中小企業診断士は、経営コンサルティングに関して一定の知識・能力を有する者に付与される唯一の国家資格です。その知識・能力は、コンサルティング業に限らず、金融業から製造業、サービス業まで幅広い業界で求められています。中小企業診断士の多くは、中小企業と取引する大企業や金融機関、地方公共団体、商工会議所などで活躍しています。あるビジネス誌では、「会社に入って10年後の社会人がもっとも取得したい資格」の一つとして取り上げられています。
中小企業診断士になるためには、まず中小企業診断協会が実施する第1次試験(7科目択一式・8月初旬)に合格した後に、次の ① もしくは ② のステップを踏む必要があります。
① 中小企業診断協会が実施する第2次試験(筆記・10月下旬, 口述・1月中旬)に合格し、3年以内に実務補習(15日間以上)を修了するか、
診断実務(15日間以上)に従事すること
② 中小企業基盤整備機構または登録養成機関が実施する養成課程を修了すること
中小企業診断士第1次試験の試験科目は、「企業経営理論(経営学)」「経済学・経済政策」「財務・会計」「運営管理 (オペレーション・マネジメント)」「経営法務」「経営情報システム」「中小企業経営・中小企業政策」の7科目です。第1次試験には「科目合格制度」が設けられています。
在学中に中小企業診断士の資格取得を目指す場合、2年生、あるいは3年生の段階で第1次試験合格を目指しましょう。
そのうえで、就職活動を終えた4年生の段階で第2次試験への合格というパターンが理想的です。
経営学部では、第1次試験を構成する7科目に対応したカリキュラム(次ページ、「中小企業診断士第1次試験科目対応表」参照)が組まれています。また、第1次試験合格に向けた課外講座が学内で開講されており、専門学校と提携した講座を低価格で受講することができます
(詳細は掲示等でお知らせします)。
本資格の取得に向けては、講義を計画的に履修するとともに課外講座を活用して、できるだけ早い段階から学習していくことが必要です。
東洋大学では、第1次試験合格者を対象とした登録養成課程 (前述のステップ②) が大学院経営学研究科ビジネス・会計ファイナンス専攻博士前期課程に設置されています。本養成課程の出願には、中小企業診断士第1次試験合格が必要です(出願時点で、「その年度または前年度において第1 次試験に合格」が出願条件となります)。本養成課程(2年間)を修了すると、修士(経営学)の学位と中小企業診断士(経済産業大臣登録)の資格の両方を取ることができます。