コウライマムシグサ
Arisaema peninsulae Nakai subsp. peninsulae
原記載など
T.Nakai (1929) Bot. Mag. Tokyo 43: 537
S. Serizawa (1997) Bull. Bot. Soc. Nagano 30: 8
Arisaema peninsulae Nakai subsp. peninsulae
原記載など
T.Nakai (1929) Bot. Mag. Tokyo 43: 537
S. Serizawa (1997) Bull. Bot. Soc. Nagano 30: 8
山地の林縁、林下に生える。高さ30〜100cm。花期は5〜6月。鞘状葉や偽茎の班はあまり目立たない。葉は2個、小葉は9〜17枚で葉軸が発達する。仏炎苞は緑色、稀に紫褐色で、縦の白筋があるかまたは不明。舷部は白条が中央部で膨らまず、両側に広がるだけである。花序付属体は円柱状。葉と花序はほぼ同時に開く。
近畿地方から中国地方にかけて分布するコウライマムシグサ の仏炎苞は細長くなる傾向がある(邑田2011、2018)。
邑田(2011、2018)は近畿地方から中国地方にかけて分布する仏炎苞が紫褐色のものは、カントウマムシグサ(ムラサキマムシグサ)に含めているが、花序付属体の先端がやや膨らむものもあるとはいえ、ほかの形態はコウライマムシグサ に近い。芹沢俊介氏に相談した結果、このwebsiteではコウライマムシグサ として扱うこととする。なお、仏炎苞が紫褐色のものは北陸地方でも見られる。
*邑田(1995〜)はコウライマムシグサとキタマムシグサ A. peninsulae subsp. boreale とを合わせて、コウライテンナンショウ A. peninsulae としているが、ここでは芹沢(1997)に基づき、コウライマムシグサとキタマムシグサの2亜種に分けた。
分布:本州(長野県南部・中部山岳以西)、四国、九州
2016.5.8 岡山県吉備中央市
仏炎苞内部 2016.5.8 岡山県吉備中央市
2016.5.8 岡山県吉備中央市
仏炎苞が紫褐色の個体(特に舷部内面が濃い) 2019.5.15 福井県おおい町
2018.5.9 愛知県設楽町
2018.5.9 愛知県設楽町
2018.6.10 長野県根羽村
舷部はヤマトテンナンショウのように長い
2016.5.9 島根県雲南市
仏炎苞アップ 2016.5.9 島根県雲南市
2016.5.11 山口県周南市
仏炎苞が緑色のものと紫褐色のものが混生。
以前、カントウマムシグサ(ムラサキマムシグサ)としていたが、芹沢俊介氏よりアドバイスがあり、コウライマムシグサ と修正した。
2019.5.31 長野県飯田市
舷部内面に乳頭状細突起があり、ウメガシマテンナンショウに近いが他の地域のもに比べて少なく、DNA解析でも隣接する愛知県三河地方産のコウライマムシグサと変わりないということなので純粋なウメガシマテンナンショウとは言えずコウライマムシグサ となった地域個体群。
果実期 2017.10.8 長野県飯田市
果実期 2017.10.8 長野県飯田市
©2016 K.Hoshiyama