こんにちは、長野大学です!今回は、1号館の解体作業中に見つかった「丸鋼(まるこう)」についてのお話です。そして、解体された部屋の内部で撮影された、とても芸術的な写真も一緒にご紹介します。現場はまさに美術館のような光景でした。
丸鋼(まるこう)
異形鉄筋
1号館は、古い建物ということもあり、建設当時に使われていたのは「丸鋼(まるこう)」という鉄筋です。丸鋼とは、断面が完全に円形で表面が滑らかな鉄筋のことを指します。一方、最近の建物では「異形鉄筋」が主流となっています。異形鉄筋とは、表面に凸凹がある鉄筋で、この凸凹のおかげでコンクリートとの接着力が高まり、建物の耐久性が向上するため、現代の建築にはほとんどこの異形鉄筋が使用されています。
丸鋼は、滑らかな表面ゆえにコンクリートとの接着力が劣り、引っ張る力に対して弱いとされるため、現在ではあまり使われなくなりました。しかし、当時は建物の構造設計において十分に機能していたため、長らく多くの建物に使用されてきました。
解体が進んだ1号館の部屋で撮影された写真が、まるで美術作品のように美しかったので、ぜひご覧いただきたいと思います。写真には、丸鋼からぶら下がったコンクリートが光を受け、解体された壁から入り込んだ自然光が柔らかく反射している様子が映し出されています。この光の具合と、崩れかけた建物の構造が絶妙にマッチし、現場がまるで美術館の展示作品のように感じられました。
丸鋼に比べて、異形鉄筋はコンクリートとの接着力が格段に強いため、建物の耐震性や耐久性が向上します。日本では特に耐震性能が重要視されるため、現在ではほとんどの新築建物に異形鉄筋が使われています。表面の凸凹がコンクリートとしっかり絡み合うことで、引っ張りや曲げの力に対しても強い構造を実現することができるのです。
今回の解体現場では、丸鋼が時代の変遷を象徴するように姿を現しましたが、その美しさと同時に、現代の技術がいかに進化しているかを改めて感じさせてくれます。
建築の歴史を感じさせる現場から、こんな芸術的な瞬間が生まれるとは驚きですね。これからも、現場で発見された興味深いエピソードをお届けしていきますので、どうぞお楽しみに!