち」とこんなことを表現しているのだと思う。(もちろん、書いた本人は無意識で使っているはずである。)
⑤会話文を書いている。
作文の指導をしていて、この過去のことを現在形で表すという表現技法は、小学生には指導不能だと思っている。でも、この子は、文字がたどたどしいながらも、使いこなしているのである。すごい言語能力である。
もしかしたら、1年生の言語能力はわれわれが考えている以上に高いのかもしれない。
その能力を、「作家の時間」という場を与えることで、自分の言語能力が引き出されたと考えてもおかしくはないだろう。
すくなくとも、従来の1年生流の作文指導をしていたら、こんなことには気がつかなかったと思う。
とにかく、今日は、びっくりした。
(2010年4月28日水曜日・I先生・記)