東北ブロック北陸ブロック

2021/7/18

醗酵文化のまち探訪in白山

~美川・鶴来~

東北・北陸ブロック共催

醗酵文化研究会


石川県内には醗酵食品が多く作り出されている。それには適した環境があげられる。例えば、カビなどの活動に適した湿度、冬季における低い気温や降雪、豊富な地下水と水質の良さ、新鮮で美味しい農・水・林産物、さらにそれを加工する技術などが揃っていることである。また、石川県は米どころであり、そこから生まれる麹や糠は、多様な醗酵食品と結びつき、地域の食文化を形成している。

今回、探訪した白山市美川はフグの卵巣の糠漬けが有名な地。かつて北前船の寄港地として栄えた現在の美川港に、北海道からフグやニシンなどが陸揚げされ、これを糠に漬け込んだことが始りと言われている。ふぐの子糠漬で有名な「あら与」さんを訪問、荒木社長に醸造法など実物を見せて頂きながら説明いただいた。美川のまちも港町の風情が漂い、海産物の日干しや白山伏流水がわき出て洗い場として利用されている様子を随所で見ることがでた。

次に訪ねた白山市鶴来は、手取川扇状地の扇の要に位置した街で、古くから酒造、味噌、醤油、麹などの製造業が盛ん。ここでは「こうじきぬや武久商店」を訪ね糀の製造などについて話をうかがった。

最後に、鶴来の街に隣接するスカイ獅子吼(標高650m)へゴンドラで上がり、手取川扇状地を一望。白山市では「白山ジオパーク」の世界認定を目指した活動を展開しているが、この地理的特性の中で育まれてきた醗酵文化を、ジオパークとともにアピールしていくことが望まれる。