建築のお祭り

■建築のお祭り■

◆地鎮祭(ぢちんさい)

地鎮祭は、「ぢまつり」「とこしずめのまつり」ともいい、建物の新築工事、あるいは各種の土木工事の起工に際して、その土地を守護されている神様(大地主神おおとこぬしのかみ)・地域の鎮守様(産土大神うぶすなのおおかみ)をお招きし、ご神前に建物普請・工事着工の由をご奉告申し上げ、今後の平安守護、並びに建築工事の安全を祈願する大切なお祭りです。地鎮祭は建主が中心となって執り行う祭儀で、工事関係者も参列し、建主とともに工事が無事に進むことをお祈りします。

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◆上棟祭(じょうとうさい)

「棟上げ式(むねあげしき)」「建て前」ともいい、基礎工事が終わり柱を立て棟木(むなぎ)を上げる際に、工事が上棟まで進んだ感謝の気持ちと竣工までの加護を祈願するお祭りです。地鎮祭は土地の神様に対して行われる祭儀ですが、上棟祭は建築に関わる神様である、屋船久久遅命(やふねくくのちのみこと)、屋船豊宇気姫命(やふねとようけひめのみこと)、手置帆負命(たおきほおいのみこと)、彦狭知命(ひこさしりのみこと)、産土大神(うぶすなのおおかみ)をおまつりします。これらの神名を記した棟札を、中央の柱に貼ったりなどします。

祭儀終了後には、工事関係者にご祝儀を配ったり、近所の人々に対して餅まきをする地方もあるようです。

宮中では平安末期から鎌倉時代にかけて始まったものとされ、江戸時代には、庶民の間にも広がりました。

◆竣工祭(しゅんこうさい)

「ことおえのみまつり」とも言います。各種の建築物の内外が整い完成した事を神様に奉告・感謝し、その長期的な建物の安全と運用交通の安全を祈願するお祭りです。

一般的な建築物はもとより、公共施設等の建設終了にともなう神事としても重んじられてきました。

鉄道・道路、橋梁(渡り初め式)、水道工事などの大規模工事の竣功など、新築工事だけでなく補修改良工事の際にも行われ、関係者一同にて神恩を感謝し、清祓を行います。

◆新宅祭(しんたくさい)

一般住宅をはじめ各種建物の新築工事が、屋船大神等(建物の神様)の加護により無事完成した事を感謝し、ご奉告・お祝いすると同時に、その新居にお鎮まりいただき、各部屋を祓い清め、末永く安全堅固で良き建物として、これから入る住人の弥栄を祈念するお祭りです。

また、当神社では「御富岐玉(みほぎたま)」という4色の玉を、斎場となるお部屋の四隅に掲げます。

東北→青玉(青龍神)

東南→赤玉(朱雀神)

西北→黄玉(玄武神)

西南→白玉(白虎神)

というように四隅に掲げ、配置することによって、方角を司る四神(青龍・朱雀・白虎・玄武)が、家の邪気を祓い、地場を整えてくださるといわれております。

◆解体祓・改築祓(かおくかいたいばらい/かいちくばらい)古くなった建物(家屋・事務所・お店など)を解体するにあたって行われるお祭りが「解体清祓」や「取り壊し始祭」と呼ばれるお祭りです。

建物を祓い清め、長年お世話になった建物に感謝するとともに、家屋の守り神である屋船久久遅神(やふねくくのちのかみ)と屋船豊受姫神(やふねとようけひめのかみ)に対して取り壊しの事情をご奉告し、またお許しをいただき、解体工事の無事安全をご祈願します。

また増改築にあたって、水回り(上下水道・トイレ・井戸・池などの掘埋)の工事・門塀の建て始め取り壊し・庭木の伐採などを行う際も、それぞれの守り神に対し工事に至る事情を奉告し、工事の安全とご家族様の家内安全をご祈願します。

特に増改築をなさる場合は、家相や方位の問題も発生して参りますので、工事する方角を良く調べ、なるべく良い時期に行いたいものです。お気軽にご相談ください。