インドネシアの籠・皿などを支える台座

投稿日: 2016/08/04 0:56:09

1本の木から削り出した伸縮自在の台座

今回は、以前インドネシアのバリ島を旅行した際、ウブドという村で入手した籠や皿を支える木彫りの台座をご紹介いたします。

余談になりますがバリ島は、イスラム化しているインドネシアでは唯一、ヒンズー教が信仰の中心になっているところで、偶像崇拝ならぬ、ガルーダに乗ったビィシュヌ神を始めとする神々の石像や木像が島中に溢れています。また、海岸近くにあるクタの町が観光の中心になっていて、日本だけではなく、目と鼻の先にあるオーストラリアからもマリンスポーツを楽しむ人々が多く押しかけています。

こうした賑わいに縁がない私のような高齢者には、水田の稲穂に囲まれた高地にあってクタの街中よりも過ごしやすいウブドのほうがお似合いです。ここではいつもどこかでガムランの音楽が流れ、バリ舞踏が上演され、絵画や彫刻の工房があちこちにあって、芸術の村ともよばれています。この台座は、そんな芸術とはほど遠い土産品ですが、下の写真に見られるように、1本の木から削り出す工夫と技の冴えは見事なもので、使わない時にはコンパクトにまとめておける便利さが光ります。ただ、爪や掌紋まで細かに彫りこんだ手のひらが薄気味悪いという向きは、多少あるかもしれませんが、そこはご愛敬ということにしておきましょう。(会員№102 中村記)

使用しなければ、左(上)の写真のようにまとまり、一本の木から削り出された様子がよく分かります(太線の格子は5㎝ 間隔の表示です)。台座として使う時には右(下)の写真のように拡げて置きます。