◆参拝の作法と信仰

◆参拝の作法と信仰について◆

神社にご参拝し、神様にご挨拶を申し上げる時。

神様から御守りいただき、今後益々に発展していきたいと願うなら、やはり気をつけるべきお作法がございます。

神様により微笑んでいただきたいものですね。

・神社でご祈祷を受ける際の表書き

初穂料、あるいは玉串料と書きます。

今ではお金をお包みすることが一般的となりましたが、昔は、実りの秋には神様に感謝の気持ちを込めて、その年の最初に実った稲穂を神様にお供えしていました。野菜や果物、魚などの初物も同じで初穂という言葉はここから始まっているのです。

玉串料とは、榊の枝に紙垂(しで)を結びつけた、神社でご祈祷を受ける際に神前に奉る玉串からきています。

・手水の作法

→【1】まず、柄杓(ひしゃく)を右手に持ち、左手を洗います。

【2】次に、柄杓を左手に持ち替え、右手を洗います。

【3】次に、もう一度柄杓を右手に持ち替え、左手に水を受けて口を洗い、その後、左手を洗います。

【4】最後に、柄杓を立て、柄(え)の部分に水を流します。

・参道を通る時の心得はありますか?→鳥居をくぐりぬけると、社殿まで続く「参道」があります。文字通り参道とは「お参りする道」で、神様の鎮まる所と人とを結びつける大切な道です。神様の鎮まる所へ一歩一歩近づく訳ですから、心を落ち着かせて敬虔な気持ちで進むようにしましょう。なお、鳥居をくぐる時には、軽くお辞儀をするのが良いとされています。

また、参道の中央は「正中」といわれ、神様の通り道とされておりますので、そこをなるべく歩かないようにするのが、神様に対する礼儀といえるでしょう。

・参拝方法

→ご社殿前まで進み軽くお辞儀をし、鈴を鳴らしましたら、その後に二拝二拍手一拝の作法でお参りします。

これは、神棚の前での毎日のお参りも同様にします。

・玉串拝礼の作法

→【1】玉串を受け取る。右手は上から、左手は下から持つ。

【2】胸の高さに持ち、神前の玉串案(台)の前に進み、軽く一礼する。

【3】玉串を時計まわりに廻して、立てる。

【4】左手を下げ、祈念を込める。

【5】左手で玉串の根元を時計まわりに廻す、右手は玉串の真下に添える。

【6】玉串を案にのせる。

【7】二拝二拍手一拝でご拝礼。

【8】軽く一礼して退きます。

・ご社殿前で、鈴を鳴らすのはなぜですか?

→ご社殿前で鈴を鳴らすようになった由来については、一説によると、古来から鈴には魔除の霊力があるとされ、それが転じて、神事の時に鈴を鳴らすようになったようです。

巫女が神楽舞(かぐらまい)を舞う時に、手にもって鳴らす神楽鈴(小さな鈴を山型に並べた鈴)の音には神さまをお招きする役割があったそうです。つまり、ご社殿前で鳴らす鈴も、この神楽鈴に由来するとされ、神さまをご拝礼するにあたり、鈴のその清らかな音色で神さまをお招きし、これから祈願を申し上げるという、一種の合図のような役割を果たしているのです。その清々しい音色で参拝者を敬虔な気持ちにするとともに参拝者を祓い清め、神霊の発動を願うものと考えられています。

・六曜(先勝・友引・先負・仏滅・大安・赤口)とは?

→現在の暦の中で、最も身近に感じられる六曜。この六曜は、中国においては、時刻の吉凶占いに用いられていましたが、日本に伝来してからは、日の吉凶を判断する方法として用いられるようになりました。

しかしながら、これはいわば俗信ですので、実際の吉凶とはあまり関係がないといわれております。それでも今日、縁起をかついでこの六曜を気にされる方も勿論いらっしゃいます。結婚式の日や引越しをする日など、何かおめでたいことや新しいことを始める際は、仏滅を避け、大安を選ぶ方も多いのではないでしょうか。

■先勝(せんしょう・せんかち・さきがち)

