同所に開花しているテンナンショウは、それぞれ花粉を媒介するポリネーターが異なるため雑種がおきにくいといわれている。しかしポリネーターの研究は始まったばかりでまだ解明されていないことがあまりにも多い。
ウメガシマテンナンショウ×ムロウテンナンショウ、ミクニテンナンショウ×トウゴクマムシグサについては芹沢俊介さんに感謝いたします。
ウメガシマテンナンショウ×ムロウテンナンショウ
仏炎苞は舷部内面に乳頭状細突起があるが、花序付属体が全体に緑色である。
2016.5.7 兵庫県宍粟市
2016.5.7 兵庫県宍粟市
イズテンナンショウ×ムラサキマムシグサ
柿嶋聡(2012)では伊豆半島でのDNA解析によるイズテンナンショウ×ホソバマムシグサの報告がされている。形態をみるかぎりイズテンナンショウ×ムラサキマムシグサもあるのではと思う。偽茎が長く、花序が葉面と同じ高さになっていることが多い。また舷部はイズテンナンショウほどではないが長く伸びる。
2017.5.8 静岡県伊豆市
ミクニテンナンショウ×トウゴクマムシグサ
ミクニテンナンショウより舷部が前屈し、仏炎苞内部は見えない。筒部はトウゴクマムシグサのように白筋が目立つ。花序付属体はミクニテンナンショウより太い。
右はホソバテンナンショウ 2018.6.1 静岡県富士宮市
2020.5.29 静岡県富士宮市
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