この春あたりからずっと調べ物をしている。別にこれという目的があるわけではないのだが。
基本的には調べるという作業は楽しい。いろんなところに発見があり、驚きが隠されている。た
だし、いつもそうとは限らない。確かにおぼろげな知識の再確認や、新しい発見の連続であった
が、今回ばかりは、楽しいというものではなかった。むしろ苦しかった。しかし、この事実を調
べることは、戦後に生まれ高度成長期に青春を過ごした、戦争を知らない世代の、ひとりの日本
人としての責務と感じられた。
その始まりは東京スカイツリーの開業前のメディアの騒がしさだった。そんなに大騒ぎをして
いるが、その土地には過去に大変な時代があったのだということを少しでも思い出させたメディ
アは無かったように思う。3.11以後久々の喜ばしい出来事とはいえ、そのことのみを強調して何
ら歴史的意義を顧みることをしないーこれをメディアの無教養と呼ばずしてなんと呼ぶべきか。
だからいつも何の深みも産まない、ただの騒々しい狂想曲になってしまうのだ。
自分で調べることにした。言問橋(ことといばし)。その近くに東京スカイツリーは建設され
たのだった。昭和20年の3月10日未明に始まった東京大空襲は東京のいわゆる下町をわずか3-
4時間のうちに、焦熱地獄と化したのだった。たしかその橋の上で両岸から逃げてきた8,000人
もの人たちが、吹き寄せる火炎によって焼け死んだのだった。逃げる際に持っていた家財道具に
火が移って燃え出したのが原因とされている。あまりの人数と高熱のため人々の体から出た脂が
橋を黒く染めていたという。http://airraiddiaries.com/?p=126/ その跡はいまでも橋げたの基礎部
分に残っている。
全体では約10万人もの人々がアメリカ軍の無差別爆撃で一晩のうちに殺されたのだった。10
万人と一言でいうが、大変な数である。B29の搭乗員の語ったところによれば、低空で爆撃して
いたのだが、ありとあらゆるものが燃えるにおいが、動物や人間の燃えるにおいが酷かったとあ
る。
そうだろう、地上には想像を絶する世界があった。生身の人間の上に、決して起きてはいけな
いことが起きたのだ。詳しくはインターネットで東京大空襲を検索してみればわかる。悲惨な体
験記が、これでもか、これでもかというぐらいいくらでも出てくる。YouTubeあたりから検索を
始めるとよいだろう。ここであたりを付けてドキュメントの検索をすればよい。私は一週間ほど
これをつづけた頃、眠れなくなった。眠ろうとすると、火炎に巻かれて焼死する人々の苦しさが
襲ってきた。吸い込む空気が熱い。呼吸ができない。何度も何度も。ついに、布団の上に立ち上
がって、気を鎮めるために外灯の明かりを眺めていた。水を飲みに台所に行き、居間のソファに
横になって朝まで過ごした。
広島14万人、長崎8万人、その他の都市爆撃を合計すると約50万人がアメリカの戦略爆撃の犠
牲者となった。非戦闘員である一般市民が、しかも老人や婦人と子供たちが無差別爆撃の標的と
されたのである。これは確実にアメリカの戦争犯罪である。太平洋戦争の死者は日本310万人、
アメリカ30万人。広島と言い、長崎と言い、これらの無差別爆撃の背景には人種差別があったこ
とは間違いないだろう。ちなみに、ドイツによるユダヤ人のホロコーストの犠牲者は600万人。
原爆投下という無差別大量殺人を戦争犯罪とは認めず、戦争の早期終結のためにやむを得なか
ったと強弁し、南京大虐殺という虚構を容認して、日本における膨大な数の原爆の犠牲者を帳消
しにしようとする。そもそも、広島に原爆を投下した後で、長崎に落とす前に、これと同じもの
を他の都市にも落とすが、それでも無条件降伏をするつもりはないかと聞けたはずではないか。
そうすれば、少なくとも長崎の犠牲者8万人は必要なかったのではないだろうか? ソ連の参戦
が気になっていたとはいえ、そのくらいの時間的余裕はあったのではないか。思うに、既に手中
にしていた種類の違う原爆を二つとも試したかったというのが本音であろう。それもあまり良心
の呵責を感じなくても済む、日本という黄色人種の住む国で、というのが真実ではないのか。
また、アメリカはオレンジ計画というプランを持っていたことを知った。1920年ころから継続
的に改定されていた計画で、日露戦争後にアメリカが市場にしようと企んでいた中国大陸に進出
する日本民族を邪魔な存在と見て、地球上から抹殺するプランである。第一次大戦後の友好的な
日米関係の裏で、このような計画を練り続け、やがて機を見て太平洋戦争で実際に実行に移すと
