この試験では設計をしてはならない
Post date: Feb 6, 2020 6:16:24 PM
初受検から10年近くN学院に通い、同学院の方法のみを信じて受験してきました。
もちろん、同学院の解法は素晴らしいですし、たくさんの合格者を輩出しているのですから、否定するつもりは皆目ありません。
しかし、フォーラム門下生の私からすると、大変な遠回りをしているように思えるのです。
S学院のスパルタ方式も同様ですし、U指導などは高度過ぎて私にはついていけなかったでしょう。
あまりにもエスキースに重きを置き過ぎているからです。
もちろん、エスキースは大切ですし、手を抜いてよいものではありません。
試験制度が変わったとしても、試験元の求めるゾーニングへの考慮は絶対に外せないでしょう。
その一方で確実に言えるのは、近年の試験問題は長文化の一途であり、かつては有効だったN建式やS学院の方法も、今ではすっかり陳腐化し通用しなくなってきていること。
合格するには、どれだけ効率よく試験元の求める建築物を、「再現化」できるかがキーになっている……ということです。
すなわち、エスキースに掛けられる時間をできるだけ「短縮化する」というのは、合格の絶対条件になりつつあるのです。
こうした点から考えるに、フォーラムの「再現法」は実に理にかなっていると言ってよいでしょう。
単にエスキースの手を抜いて時間を短縮するのではなく、無駄を省き極限まで合理化する、というのが神髄ではないでしょうか。
かく言う私も初めてフォーラムの門をたたき、自信満々で本試験を受けた結果見事に落選。
再現法に半信半疑になっていたのですが、よくよく考えると当日の私は「設計をしていた」という事に気付いたのです。
今一度先生から受けた講義を思い出し、次の本試験までに徹底的に再現法の習得を心掛け学習したところ、本当に考えなくてもエスキースができるようになりました。
そして、コツさえつかめば、簡単に課題文の再現化ができてしまう。
資格学校の課題は簡単すぎて、すべて30分以内にエスキースができるまでになりました。
2019年度の本試験では、前半組(10月)の試験を徹底的に再現法で繰り返し演習し、本番に臨んだところ、12月の本試験では20分程度でエスキース案作成。
課題文のチェックを含めると30分くらいで完成してしまい、その時点で合格を確信しました。
製図にはじっくりと時間をかけ、何度も見直しかつ書き込みを行い、密度の高い図面に仕上げていく。
そして、作図中は明らかに周囲が異様な空気になっているのを感じられるでしょう。
手ぶらでやってきた頭のおかしい奴が、てきぱきと迷いなく図面を描き上げてしまうのですから。
これはもはや快感の領域です。ぜひ皆さんにも味わってもらいたいです。
そして、何よりも10年近く堅い頭で縛られていた私を、「再現法」という魔法で解き放ってくれた先生に、感謝申し上げたいと思います。
小林先生ありがとうございました。