【卒業生インタビュー Vol.4】

経営学科OG 渡邉麻優さん「とことんやることの重要さ」

卒業生インタビュー vol.4

 とことんやることの重要さ

渡邉麻優さん(2014年 経営学科卒業)
勤務先:みずほ信託銀行株式会社
http://www.mizuho-tb.co.jp/

出身ゼミ:山口裕之 ゼミナール
出身高校:神奈川県立横浜平沼高等学校

経営学部の学生が卒業生にインタビューし、仕事のやりがい、経営学部での学びの経験、学生への応援メッセージなどを語っていただくこの企画。今回は、みずほ信託銀行株式会社にお勤めの渡邉麻優さん(2014年経営学科卒)にご登場いただきました。インタビュアーは経営学科3年生の北村彩華さんとマーケティング学科3年生の星岡有紀さんです。 

お客さまにご満足いただくことの大変さとやりがい

―― 渡邉さんのお仕事について教えてください。

みずほ信託銀行の支店で、窓口業務に従事しています。「信託銀行」と言われてもイメージがつきにくいかもしれませんね。信託銀行とは、通常の銀行業務に加えて、信託業務も兼営している銀行のことを言います。そうした幅広い業務フィールドのなかでも、私は、お客さまのライフステージや資産状況に合わせて、これからそのご資産を増やしていくべきなのか、遺す準備を始めるべきなのかなどを総合的にコンサルティングする仕事を担っています。

 ―― お仕事において大変なことは何ですか?

信託銀行では、窓口の担当者が、資産運用に係る相談からご相続の手続き、不動産の売買や仲介に至るまで、多種多様なお客さまのニーズに応えていかなければなりません。そのため、最初は覚えなければいけないことが多く、苦労もしました。

さらに、お客さまの多くは、法務・税務・会計等の専門的なプロの知見を求めてみずほ信託銀行とお取引をされています。そうしたお客さまに満足していただくためには、幅広い知識だけでなく、幅広い視野も必要です。お客さまがどのような問題を抱えていて、何を求められているのかは、窓口にいらっしゃるまでわかりません。お客さまの関心事や状況を幅広い視野から読み解くことが、お客さまに満足いただくための第一歩となります。
この幅広い視野と知識を身につけるために、日々努力しています。本部が開催する勉強会や講座には積極的に参加するようにしています。社会人になった今でも勉強の日々です(笑)。

 ―― やりがいを感じるときはどんな時ですか?

お客さまの相談にうまく対応でき、「これで今後も安心」と言っていただけたときです。大変な分だけ、やりがいを感じますし、頑張ってよかったなと思います。

仕事に役立っている大学時代の学び 

―― 学生時代で学んだことでお仕事に役立っていることはありますか?

相手に伝わるように文章を書いたり、話したりする能力です。所属したゼミでは、相手に伝わるように自分の考えを表現するトレーニングを受けました。そのおかげか、今では筋道を立てて喋ることができるようになりました。

この能力は、お客さまとお話しする際にとても役立っています。お客さまは貴重な時間を割いて来てくださっているため、簡潔に、分かりやすくお話しする必要があります。論点を整理して全体像から伝えるといったプレゼンや文章の基本ルールが身についていることが非常に役立っています。学生時代はあまり意識していなかったのですが、社会に出てからこの能力の重要性を実感しています。

―― 東洋大学経営学部の魅力は何だと思いますか?

2つあると思います。ひとつは、教育の質が高いことです。東洋大学には、一生懸命指導してくださる良い先生がたくさんいます。そうした先生の講義では、知識だけでなく、物事の考え方を学ぶことができました。このことは、お客さまの状況や問題を幅広い視野から読み説くうえで役に立っています。そのような先生の講義はとても大変でしたが、それらを積極的に履修してよかったです。

もうひとつは、資格取得に対するサポート体制が整っていることです。東洋大学では、様々な資格の取得に向けた講座を受けることができます。自分で資格試験の勉強をするのは難しいですよね。私はこの講座を利用して、簿記検定を取得しました。これも社会に出て初めて気付いたのですが、資格専門学校の講座を受講しようとすると、とてもお金がかかります。現在、私は宅地建物取引士の資格取得に向けて勉強しているのですが、その講座を受けようと思い調べてみたところ、その受講料金の高さに驚きました。

資格は就職活動で有利になるだけではなく、働くうえで必要となる場合があります。そうした資格を在学中に取得できる環境が整っているのは大きいと思います。そうした機会を逃すのはもったいないです。

忙しく充実していた学生生活

―― どのような学生生活を送っていましたか?

