公務員採用試験

◆◆国家公務員(一般職)◆◆

国家公務員とは、国の各機関の職員、特定独立行政法人の役員および職員のことです。 333.1万人いる公務員のうち、国家公務員は 58.8万人(約17.7%)を占めてい ます(令和3年度末予算定員)。国家公務員は国民全体のために仕事を行い、その仕事自体が国全体のために行われています。従って、幅広い仕事を経験する機会に恵まれ、研修機会も多くあるのと同時に、様々な部署(総務、庶務、企画、経理など)で仕事をすることのできる能力が求められます。

国家公務員の種類
①特別職(例:大臣、副大臣、裁判官、裁判所職員、国会職員、防衛省職員)
②一般職(例:給与法適用職員、検察官、特定独立行政法人職員)
※一般的に思い浮かべられる国家公務員の多くは約28.5万人いる給与法適用職員のうち「非現業国家公務員」と呼ばれるものです。

採用試験の種類
①総合職試験 政策の企画立案等の高度な知識、技術または経験を必要とする業務に従事する係員の採用試験
②一般職試験(大卒程度) 事務処理等の定型的な業務に従事する係員の採用試験
③専門職試験 特定の行政分野に係る専門的知識を有するかどうかを重視して行う係員の採用試験

●● 関連 HP 人事院「国家公務員試験採用情報 NAVI」●●
      https://www.jinji.go.jp/saiyo/saiyo.htm

◆◆地方公務員(一般職)◆◆

地方公務員とは、地方公共団体(都道府県・市町村・特別区など)の職員、特定地方独立行政法人の役員および職員のことです。

地方公務員の種類

①特別職(例:都道府県知事、市町村長、議会の議員)
②一般職(市区役所の行政職(事務職))
※一般職でも教育公務員や警察職員、消防職員、地方公営企業の企業職員や技能労務職員は、地方公務員法だけではなく特別な法律が設けられています。

採用試験の種類

①上級(大卒程度)
②中級(短大卒程度)
③初級(高卒程度)
※上記の区分は地方公共団体ごとに異なり、また年齢・学歴制限が設けられていることもあるので、全国の地方公共団体の職員採用試験について、また首都圏の主な地方公共団体の職員採用試験については、各団体のホームページを参照してください。 

●● 関連 HP ●●
◇地方公務員採用試験案内(地方公共団体情報システム機構)
https://www.j-lis.go.jp/spd/exam-guide/shiken-annnai.html
◇首都圏の主な地方公共団体の採用ホームページ
・東京都  http://www.saiyou2.metro.tokyo.jp/
・神奈川県   http://www.pref.kanagawa.jp/docs/s3u/saiyou/index.html
・千葉県  https://www.pref.chiba.lg.jp/jinji/ninyou/saiyoushiken/index.html
・埼玉県  https://www.pref.saitama.lg.jp/f1903/saiyou/
・茨城県  http://www.pref.ibaraki.jp/jinjiiin/saiyojyoho.html
・特別区(東京 23 区)  http://www.tokyo23city.or.jp/saiyou-siken.htm
・横浜市  https://www.city.yokohama.lg.jp/city-info/saiyo-jinji/saiyo/
・千葉市  http://www.city.chiba.jp/jinji/boshu/
・さいたま市  https://www.city.saitama.jp/006/001/001/index.html

◆◆国税専門官◆◆

国税専門官とは、国税局や全国各地の税務署において、適正な課税のための調査・指導を行い、租税収入を確保するために活躍する税務のスペシャリストです。

国税専門官の職種


①国税調査官
納税義務者である個人や会社等を訪れて、適正な申告が行われているかどうかの調査・検査を行うとともに、申告に関する指導などを行う。

②国税徴収官
定められた納期限までに納付されない税金の督促や滞納処分を行うとともに、納税に関する指導などを行う。

③国税査察官
裁判官から許可状を得て、悪質な脱税者に対して捜査・差押等の強制調査を行い、刑事罰を求めるため検察官に告発する。

採用試験について

国税専門官になるためには、人事院が実施している国税専門官採用試験に合格し、採用される必要があります。受験資格については、受験年の4月1日時点で21歳以上30歳未満(日本国籍を有しない者等を除く)という条件を満たせば受験することができます。

国税専門官の試験国税専門A(法文系)では、一般教養と専門科目がありますが、憲法、民法、経済学、会計学、社会学等の高度な専門知識が問われます。
また、最近では国税専門官の試験を受験する者が多く、人気があります。
ちなみに、2021 年度から 2023 年度までの合格者数および倍率は以下の通りです。

