【卒業生インタビュー Vol.7】

経営学科OB 松井一剛さん「無茶をして 何か大変なことをやり遂げよう」

卒業生インタビュー vol.7

 無茶をして 何か大変なことをやり遂げよう

松井一剛さん(2009年 経営学科卒業)
勤務先:クリナップ株式会社
https://sp.cleanup.jp/

出身ゼミ:富田純一ゼミナール
出身高校:東京都立大泉高等学校

経営学部の学生が卒業生にインタビューし、仕事のやりがい、経営学部での学びの経験、学生への応援メッセージなどを語っていただくこの企画。今回は、クリナップ株式会社にお勤めの松井一剛さん(2009年経営学科卒)にご登場いただきました。

インタビュアーは経営学科2年生の下田悠樹さんと今井杏奈さんです。

業界の中で一番を持っている会社で働きたい

 ―― 現在どのようなお仕事をしていますか?

クリナップは住宅設備機器の製造業を営んでいる会社です。主に、システムキッチン、ユニットバス、洗面台を扱っています。私はその中で営業部門の一員として働いています。営業と言ってもメーカーの直接販売はしません。卸や小売業者に向けて商品を販売しています。そのため、基本的には消費者に商品を直接売ることはありません。

 ――どうして今のお仕事を選んだのですか?

ものづくりのゼミで学んできたので、やはりメーカーに惹かれました。なぜなら、メーカーは、「自分たちでつくった商品を売っている」からです。メーカーの中でも化学繊維や蛍光塗料などの業界にもともとは興味があり、それに関連して、今の仕事である住宅設備業界への就職を考え始めました。
その中で今の会社を選んだ理由は、「業界の中で一番を持っている会社で働きたい」と思ったからです。業界の中で誇れるものを持っている会社で、自分達の商品を、自信をもって売りたいと思ったので、今の会社での営業の仕事を選びました。

 何を考え、仕事をするか

―― 仕事のやりがいは何ですか?

 やりがいは日々変わってきていて、始めはノルマや目標の達成がやりがいでしたが、仕事をしていくなかで、「お客様からの生の声」を聞けることにやりがいを感じるようになりました。先ほども話した通り、メーカーは消費者に直接商品を売ることはありません。しかし実は、営業という仕事は、商品の引き渡しや説明などの時、直接お客様と話す機会があります。その時「クリナップの商品を選んで良かった」などプラスの意見を聞くことができたときはとても嬉しいです。

 また、今までで一番やりがいのあった仕事は、工務店との仕事の際、キッチンのレイアウトを任されたことです。お客様の予算や使い勝手などを考慮し、自分の考えたレイアウトが具現化されたときは、やりがいを感じました。住宅設備機器は何十年も使うものなので、責任は大きいですが、その分、営業の仕事はやりがいのある仕事だと思っています。

―― ゼミで学んだことはどのようにプラスになっていますか?

 ゼミで工場見学に行ったことが役に立っています。社会人になると、自分の周りには基本的に先輩や上司しかいないため、共通の話題がなかなかありません。そんな時に、工場見学の話題を出し、「あそこの工場良かったですね」などと話すと、先輩や上司の興味を引くことができて一緒に盛り上がることができます。

 また、卒業論文で品質保証について書いたことも役に立っています。当時、狂牛病があり、それを防ぐためにトレーサビリティという項目がありました。トレーサビリティは牛の場合、生肉にはロット番号があり、その番号をインターネットで打ち込むと、どこの生産者で、どこから流れてきたのかが全部分かります。それを他の業界では、どのように行われているのかを考えるようになりました。そして、企業が考える品質保証と顧客が考える品質保証のギャップを埋めるために企業が顧客に説明していくことの大切さを学びました。

学生の時にできることを

―― 大学生の間にやっておいたほうがいいことはありますか?

 なにかしら無茶をしたほうがいいと思います。無茶といってもめちゃくちゃなことをするのではなく、なにか大変なことをやり遂げるということです。勉強ならどの講義でもいい成績をとる、バイトなら自分の頑張りでその月の店の売り上げを伸ばすなど。私は論文に力をいれていましたが、なんでもいいのでこの時自分は頑張っていたと言えることを作ることが大事だと思います。

 この経験は自分の中に残るだけでなく、就職の時に他の人とは違うことをアピールできます。富田ゼミの特徴の一つである工場見学もアピールの一つでした(笑)


―― 後輩に一言、お願いします。

 今のうちにたくさん勉強をしてください。特に与えられた課題は期日までに出すなど当たり前のことはしっかりやってください。社会人になったら言葉づかいは自然と直っていきますが、学力や知識は誰も教えてくれないし、学ぶことも難しいです。それに大学時代にそういうことを疎かにしている人は社会人になっても直りません。

 先ほど私は学生時代に論文に力を入れたと言いましたが、それが今の営業の仕事に活きています。しっかりと手順をたてることを学ばないと、人の前でうまく話すことはできません。自分の事を客観視できる能力を養ってください。
遊びやバイトも大切ですが、それ以上に勉強に力をいれてみてください。やって損をすることはないはずです。

インタビュー日:2015年10月14日

〔聞き手〕

経営学部 経営学科2年 下田悠樹(写真右)

経営学部 経営学科2年  今井杏奈(写真左)

〔記録・撮影〕

経営学部 経営学科2年 川野拓也