第16回 ギャンブル依存症
競馬は博打です。誰もが知っている事実です。
パチンコ、パチスロも博打です。誰も缶詰やタバコを目当てにやってませんもの。
10万円くらいはすぐに動いてしまうようになったパチンコ、パチスロですが
大きい金が動くようになったのは21世紀になってからの事だと思います。
三つのニュースを御覧下さい。
①県教委は26日、学校給食費などを横領した壱岐市立那賀小の男性事務職員(42)を
懲戒免職にする懲戒処分を発表した。
県教委によると、那賀小の職員は昨年9月から今年3月にかけて、計25回にわたり
児童や職員から集めた給食費など約124万円を、管理を任されていた通帳から引き出すなどして横領。
パチンコ代や借金返済に充てていたという。
②東京都豊島区のラブホテルで25日深夜、従業員の女性がナイフで刺され金を奪われた事件で、
警視庁捜査1課と巣鴨署は30日、強盗殺人未遂容疑で自称、住所不定、無職のXXXX容疑者(67)を逮捕した。
逮捕容疑は、25日午前1時半ごろ、豊島区駒込のラブホテルに押し入り、
仮眠室で寝ていた従業員の女性(69)のあご付近を果物ナイフで刺して重傷を負わせ、
売り上げ金約6万円を奪ったとしている。
同課によると、容疑者は29日午後7時ごろ、「私が事件をやりました」と荒川署に出頭。
所持金は数十円のみで、「(奪った金は)パチンコに使った」と供述しているという。
③子ども手当は中学卒業までの子どもを対象に2010年度、1人当たり月1万3千円が年3回支給されるが、
親がパチンコなど“目的外”に使ってしまう可能性のほか、
大半を「貯蓄」に回し経済効果は薄いとの専門家らの指摘もある。
毎日のように同じようなニュースが流れていますが、三つのニュースの中で共通の部分が
20世紀までは「パチンコ」という言葉ではなく、「競馬」や「競輪」と書いてあったものです。
横領したら競馬につぎ込んだとなってましたし、奪った金は競馬に使ったでしたし
親が競馬などの“目的外”に使ってしまう可能性が非常に高かったものでした。
パチンコで破産や借金苦はしょっちゅう耳にしますが、競馬で自己破産は聞こえなくなった気がします。
今や競輪や競艇で破産なんて言ったらとてつもなくどうしようもない人間と思ってしまいませんか?
「パチンコ依存症」なんて言葉まで、できてしまって随分と市民権を得たものです。
同じ博打なのに時代が流れるとこうまで変わるのですね。
実は私もパチンコ、パチスロは競馬より長くやっておりました。
パチンコ、パチスロ依存症でしたね、今、考えてみれば。
今思うと、なぜあんなのやっていたんだろって思いますが、依存してる時は
ただ打ちたい衝動だけでしたね。
手軽すぎる博打は、はまりやすいんですよね。
パチンコ屋はどこにでもあるし、毎日、23:00まで営業してるし。
それと運任せの部分が多いのに、自分の力で出していると錯覚してしまうところが危ないですよね。
もちろん多少の技術はもちろん必要ですが。
暇だからパチンコ行こうっていうのが一番、やばいんですよね。
なんにも考えないで行っちゃうのが。
出なければ、家で寝てりゃ良かったと思いつつも、取り返してやろうと
次の休みも全ての予定はキャンセルにしちゃって行っちゃうし。
出れば、その日は勝ちですが、勝ちが忘れられなく負けるまで通いつめ、
さらに負債が増えても、取り返してやろうとまた行ってしまう。
こんな感じではまる方が多いと思います。
勝っても負けても、はまってるじゃないかって事です。
(昔パチンコ屋のCMで♪勝っても負けてもガー○ン、ガーデ○♪、という歌がありました。ひどいですね)
でもパチンコ、パチスロで勝っている人は結構います。
寺銭を25%、取られてはいないから競馬に比べれば相当いるはずです。
釘が、設定が、などいろいろな要因はあると思いますが
負ける人と勝つ人が完璧に違う事が一つだけあります。
それはやる台が無い時にはおとなしく帰れる事です。
これは、なかなかできませんよ。
暇だからパチンコ屋に来て、やる台がないから家に帰るって事は
富士山の9合目から頂上を諦めて引き返す事と同じぐらいの勇気が要ります(私はそうでした)。
パチンコ、パチスロで勝てる人はただ帰るのではなく、ちゃんと見(ケン)してから帰ります。
やらなくても閉店までいてどの台がどのくらい出たのか、出なかったのか調べています。
パチンコ屋はなくなるわけではないし、年中無休で営業しているのだから
今日、やらない事は大した事ではないはずなのですが、「今日やらないと」と変な使命感が出てくるんですよね。
あれ、なんか全部、競馬にも当てはまりませんか?
