こんにちは、長野大学です!今回は、新棟の建設現場から「捨てコンクリート(通称:捨てコン)」の打設についてご報告します!
建設現場の用語って、たまに不思議な名前がありますよね。その一つが、この捨てコンクリート。
名前だけ聞くと、「え、それ…捨てるなら打たなくてよくない?」と思ってしまいそうですが、これが実は、建物を建てるうえでとても重要な役割を担っているのです!
捨てコンクリートは、建物の基礎工事の前に地面に打設する薄いコンクリートのこと。厚みはおよそ5〜10cmほどで、建物を支えるための強度を持つというよりも、基礎の位置や寸法を正確に現位置に投影するための“作業の基準面”として機能します。基礎の位置を直接地面に墨つけしても、その上を職人さんや資器材が通るたびに墨が消えてしまうため、捨てコンクリートの上に墨をつけていきます。
また、捨てコンクリートの天面がそのまま基礎躯体の下端高さになるため、基礎の施工高さを管理する意味でも重要な工程であるといえます。次工程の基礎鉄筋を捨てコンを打たずに直接地面の上で組んでしまうと、鉄筋の重みで組み上げた鉄筋が地面に沈み込んでしまうという事態も想定されます。
捨てコンクリートは、構造的には建物の一部と見做さないため、「捨て」コンクリートと呼ばれているそうです。しかし、作業の効率や精度、建物品質を高めるためには欠かせない存在であり、捨てるどころか、しっかりと活躍する“縁の下の立役者”です!
今回、新棟の基礎工事に先立ち現場で捨てコンの打設が行われました。生コン車、圧送車から送られたコンクリートが枠内に流し込まれ、仕上げは職人さんの手作業で平滑に整えられていきます。
今後の工程で、この上に墨出し(位置の印付け)をしていくことで、建物基礎の正確な配置が決まっていきます。この作業があってこそ、建物はあるべき位置に、まっすぐ、正しく立ち上がっていくわけです。
次回は、捨てコンクリートの上に建物位置を投影していく「墨出し」の様子をお伝えしたいと思います!
引き続き「長野大学の未来を築く – 新棟建設日記」をお楽しみに!