Post date: Jan, 5, 2025 0:45PM
【プロフィール】
地方公務員 / 20代 / 男性
【受験歴】
R4 (1年目) 学科合格 (独学) / 製図不合格 (S短期)
R5 (2年目) 製図不合格 (フォーラム長期)
R6 (3年目) 製図合格 (フォーラム短期)
【体験記】
これから製図試験を受験される方々に向けて私の体験記を記します。
◯R4 (1年目) 学科合格(独学) / 製図不合格(S短期)
初受験の年、学科試験同日にSの採点会に参加し、その後すぐに学科受講生に混じって製図短期コースのガイダンスを聞くこととなり、1年で合格できる可能性を信じて受講しました。
初年度の2ヶ月半は、製図版を使った作図練習が苦手で、エスキスは出来るときと出来ないときがあり(出来るときでも2時間以上)、ずっと先が見えないトンネルにいる感覚でした。
本試験までに図面を作成できるレベルには到達したものの、本試験当日はエスキスがうまくまとまらず、丘持ち柱や階高設定不備など思い当たるミスも複数あり、不合格となりました。
◯R5 (2年目) 製図不合格(フォーラム長期)
2年目をどうしようか非常に思い悩みました。
そんななか、ネットにかじりついて偶然出会えたのがフォーラムです。
体験談を読んで衝撃を受け、ガイダンスを受講してすぐに講座受講を申し込みました。
課題発表までの前半講義は過去問に取り組み、小林先生のエスキスを披露してもらう形式です。
前半講義中に、製図初年度に学んだエスキス方法はすべて忘れようと思いました。
言葉の定義や読み取り順序、使用する道具やコンセプトなど、すべてが相異なるものだったからです。
フォーラムのエスキス方法は、試験の本質を捉えていると感じました。
小林先生から勧められたフリーハンドも私にぴったりで、元々苦手だった作図作業への負担がとても小さくなり、5枚くらい作図した時点で製図版を物入れの奥にしまい込みました。
GW中30分エスキスに取り組み、前半講義が終わる頃になってようやくフォーラムのエスキス方法が分かってきた気がしました。
後半講義は、密度の高い図面のつくり方を教わります。
過去のフォーラム受講生の図面と、ユーザープランニングの合格図面を見比べましたが、図面密度には大きな差がありました。
後半講義の途中では、N公開模試を受験しました。
エスキスが70分で終わり、見直し時間を十分にとれましたが、敷地に隣接するペデストリアンデッキに惑わされ、延焼ライン表記を誤ってしまうミスを犯しました。
試験前日は神社へお参りに行ったり、お寿司を食べたりしながら余計な情報を遮断しました。
本試験当日、自宅から試験会場まで5km以上離れていましたが、製図版がなかったこともあり自転車で行きました。
「はじめ」の合図とともに名前を書き、いつもと同じ方法で課題文に向き合い、エスキスは35分でまとまりました。
2時間を見直しと図面密度を上げる書き込みに充て、合格を確信してクリスマスまで過ごしました。
発表当日、ドキドキしながら結果を見ると番号がありませんでした。
おそらく敗因は運営管理上必要な室等の欠落でした。
◯R6 (3年目) 製図合格(フォーラム短期)
角番の年、4月から自分で過去問演習を繰り返し、7月の課題発表後に小林先生の講義を受講しました。
Nの市販課題に慣れすぎてきていることと、あらゆる事態を想定して考えすぎてしまっていることについてご指摘をいただきながら、Nの公開模試に臨みました。
結果はまずまずで、小林先生からは特に問題はないとの評価でした。
昨年度に加えて、先生から勧められた過去問の音読に取り組みました。
本試験前日には、学科試験の前にも選んだ店でとんかつを食べて験を担ぎ、夕方は近所の公園
を散歩するなど昨年同様にリラックスして過ごしました。
4月に引越しをしていたため、本試験当日は同居人に車で送ってもらいました。
車内で聴いていた音楽は昔見ていたドラマの主題歌で、自分をリラックスさせるためにリピートしていました。
本試験が始まると、直前まで聴いていたドラマの主題歌が頭の中を駆け巡り、課題文が頭に入ってこないピンチに陥り、同じ箇所を4回も読み直してしまったりしました。
そのピンチの中で、小林先生から最終講義で言われた「フォーラム受講生には時間という味方がついている、上手くいかなくてはじめからやり直しても間に合う」という言葉を思い出し、なんとか平常心に戻すことができました。
エスキスは試験開始から50分ほどで終わりましたが、屋上庭園の面積がルールから外れていてしっくりこない部分がありました。
それでも、課題文と照らして条件を満足しない項目はないと判断して図面を書き上げました。
計画の要点も記入して残り時間が60分ほどありましたが、書き込みを一定量に抑え、徹底的に見直しをして図面を提出しました。
本試験後、プランは小林先生と概ね同様だったもののHPと免震Exp.Jの干渉に気づいて落ち込みながらクリスマスまで待ちました。
発表当日は仕事を休み、同居人に頼まれていたクリスマスケーキとチキンを買いに出かけていました。
その出先でやっと発表サイトに繋がり、番号を確認したときには格別の喜びが溢れてきました。
◯所感
製図試験を3回受験するという「まわりみち」を経験しました。
これまで、結果や成果が出ない場合は頑張ることで乗り越えられると信じてきましたが、製図試験は必ずしもそうではありませんでした。
頑張って、自信をつけても上手くいかないことがあり、そうした頑張りだけではどうにもできない状況が人生において必然的にあるものなのだと改めて気づくことができました。
特に角番の1年は、自分の中で様々な葛藤があり、苦しかった記憶があります。
その時期の苦しさを身をもって経験したことで、知らない誰かが置かれた境遇に対する解像度が高まり、よりやさしくなれた気がします。
ドラマの言葉に、「最短の時間、最短の距離で歩く人生には面白い木の実は落ちていない」という言葉があります。
面白い木の実とは、まわりみちしたときにだけ見つけることができる小さなご褒美のことだそうです。
私にとってのご褒美は、他人に対するやさしさが深まったことでした。
何度も挑戦される方の「まわりみち」に、ご褒美が落ちていることを願っております。
矛盾しますが、フォーラム受講は間違いなく合格への最短経路なので、みなさまが「まわりみち」をしないに越したことはありません。
最後に、この体験記を書くことができるのも合格できたからにほかなりません。
小林先生、苦しい時期を支えてくれた家族、恋人、友人、職場の先輩方に心から感謝しています。
本当に、ありがとうございました!