今日、暇だから競馬場行って、新聞すら入り口で買いこんで
新聞のコメント、印だけで闇雲に全レース馬券を買ってしまう。
家にいればじっくりレースを見られるのに、競馬場で見(ケン)するのは至難の業です。
ちょっとでも予想しちゃうと「来たら損する」と言って
小額でも馬券を買ったりしちゃいますよね(大概は外れて買わなきゃ良かったと思う)。
最終レースは、元金が戻ればいいやとオッズだけで中穴を買ったら、さらに大荒れで
来なきゃよかったと満員の京王線で気付いてやっと冷静に見つめられるようになり、つまらない一日が終わる。
競馬やってる人なら誰でも経験がある事だと思います。
競馬依存症(競馬中毒は90年代に言われていたと思います)とは言われていませんが
パチンコ依存症と余り変わりが無いように思います。
競馬だけしかやらない人は「パチンコなんて」と思っているでしょうが
実は同じ博打には変わりが無いのです。
依存症になったらなにも見えなくなり負けた事もよく理解できなくなってしまいます。
競馬もパチンコも症状は同じですよね。
精神論みたいで嫌なのですが、結局は冷静に自分が見つめられる人間だけが勝ち残るものなのでしょうね。
横領した金の行方は競馬、競輪からパチンコ、パチスロに変わりました。
競馬はなんとなくクリーン(全くの虚像ですが)なイメージが付いて、
パチンコにはよりダーティなイメージが(昔から付いてまわってますが)付いた気がします。
金のやり取りがある時点で、ダーティなものには変わりがありません。
ただ、私が言うのもなんですけど、パチンコ、パチスロの方が勝ちやすいと思うのですが(寺銭の関係で)
競馬の方が100倍、面白いと思うんですよね。
だってミリオンゴッドで20万やられた時、同じ20万を一点勝負すれば5倍でミリオンだったんだなと悟り
島娘で15回連続REGボーナスで閉店した時、全12Rを複勝で転がしていたら同じ負けでも清々しかったな
と悟ったりしたものです。
でも、こんな事考えている時は、どっぷり依存症の時ですから。
つまらないと思った時が依存症が終わる時ではないでしょうか。
そうそう、私がパチンコ、パチスロ依存症を克服できたのは結構、簡単な事でした。
ひょんなことからタバコをやめました。家でタバコが吸えないのもあり
タバコを吸う為にパチンコ屋に行くというのが大きなウエイトを占めていました。
タバコをやめると、とにかく人の煙が気になります。パチンコを打っていても隣からの煙で
集中して打てません。それとパチンコ屋に入った時の強烈なニオイ(吸っていると全く気付かない)が
うんざりするようになると、行く気が無くなります。
行かなくなると不思議なもので、つまらないものをやっていたと勝手に思うようになります。
試しにパチンコ屋に行ってみると、うるさい、臭い、目がチカチカと三重苦で5分もいれませんでした。
テレビでやっているパチンコ番組を見ても全く興味がわきませんから、依存症は勝手に解けたのでしょう。
もしパチンコ依存症と思っている方でタバコを吸っていられる方はタバコをやめてみてください。
「風が吹くと桶屋が儲かる」と同じで、「タバコをやめるとパチンコ、パチスロもやめられる」かも。
面白いと思うものにお金を使えばいいんです。
ただ理解して博打を打たないとただのカモになってしまいますよ。
逃げ出したカモが言うんだから間違いありません。
競馬については依存しているかどうか、自分では判断が付いていませんが。
2010年5月6日