牛・丑・うし・ウシ(2) 「牛」の語源について

牛・丑・うし・ウシ(2) 「牛」の語源について

2008年11月15日 11時50分27秒 | 漢籍リンク

[丑の語源][牛・丑・うし・ウシ 鶏口牛後]

■音

【ピンイン】[niu2]

【漢音】ギュウ 【呉音】

【訓読み】うし、ぎゅう

■解字 象形。牛の頭部を描いたもの。ンゴウという鳴き声をまねた擬声語。「楚辞」の天問や「山海経」によると、殷(イン)の王子王亥(オウガイ)がはじめて牛を飼いならしたという。 藤堂明保博士の 『漢字の話』(上)によると・・・ 「隋・唐の時代には ngiəu と発音したので、日本の漢字音ではギュウと読む」 だそうで、今の北京語では、ng が n に変わったので niu2 というのだそうだ。

まだ日本語になれていない中国人が、牛肉のことを 「ニューにく」 と発音したりするので、そこはきちんと聞き分けてあげる必要がある。

「牛」のことを、ngiəu と発音した理由は、ウシのなき声をそのままとった擬声語だからだそうだ。

役牛(えきぎゅう)は敏速ではないが忍耐力がある。中国人は重苦しくてねばっこい声を「ゴウゴウ(ngəu)」と形容するそうだが、それはウシの声とよく似ているから。

鈍重だがねばりけのある性格を「牛性」というらしい。

「牛耕」、すなわち牛を使う農作業は、漢の時代に普及し、さらに中国から西方へ伝わっていったという。

中国でも古くから牛を食用にしていたらしく、論語に「割鶏焉用牛刀」という言葉があるが、これについては次回に。

牛・丑・うし・ウシ(漢字家族)