第25回 降級馬
今週の開催から4歳馬の降級が行われます。(くわしくは胴元のホームページを見て下さい)
分かりやすく言えば収得賞金が4歳馬だけは半額になる事です。
今まで1000万下で走っていた馬の収得賞金は900万円、これが半額になるので450万円。
ということは、500万下条件で走れるようになります。ですから降級という表現になります。
クラスが下がるのですから、やはり勝つ可能性は相当高くなります。高校生が中学に戻るようなものですから。
じゃあ降級馬だけを買えばいいかって言うとそうでもないのです。
能力の違いで勝ってしまう馬は多くいます。しかし能力があっても勝つに勝てない事情を抱える馬も多くいます。
まず、人間の世界で考えて見ましょう。
学生から初めて社会に出た時が新馬戦だとすると降級の時期は30代。
そろそろ自分自身の社会におけるポジションも固まりつつある頃です。
もう一度、頑張ろうと奮起して上を目指す方もいれば、もう将来は見えたからぼちぼちやろうとする方、
もっと楽にいこうとする方など様々です。
これが馬の中にもあります。馬が考えているのではなく馬を取り巻く方々はこれを第一に考えているはずです。
例えば、今は1600万下で10着以下ばかりの馬が、降級して1000万下になったとします。
1000万下では能力は上です。少し頑張れば勝つことは容易でしょう。
しかし1着賞金1050万(特別なら1480万)だけ貰って、その先は1600万下で、また10着以下の繰り返しです。
出走手当だけしか貰えないで引退です。
それなら1000万下に居座って入着を繰り返した方が、実入りがいいのは子供でも分かります。
これが「やらず」です。折角、降級したチャンスは逃しません。ここに永遠の1000万条件馬の誕生です。
1600万では走っていませんが、リバプールサウンドは永遠の条件馬と言えるのでは。
500万下にいるダイレクトパスは呆れるぐらい勝ちませんが、毎回のように馬券に絡みます。
しかしみんな知っていますから一番人気には決してならないんですよね。
少し豆知識でダイレクトパスといい勝負できる馬はすぐ500万を勝ち上がります。ものさしには打って付けの馬なんですよ。
それと、成績下位の厩舎の降級馬は要注意です(年間5勝以下は特に)。待ちに待った降級な筈です。
勝たせないでじっくり入着を繰り返しますから。
上位の厩舎は馬が多いですし、1、2頭が勝てなくなったところで痛くないですが
下位の厩舎はその1頭が金の卵を産む鶏なんです。馬柱を見ればいくらでもいますよ。
「やりやらず」ばかり気にしていると全てが嘘に見えてしまいます。
見える所だけを気にして、見えない所は無視すると結構楽しいですから。
2010年6月15日