ある店に立ち寄った際、その密閉性をアピールするためでしょうか、蓋をそっと置いて手を離すと、音もなくスーと下がって閉まる様子につられて買い求めたのですが、数年たつと、手で押し込まなければなくなりました。これは表面をうっすらと覆う錆の影響のようで、蓋が閉まる部分を布などで磨くと、しばらくの間は、元通り自然に閉まるのが救いです。

大きさは直径5.6cm、高さが9.0cmと小ぶりですが、表面には独特の浮彫りによる装飾があって、この茶筒の側面に施されているのは、蓮、梅、菊、竹の模様で、多分、吉祥を表わしているのでしょう。ただ、蓋の上に大きく彫られている「茶」の漢字だけは、何か動植物の形にしてもよいのではないかと思うのは私だけでしょうか。

（写真にある太線の格子は5㎝ 間隔です。会員№102 中村記）