一年前は見当違いな努力に膨大な時間を費やしていた

Post date: Dec 23, 2018 08:27:23AM

 某資格学校に通い製図試験を2回不合格となり、このまま同じところで勉強しても合格しないだろうと思い、偶然インターネットで見つけたフォーラムの合格体験談を読んで申し込みました。


 資格学校に通っていた時は、プランを完璧にすることに重点がおかれていましたので、妥協点がわからず、優先順位がつけられずにエスキスにすごく時間がかかっていました。その点、小林先生は、どうでもよいことははっきりとどうでもよいと言ってくれます。自分が悩んでいたことが実はどうでもよいことだったのだとわかると、良い意味で吹っ切れました。どうすれば合格するか明確に示してくれるので、角番にも関わらず、この一年間はそこまで気負うこともなく、ムダに体力を消耗せず過ごすことができました。こんな調子で良いのだろうか??と不安に思ったときもありましたが、資格学校のように大量の課題で忙殺されない分、何ができていないのか自分で冷静に考え、苦手なところを少しずつ減らしていくように意識しました。そんな様子は外部からもわかるようで、夫からは『なんだか今年は違うね。覚醒したみたいだね。』と言われました。スポーツ施設が課題だったこともあり、課題発表後は2週間に一度くらいのペースでジムやプール等で体を動かし、見学するためという口実を自分に言い聞かせては息抜きをしていました。


 勉強は電車やバスの移動時間をフル活用しました。フォーラムの講義ではA4サイズのノートを使用しますが、携帯用にA5サイズの方眼ノートを用意し、その日の朝の気分で過去問から適当に選び、いつでもどこでも取り組めるようにしました。通勤電車内と会社に着いてから始業時間になるまでの数十分、時間に余裕があれば昼休み、その他の移動中の時間はエスキスをメインに取り組みました。行きの通勤電車は座れないので立ったままエスキスです。一度やった課題を何度も繰り返し取り組むことで、スピード感を身体に覚えさせるという点においても有効だったと思います。エスキスが少し速くできるようになったと感じたのは8月下旬の後半講義が始まったときくらいで、なんとか1時間でできるようになっていました。


 本試験直前の全国模試では、思わぬ事態が発生しました。3階建てのスポーツ施設の作図に取り掛かって1時間が経過したとき、3階の天井が高くなる自分のプランを見て、『あれ?これって4階建てになってる??失格になっちゃうじゃん!』というなんともトンチンカンな考えが浮かんだのです。そこからプランの大修正が始まりました。エスキス用紙に戻ってプランを考え直そうとも思いましたが、そんな時間は残されていませんでした。すでに平面図の大枠は描き終えていた状態から、頭をフル回転させ、図面上でプランを修正し部屋を強引にねじ込みました。終了の合図の直前まで必死で書き込みをしましたが、指定された部屋を一つ書いていないことに気づいたと同時に終了。そしてよくよく冷静に考えたら、3階の天井が高くなっていただけで修正する必要もなかったのです。これまでの製図で味わったことのない悔しさがこみ上げてきました。その後、小林先生に模試の結果を話し、『本番じゃなくてよかったね。経験しておいてよかったんじゃないの』と前向きな言葉をかけていただき、私も良い勉強になったと思うようにしました。模試での悔しい経験から、エスキス終了後と作図の最終段階のチェック方法を見直し、本試験に臨みました。


 本試験では、エスキスの後半で『もっと良いプランができるかもしれない。今から描き直したほうが良いだろうか?』という考えが頭をよぎりましたが、小林先生に言われた『途中でプランを変更しないこと。悩んで変更するよりそのまま突き進んだほうがよい』という言葉を自分に言い聞かせ、そのままのプランで続行しました。課題文に書かれていることが図面に書き込まれているか消し込みを入念に行い、試験終了までひたすら書き込み、試験終了の合図。過去2回の試験の時とはまったく違う出来の図面を見て達成感がこみ上げてきました。


 でも、角番受験の本当のつらさはここからでした。やり切ったという思いと同時に、実は面積計算を間違えていて延床面積オーバーして一発不合格になっているのではないかとか(いつも上限値ギリギリのプランになってしまい、小林先生にも指摘されていたのです)、そのほかにもいろいろ考え出し、エスキスを見返すことも問題用紙を開くこともできず、模試を受けた学校から送られてきた参考回答例も開封せずに破棄するなど、受験後の情報を完全に遮断していました。


 合格発表で自分の名前を見つけたとき、ついに夢が現実になったと思いました。


 一年前は、自分は本当に設計に向いていないと思っていました。そして自分で自分を追い込み、見当違いな努力に膨大な時間を費やしていたのです。


 フォーラムでは“正しい努力”の仕方を教えてくれます。それが他の方が言うように“合格への最短距離”だったのだと思います。


 小林先生、あっという間の一年間でしたが、本当にありがとうございました。