◆日本の神々

◆神社と日本の神々について◆

日本人は古来より、豊かな自然の恵みに感謝し、四季折々の自然の中に、神々(御神威)を見出してきました。そして、私達にも社会や家庭の中でそれぞれに役割分担があるように、神々にもそれぞれの役割(御神徳)があると考えてきたのです。

・産土(うぶすな)様、氏神(うじがみ)様、鎮守(ちんじゅ)様

→産土様は本来、私達が生まれたところ(ふるさと)の神様(地縁的な神)をいい、氏神様は、もともとは氏族が共同でお祀りする神様(血縁的な神)のことをいいました。

また鎮守様とは、一定の土地に住む人々や建物を守護する神様のことを指しました。

今日では、産土様も氏神様も鎮守様も、ほぼ同じ意味に用いられています。これらの神様は、私達を一生を通じて守って下さる神様で、一般的には、私達の住まいの近くにある神社がそれにあたります。

このような神様に対して、私達は産子(うぶこ)・氏子(うじこ)と呼ばれます。神様が親で、私たちはその子という関係で結ばれているのです。神様は私たちと全くかけ離れた存在ではなく、私達の生活と共に生きる、身近な存在なのです。

・年神(としがみ)様

→お正月は家に年神様をお迎えして、前年の豊作や平穏に感謝すると同時に、今年の豊かな稔りと平和を祈り、「神祭り」として祝う行事です。古来より日本では、人が亡くなるとその魂は「祖霊」という、いわゆる「ご先祖様」になると信じられており、この祖霊が春になると「田の神」に、秋が終わると山へ帰って「山の神」に、そして正月には「歳神」になると言われております。つまりお正月は、祖先とともに新しい年を迎える時であり、全てのものが新しく始まる節目とも考えられる訳です。

そして、この年神様をお迎えするにあたり、門松やしめ縄を張り、鏡餅を飾り、心から歓迎する仕度をいたします。年末には各ご家庭で大掃除をされると思いますが、その時には必ず神棚のお掃除もいたしましょう。

まずは、神棚におまつりしているお札を感謝をこめて近くの神社にお納めし、そして綺麗になった神棚には新しい神宮大麻、年神様をおまつりいたします。

また年神様は稲魂(いなだま)ともいわれていますが、それは、日本人と稲との深いつながりがあるからです。稲は枯れてしまっても籾(もみ)に新しい生命を宿し、それがやがて芽をふいて、稔りをもたらしてくれます。日本人は、年も稲と同じように、一年一年新しく生まれ変わると考えてきたのです。年(稲の稔り=とし)が生まれ変わるということは、生命のつながりを確認することであり、日本人にとっては大変におめでたいことだったのです。

・産神(うぶがみ)様

→出産の際に、妊婦や赤ちゃんを見守り、そしてお七夜が過ぎると帰っていくと考えられている神様。