インドネシアの壺形容器

投稿日: 2016/12/26 1:57:06

ビーズ刺繍で飾られた壺形の容器

これは、以前ご紹介した籠・皿などを支える台座と同様に、インドネシアのバリ島を旅行した際、ウブドという村で入手した壺形の容器です。写真の容器にはビーズ刺繍によるバリ独特の魚模様が見られますが、鮮やかなストライプ模様に刺繍したものも作られています。

本体(容器の下地)と蓋は、ともに植物の蔓が細い竹で留めながら渦巻き状に重ねられており、ここまでなら何の変哲もない民芸品ですが、ここからが大変です。この蔓製の下地に様々な色のビーズを糸で差し込んで装飾模様にしてありますが、一つのビーズは幅1mm、長さ2mmほどの小さなものですから、容器全体を覆うのには10,000粒を優に超えるビーズが必要になります。どのくらいの時間がかかるかは分かりませんが、気の遠くなるような作業であることは間違いないでしょう。

この写真の左側は、容器の内部と蓋の裏側で、右側は、容器の底と蓋を見下ろしたものです。これによって、容器の下地が植物の蔓で作られており、容器の底までしっかりとビーズ刺繍の施されていることが分かります。(写真にある太線の格子は5㎝ 間隔です。会員№102 中村記)