東洋大学には、学部での学びを高度に深化させるための場として大学院が用意されています。経営学部を卒業後に、あるいは就職して一定のキャリアを積んだ後にも、「経営学研究科」に進学することにより、変化の激しい経営環境に対応するマネジメント能力を獲得することができます。「経営学研究科」には、博士前期課程と、さらにその先には博士後期課程が設けられています。「経営学研究科」の博士前期課程を修了することにより、修士の学位を取得することができます。また、博士後期課程を修了することにより博士の学位を取得することができます。
どの専攻、コースにも優秀な大学院生が入学してきますので、互いに切磋琢磨し、専門家としての自身の能力を大きく高めることができます。所定の課程を修了した後は、経営学、マーケティング、会計ファイナンス分野の企業内または独立した専門家、大学教員、研究所研究員などの研究職として活躍することが可能となります。
◆◆ 1.大学院経営学研究科の二つの専攻◆◆
東洋大学「経営学研究科」は、つぎの図に示すとおり「経営学・マーケティング専攻」と「ビジネス・会計ファイナンス専攻」という2つの専攻があります。「ビジネス・会計ファイナンス専攻」には、「起業家・経営幹部養成コース」「会計ファイナンス専門家養成コース」「中小企業診断士登録養成コース」の3つのコースがあります。「経営学・マーケティング専攻」の授業は主に昼間に開講されています。一方、「ビジネス・会計ファイナンス専攻」の授業は平日の夜間と週末に開講されており、どのコースも仕事との両立を前提としたカリキュラムが組まれています。
(1)経営学・マーケティング専攻
経営学・マーケティング専攻の博士前期課程では、学部で学んだ経営学やマーケティングの能力を専門家レベルにまで高めることを目的としています。修士論文を執筆し所定の手続きを踏むことで、「修士(経営学)」の学位(一般にMBA(Master of Business Administration)と呼ばれる)または「修士(マーケティング)」の学位を取得できます。修士の学位を取得した後は、企業の専門的部署で経営分析やマーケティング分析などを行う専門家として就職することもできますし、博士後期課程に進学して大学教員や研究所研究員などの研究職を目指すことができます。
(2)ビジネス・会計ファイナンス専攻
ビジネス・会計ファイナンス専攻の前期課程には、3つのコース、①企業家・経営幹部養成コース② 会計ファイナンス専門家養成コース ③中小企業診断士登録養成コースがあり、いずれのコースもより実践的な内容となっています。 どのコースからも博士後期課程に進学することが可能です。
① 企業家・経営幹部養成コース
本コースでは、経営学を中心に研究を深めて修士論文を執筆し、所定の課程を修了して経営学修士の学位を取得します。修了後の進路は多様ですが、たとえば、企業に経営の専門家として就職する、博士後期課程に進学して研究職を目指すことが可能となります。
② 会計ファイナンス専門家養成コース
本コースでは、学生は会計分野および関連領域を専門的に研究して修士論文を執筆し、所定の課程を修了して経営学修士の学位を取得します。税理士を目指している方は、ぜひ本コースへの進学を検討してください。本コースにおいて、税法または会計学の修士論文を完成させることにより、税理士の国家試験科目の一部免除という特典を得ることができ、税理士資格取得により早く到達することが可能となります。なお、本コースで税理士試験科目免除を目指すためには、入学前までに税理士試験5科目のうち1科目に合格していることが出願の要件となっています。博士前期課程了後に、博士後期課程に進学して研究職を目指すことも可能となります。
③ 中小企業診断士登録養成コース
本コースは、コンサルタントを目指す社会人に非常に人気があり、「中小企業診断士」資格を取得するととともに経営学の修士号も取得するというコースです。 カリキュラムは教室での講義やゼミだけでなく、様々な業種の中小企業を実際に訪問し専門家の指導の下でコンサルティングを実習するというコンサルタントとしての実践力を鍛えるものになっており、現在、多くの卒業生がコンサルタントとして活躍しています。中小企業診断士資格は、筆記試験である二次試験に合格することでも取得できますが、筆記試験だけの勉強では実践力は培われません。本コースでは、中小企業の現場で何回もコンサルティング実習を行いますので、資格取得後は即戦力として中小企業のコンサルティングが可能となります。博士前期課程了後に、博士後期課程に進学して研究職を目指すことも可能となります。
◆◆ 2.東洋大学大学院経営学研究科の特徴◆◆
仕事と両立可能な授業開講スケジュール
ビジネス ・ 会計ファイナンス専攻の科目は、平日夜間および週末に開講されており、白山という交通至便の地にありますので、働きながら通うことができます。また、他の専攻科目を 10 単位を上限に修得できますので、平日の昼間に授業が開講される経営学・マーケティング専攻の大学院生も、その範囲内で平日夜間や週末の授業を履修することができます。
割安な授業料
大学院の授業料は、学部の授業料よりも割安に設定されています。
奨学金制度等の充実
研究をサポートするための研究発表奨励金や各種の奨学金、および教育ローンの制度を整えています。
◆◆ 3.大学院入試について◆◆
(1) 入試の種類
大学院の入試には、大きく分けて一般入試、学内推薦入試、社会人入試、留学生入試があります。それぞれ選考方法が異なります。
※学内推薦入試は一定の成績基準を満たす必要があります。
(2) 入試実施時期
入学前年の8月、11月、および2月に実施されます。中小企業診断士登録養成コースの入試は、11月と2月に実施されます。詳細は大学院Webサイト(白山キャンパス入試情報)に掲載している『大学院入学試験要項』を確認してください。
◎大学院教務課(8号館4階)大学院の授業の他、大学院の入試、奨学金、学生生活について相談することができます。
◆◆ 4.大学院の授業の聴講について◆◆
経営学部の4年生を対象に、一定の要件を満たした学生に対して、経営学研究科の授業を聴講し、大学院の授業の醍醐味を体験することができます。履修可能単位には上限がありますが、修得した単位は大学院進学後修得すべき単位として認定される場合がありますので、短期修了制度を利用して修了時期を1年早めることが可能となるメリットがあります。
学部生大学院開講科目履修制度の詳細については、下記Webサイトを参照してください。
学部生大学院開講科目履修制度 | Toyo University
大学院短期修了制度については、下記Webサイトを参照してください。
東洋大学 白山大学院 在学生ポータル - 短期修了について (google.com)
◆◆ 5.おわりに◆◆
グローバル社会では、最先端の高度な知識や理論を身につけた修士・博士の学位を持つ人材の活躍が期待されています。東洋大学大学院経営学研究科は、時代が求める高度専門人材の育成を目標として掲げ、理論と実践を兼ね備えた密度の濃い教育内容を備えています。学部卒業後に、あるいは就職して一定のキャリアを積んだ後に、「高度な実践経営学」 の理念に共鳴し実践しようとする皆さんのチャレンジを歓迎します。
大学院の授業は、大人数の講義形式ではなく、少人数によるディスカッション中心の演習形式が主体になります。皆さんの研究成果は、充実した修士論文・博士論文に結実します。「経営学研究科」で実践的に研究を深め、高度な専門知識とスキルを修得し、皆さんの力を社会に役立てていただけることを願っています。