●● 関連 HP 国税庁採用情報(国税専門官試験採用) ●●

https://www.nta.go.jp/about/recruitment/kokusen/shiken/test_02.htm

※※Notice※※

 経営学部においては、会計学(簿記を含む)をはじめとして、経営学、経済学、民法など主な専門科目は配置されていますので、体系的に履修することによってそれらの基礎をしっかり学ぶことができます。最近は積極的に試験にチャレンジする学生も増えています。

 現在、経済や経営のグローバル化に伴って多国籍企業が増加し、税務の国際化も加速しています。今後はそのような変化にも柔軟に対応できる国税専門官が求められることになりますので、経営学部の学生にはとても身近で魅力のある仕事といえるでしょう。

◆◆財務専門官◆◆

財務専門官は、「財務局」において、財政・金融等に関する業務を担い、地域の活性化に貢献するスペシャリストです。財務局は財務省の総合出先機関ですが、金融庁からの事務委任を受けて財政や金融に関する施策も実施しています。

財務専門官の主な業務
1財政の業務
①予算執行調査 国の予算の使い方が非効率になっていないか、無駄な部分が生じていないか、といったチェックを行い、調査結果を財務省主計局に報告し、翌年の予算に反映させます。 ②財政投融資 国による長期・低利資金の融資・出資である財政投融資に関して、貸手の立場から貸付先の地方公共団体の財政状況を把握するためのヒアリングを行います。 ③国有財産の有効活用 国有財産の管理処分事務の実務だけでなく、都市の再生につながる活用も行います。
2金融の業務
①地域金融機関の検査・監督 地方銀行や信用金庫・信用組合に対する検査や監督を行います。必要があれば業務改善命令などの権限を行使し、預金者を保護します。 ②証券取引等の監視 証券会社に対する検査・監督の他、インサイダー取引や相場操縦などの違法行為の監視を行います。また、企業情報の適正な開示や公認会計士試験の施行も担っています。
3.その他の業務
①地域経済の調査 企業へのヒアリングや地域経済に関するデータを収集・分析して、経済情勢を把握し、財務大臣や財務省幹部に報告し、各種経済政策を企画・立案するための材料を提供します。 ②広報 国の施策を地域に浸透させるとともに、地域の意見・要望を国に報告します。

採用試験
財務専門官になるためには、人事院が実施している専門職試験 ( 財務専門官採用試験 ) に合格する必要があります。受験資格については、試験年度の4月1日における年齢が21歳以上30歳未満であればだれでも受験することができます。

財務専門官試験は、第1次試験 (5 月下旬~ 6 月上旬 ) と第2次試験 (7 月中旬 )からなります。第1次試験では、①公務員として必要な基礎的な能力 ( 知能および知識 ) に関する「基礎能力試験」( 文章理解、判断推理、数的数理、資料解釈、および自然・人文・社会などの分野 )、および②財務専門官として必要な専門的知識についての「専門試験」(憲法、民法、経済学、財政学、および会計学などの分野)が多肢選択式および記述式で課されます。第2次試験では、第1次試験での合格者を対象に「人物試験」が個別面接で行われます。
ちなみに、2019年度から 2023年度までの合格者や倍率は以下のとおりです。なお、他の試験の合格者が辞退するため、実質倍率は3倍前後であるといわれています。

(注) 表中の( )内の数字は、女性の人数を示しています。

●● 関連 HP 財務省財務局採用サイト ●●

http://www.mof.go.jp/about_mof/recruit/zaimu/zaimusenmonkan/

財務専門官試験は、2012 年度に新設されたものですので比較的新しい試験ですが、地域経済の基盤を支える存在として注目度が高まっています。経営学部においては、会計学をはじめとして、法律や経済学など財務専門官試験で必須となる科目に関する授業が充実していますので、チャレンジしやすいといえます。また、財務専門官に就いた後の業務は、金融や会計に関係することが多いので、経営学部で学んだことを活かせる場面が多いでしょう。
近年のさまざまな政策や経済情勢の変化に伴って、「地域」の果たす役割は、これまで以上に重要になっています。財政・金融の担い手として、そして国と地域とをつなぐ「架け橋」としての存在を担う財務専門官の使命はますます重くなっていくことでしょう。経営学部の学生にとって、かなり魅力の高い職種であると思われます。