いうことを平気で出来る国がアメリカなのである。天使と悪魔が同居している国としか言いよう
がない。否、天使の顔をした悪魔の棲む国というべきか。
http://www.youtube.com/watch?v=jgx-mJYY1xg
このようなことを言っても、にわかには信じられないという方が多いだろう。戦後、アメリカ
は日本人の理想の国になった、憧れの国になった。なんでもアメリカは正しく、日本は間違って
おり古い日本は封建的であり旧弊ととらえられていた。ライフスタイルや民主主義はアメリカが
お手本であった。ハリウッドの映画産業や占領軍のラジオ放送による洗脳政策がこれほどまでに
根深く効果的であったことは、日教組の今日に至るまでの行き過ぎた反日、戦争放棄という美名
の裏の国家放擲がそれを証明している。そのような時代を経て現代を生きている今の日本人。相
当程度にバイアスがかかっているとみるのが正しいだろう。そして今なお信じられているアメリ
カの正義。広島の原爆死没者慰霊碑の碑文は主語を示さないことで日本人の遠慮深さを語ってい
るが、同時に、権威に屈し易く、誤った主張に正々堂々と論駁することさえできない怯懦な国民
性をも示している。反米に与せよとは決して思わないが、自らの存在意義を見失っては元も子も
ない。せめて偏りのない、曇りのない目でものを見ようではないか。
日本国民は事実を知るべきだと思う。欧米の帝国主義国家はアジアに何をしていたのか。日本
は100%侵略国家だったのか。アジアを解放しようとしていたのではなかったか。アジアの国々
に教育と文化、国家的インフラを広げたのは日本ではなかったのか。戦後次々と独立していった
アジアの国々にその独立の勇気と機会を与えた国は日本ではなかったか。絶対的に白色人種が優
れていて、有色人種が勝てる訳がないと思われていた。その常識を打ち破り蒙を啓いたのが日本
人であったのではなかったか。ひいては有色人種も人類の一部であるということを初めて白人社
会に認めさせるきっかけとなった。太平洋戦争の歴史的意義はここに尽きていると思う。
東京大空襲や都市爆撃について事実を確認する便宜のため、その動画の一部を下にまとめた。
時間を要するが、是非、ご覧いただきたい。
(一言でいうならば、人生とは何かを考えるのは、これを見てからでも遅くはないと思います。
たった一晩のうちに奪われた10万人の人生を思えば、我々の人生の2-3時間をこのために
割くことになんのためらいがあるだろうか? そして真実の重さを実感していただきたい。
このような事実を知った上で、より強固な思想を形成していただきたいし、この事実は世代
や人種を超えて語り合う場合の共通認識となり、共感に根差した相互理解へと発展するだろ
う。そう願ってやまない。)
https://www.youtube.com/watch?v=7W4-CWNsKCY
https://www.youtube.com/watch?v=7k5ZK5sSCg8
https://www.youtube.com/watch?v=v4MIxvFU654
https://www.youtube.com/watch?v=QooLL-bd4dk
東京を爆撃した兵士たち ~アメリカ軍パイロット 60年後の証言~ (1/5)
http://www.youtube.com/watch?v=mImDyoC8Soc
東京を爆撃した兵士たち ~アメリカ軍パイロット 60年後の証言~ (2/5)
http://www.youtube.com/watch?v=F62bJn0oZq0
東京を爆撃した兵士たち ~アメリカ軍パイロット 60年後の証言~ (3/5)
http://www.youtube.com/watch?v=UIk-EE_weNY
東京を爆撃した兵士たち ~アメリカ軍パイロット 60年後の証言~ (4/5)
http://www.youtube.com/watch?v=d-s_X3kf25c
東京を爆撃した兵士たち ~アメリカ軍パイロット 60年後の証言~ (5/5)
http://www.youtube.com/watch?v=CcTEn5hfh4I
佐々淳行氏が語る 私の危機管理人生 東京大空襲の戦利品
各国の指導者たちは敗戦国日本をどのようにとらえていたか。
第二次大戦 名言集 (日本)
第二次大戦 名言集Ⅱ(続・日本編)
http://www.youtube.com/watch?v=75OCSlpBpLk
第二次大戦 名言集 Ⅸ(アジア独立編)