急がば勝ち、と何事も積極的に行動することが吉。時間的には、午前中は吉で午後は凶。

■友引(ともびき・ゆういん)

朝晩は吉、昼は凶とする。友を引くと書くところから、特に凶事に忌まれている。

■先負(せんぷ・せんぶ・せんまけ・さきまけ)

先立って行動することが凶。何事も控えめにする日、急用や公事を避ける日とされ、時間的には、午前中が凶で、午後は吉。

■仏滅(ぶつめつ)

物滅(ものめつ)の音が転じて仏滅になったとされ、従って仏さまの命日とは関係ない。万事に凶とされ、特に結婚や開店など、新しくことを始めることに不吉として避ける人が多い。

■大安(たいあん・だいあん)

万事に大吉である。

■赤口(しゃっく・じゃっく・しゃっこう・じゃっこう・せきぐち)

祝い事には大凶とされ、また「赤」が火や血を連想させることから、火の元や刃物によるケガに気をつける日とされている。時間的には、午の刻(昼、午前11時頃~午後1時頃まで)だけが吉で、朝夕は凶。

(※六曜の読み方については昔から暦師によってまちまちで、どの読み方が正しいとはいえないようです。)

・ご祈祷を受ける時、大安や仏滅を気にするべきですか?

→六曜(ろくよう)は、もともと神社や神道とかかわりのあるものではございませんので、ご本人様やご関係者様さえ気にしなければ、全く問題のないことかと存じます。どんな日でも神さまの御神徳は同じように受けられますし、当神社も仏滅だからと言って神社をお休みすることはございませんので、御祈願を承ることが可能です。

例えば安産祈願では、何より妊婦さんの体調を十分に考えることが大事ですし、初宮詣も同じく、赤ちゃんとお母さんの体調を考え、またご一緒にお祝いなさるご家族様の都合の良い日をお選びになるのが一番よろしいかと存じます。それを踏まえて、あとはそれぞれのお考え方次第です。

確かに、六曜のお日柄も気になるものですが、一番大切なのは、心にゆとりをもって誠心誠意、神さまと向き合うこと。神さまの力が、六曜のお日柄によって左右されるということは全くございませんので、どうかご安心くださりませ。

・祝詞(のりと)とは何ですか?

→祭典時に、神さまへ奏上する言葉が「祝詞」です。祝詞は、万葉仮名で書かれていて、内容としては、まず神名と神徳をたたえてから、お祭りの趣意を申し上げ、そしてご加護をいただけるように祈るのが一般的です。

祝詞の語源については諸説ありますが、一説によると「宣り処言(のりとごと)」を省略した語といわれ、神さまのお言葉を宣り下す処という意味があるとされています。つまり、もともとは神さまが、神聖な場所から私達に言い聞かせるお言葉だったようです。これが後には反対に、私達が神さまに奏上する言葉へと変わりました。古来、我が国の祖先たちは、言葉には霊魂が宿ると考える、言霊信仰を持っていました。ですから、神さまに申し上げる言葉には、必ず神さまへ通じると確信していたことでしょう。

祝詞の文体には、祝詞の末文が「……臼す(もうす)」で終わる奏上体と、「……と宣る(のる)」で終わる宣命体の二種類ありますが、現在では多くが前者の奏上体で書かれています。

・注連縄を張られた木には何か特別な意味があるのですか?

→神社では、境内にあって、その神社にだけ自生している木であるとか、神社にゆかりのある木、ひときわ目立つ巨木あるいは老木を「御神木(ごしんぼく)」としてお祀りしております。御神木には注連縄を張ったり、柵をめぐらしている所もあります。また、御神木をご神体としている神社もあります。 古来より、御神木は神様の宿る所であるとか、神様の降臨する所とされていました。御神木の種類としては、常緑樹の杉や松、榊などがあります。この中でも榊は代表的な御神木とされ、神事にも多く使われています。

当神社にも、夫婦杉(縁結び・夫婦和合の象徴)と大ヒノキ(推定樹齢500歳以上)があり、夫婦杉には良い縁が授かれるよう、絵馬やおみくじを結ぶ場所とてして縄をかけております。