学生時代は、勉強とアルバイトが中心の生活でした。勉強については、さきほど言ったように大変な講義を積極的に履修していましたし、ゼミの課題もたくさんありました。特に、ゼミが大変でした。ゼミの時間を有意義に過ごすために、課題を必死に頑張っていました。さらに、大学二年生の一年間は、雑貨の専門学校にも通っていたので、ほんとうに勉強漬けの毎日でした。

アルバイトの方ですが、私は雑貨業について勉強したかったので、ある雑貨会社で働いていました。その会社は学生を雇わない方針だったので、「学生扱いしない」という条件の下で働かせてもらっていました。そんなわけで、アルバイトの仕事も大変でした。でも、なにより自分が働きたい職場だったので、頑張ることができました。

平日は大学で、土日は専門学校で勉強し、それと平行して週4日でアルバイトというとてもハードなスケジュールでしたが、毎日がとても充実していました。学校でも、アルバイトでも、たくさんのことが学べました。特に、大学でたくさん勉強ができて本当によかったと思っています。余談ですが、大学を卒業する時にそのことを親に話したところ、「大学に行かせて本当に良かった」と喜んでくれました。

―― 渡邉さんはすごく勉強を頑張られたようですが、その原動力は何だったのでしょうか。

私は、小さい頃から自分の雑貨屋さんを持ちたいという夢を持っていました。そうした夢があったので、大学での勉強は楽しかったです。雑貨屋を経営していく上で重要なことを学んでいる、と感じていたことが大きいように思います。

また、遊んでばかりいる「一般の大学生」にはなりたくない、というプライドのようなものを入学時から持っていました。その背後には、大学受験に失敗した悔しさもあったのかもしれません。このプライドが、自分を奮い立たせ、頑張る原動力になっていたと思います。
さらに、ゼミが始まった2年生からは、ゼミの同期から刺激を受けていたと思います。一緒にゼミを頑張っている仲間がいることが、モチベーションになっていました。

――大学生活において取り組んでおけばよかったと思うことはありますか?

学生時代にやっておけばよかったと後悔していることは2つあります。ひとつめは英語です。私は、英語が苦手だったので、就職先を考える時に、英語を使わなくても活躍できる業種だけに絞って選んでいました。もし英語が得意であれば、選べる就職先の幅も広がり、違った世界もあったのではないかと思っています。大学時代に英語を勉強しておけばよかったと後悔しています。

ふたつめは、幅広い友人関係を築くことです。異なる仕事に就いている友人と話をすると、自分の世界の小ささを感じることがあります。考え方を広げるには、色々な人と知り合うことが必要だと思います。多様な人とのネットワークを大学時代から築けていれば、より多様な世界を知る機会を増やすことができ、自分の考えを広げられていたのかなと思っています。

何事も一生懸命「とことん」やってみる

―― この記事の読者には、大学選び、学部選びに悩んでいる高校生もいると思います。そうした高校生に向けてメッセージをお願いします!

夢があれば、夢にそった学部にするのが一番です。でも、夢がない人の方が多いかと思います。そういう人には、「なんでもいいからとことんやってみる」ということをおすすめします。身の回りのことを何でもいいのでとことんやる。そうすることで、自分が何をしたいかが見えてくるように思います。何になりたいかを悩んでいる時間はもったいないです。

―― 最後に、在学生へのメッセージをお願いします。

何事も一生懸命に取り組んでほしいです。やるべきことを「とことん」やるというのは、言葉で言うのは簡単ですが、本当に「とことん」やるのはとても大変なことです。大変だけど、そこを踏ん張っていくと、その時には見えてなくても、あとからやってよかったなと思える時が必ず来ます。その時まで、「とことん」やることを大切にして、頑張ってほしいです。

―― 本日は有意義なお話を伺えて本当によかったです。どうもありがとうございました!

インタビュー日:2015年7月25日

 

〔文責〕

経営学部 経営学科3年 北村彩華

経営学部 マーケティング学科3年 星岡有紀