テンナンショウ属 Arisaema - ヒトツバテンナンショウ Arisaema monophyllum

ヒトツバテンナンショウ

Arisaema monophyllum Nakai

原記載など

T. Nakai (1917) Bot. Mag. (Tokyo) 31: 283-284

f. akitense ；T. Nakai (1938) J. Jap. Bot. 14: 629、 H. Ohashi (1964) J. Jap. Bot. 39: 23

f. atrolinguum ；Sa. Kurata (1953) J. Jap. Bot. 28: 362

沢沿いのやや暗い林内、林縁の斜面地に生える。高さ20〜80cm。花期は4〜6月。葉は1個、葉軸が発達し、小葉は7〜9枚。葉軸は葉柄に対しほぼ直角になる。仏炎苞舷部内面にハの字の濃紫色の班がある。花序はやや早咲きで、花序付属体は細い棒状でやや前傾する。

仏炎苞舷部が紫褐色になるものをクロハシテンナンショウ（f. atrolinguum (Nakai) H.Ohashi）、無班のものをアキタテンナンショウ（f. akitense (F.Maek.) Kitam. ex H.Ohashi et J.Murata）という。クロハシテンナンショウの舷部の色は、両面とも紫褐色のもの、内面は紫褐色で外面は濃緑色に紫褐色の縦筋が入るものもある。伊豆のクロハシテンナンショウは基準種と混棲することはなかった。山梨県では基準種とクロハシテンナンショウが同所に生育していた。

分布：本州（東北・関東・中部地方）