Post date: Dec 27, 2020 9:35:23 PM
建築士フォーラムのホームページをご覧になられている方の中には、令和3年度以降の一級建築士設計製図試験に向けた学校選びを悩まれている方がいらっしゃることかと思います。そのような方に最善の選択をしていただけるよう、この場をお借りして、私の体験談を本文にさせていただきます。
私は令和元年度一級建築士試験の合格を目指し、大手資格学校で前年の秋から勉強を開始しました。学科試験に合格した後は迷う暇もなく当然のように大手資格学校で設計製図試験に向けた勉強を開始することになるのですが、同時にそれは報われることのない日々の始まりとなりました。
手描きの図面を描いたのは大学時代のことで、ましてや建築基準法等に配慮しながら図面を描いたことなど皆無の私にとって、何から手をつけたら良いのかすら分からない状態でした。そのような状態でも大手資格学校からは毎週課題が与えられるため、我武者羅に図面と計画の要点を仕上げて提出し、担当講師から添削を受けるのですが、指導されることと言えば避難経路に至る扉の開閉方向のことや什器の大きさ、図面の濃淡に関わるような指摘ばかりで、設計製図試験の核心に触れる指導を受けるようなことは全くありませんでした。
そのような授業の繰り返しでも我武者羅にこなしてさえいれば1ヶ月後には人並みに問題を解けるようになっているかもしれないという淡い期待を抱きながら過ごしていたのですが、試験当日まで私の技術が合格レベルに到達することはありませんでした。
いくら問題を解いていても確立した方法が見出せなかったため、たまたまうまく納まる時もあればまったく納まらない時もあり、その原因が何なのかすらわからなかったのです。
結果的に令和元年12月8日の試験終了後は、翌年の結果発表を待つ必要もないくらい悲惨な結果となりました。
2回目の試験では絶対に失敗するわけにはいかないと考えた私は、試験翌日から学校探しに奔走することになりました。大手資格学校と言えば2社を想定されると思いますが、私が通った学校に人生を委ねることはできないため、もう1社の話も聞きましたが、私の望んでいる合格メソッドを習得することはできないと感じました。
その後、インターネットも使い全国にある学校について調べた結果、ひとつの学校に辿り着きました。
それが“建築士フォーラム”です。
はじめは半信半疑でしたが、ホームページ内の体験談を読み進めていくと、体験談を書いている合格者の方々が同じことを言っていることに気がつきました。
毎回決まった順番で問題文を読み進め、決まった手順でエスキスを進めていくと出題者が意図する図面ができあがると。
これこそが私の望んでいた解法であり、合格するために必要な学校だと確信した私は、直ぐに小林先生に連絡を取り、ガイダンスを受けることにしました。
ガイダンスでは大枠しか触れられませんでしたが、“復元法”というメソッドを垣間見るには十分な内容でした。
小林先生から教わる“復元法”には自分の考えをエスキスに盛り込むという概念は無く、教えられた通りの方法で問題文にあることを図面化していくという製図作業になります。
建築士フォーラム卒業生の皆さんが言っていることですが、“復元法”を習得できればエスキスが30分、遅くても1時間で終わってしまいます。
今年の2月から小林先生の授業を受け始め、前半の講義が終わった時点で概ね1時間程度でエスキスを終えることが可能な状態に仕上がっていたと思います。
後半の講義は課題発表後から始めることになりますが、課題に沿った専門的な知識の肉付けに加え、“復元法”の精度をさらに向上させていきます。
小林先生からは“復元法”に加え、一級建築士設計製図試験で合格するためには何をしなければならないかということと、何をしてはいけないかということについても明確に教わります。採点方法が減点方式である設計製図試験において、何が減点対象で何が減点対象でないかを認識しておくことは非常に重要なことだと思います。
また、問題文にある言葉の一つ一つが持つ意味についても教わることになるため、自分の思いや考えを入れ込む余地がありません。
つまりは、設計製図試験と言えども設計することはなく、問題文に書き記してあることを図面化してく製図作業になるのです。
最後の授業では、「もう教えることはないから、体調管理だけは怠らず、頑張っておいで。」という言葉までいただきました。
当日の試験では、開始直後からいつも通りの順番で問題文を読み進め、40分程度でエスキスが完了、計画の要点は1時間で完成させました。
周りの受験者はまだエスキスをやっている状態だったこともあり、何か読み落としでもしているのではないかという不安にかられてしまい、図面を描き始める前に改めて問題文とエスキスを照らし合わせて最終チェックを行いました。
結果として、大した問題が見つかることもなく、残り時間が4時間30分となったタイミングから図面を描き始めることになりました。後は、一秒たりとも余すことなく図面の書き込みを行い、今までにないくらい密度の濃い図面を仕上げました。そして、何が減点対象で何が減点対象ではないかを頭の片隅に置きながら、問題文にある内容を網羅していきました。
それでも合格発表の日に名簿にある自分の名前を確認するまで不安はありましたが、結果として無事に合格することができました。
大手資格学校では2時間でエスキスを終えて、計画の要点に1時間、残りの3時間30分を製図に費やすように指導されると思いますが、今年度に限って言えば、3時間30分で満足いく図面を書き上げることは困難な試験だったと感じています。それぐらい作図量の多い試験でした。仮に今後も今年度と同程度もしくはそれ以上の作図量を要求されると想定した場合、エスキスにかける時間を最大限に縮めていくことが必要不可欠になると思います。
余すことなく私の当時の心境や思いを書き記しましたが、同じ境遇にある方は建築士フォーラムの小林先生に教わってみるのが合格への近道だと思います。
煩雑な文章で恐縮ですが、令和3年度以降の一級建築士設計製図試験の合格を目指す方のお役に立てれば幸いです。
小林先生、1年間本当にありがとうござました