やる気が出ない日はありますよね。皆さんはありませんか?私はちょこちょこあるので、外に出て気分転換したり、「今日は仕事やめて、酒飲む!」とかしています。何もしないこと、無駄な時間を過ごすことで「もうゆっくり休んだから、さあ、始めよう!」と気分が上がるのを待ちます。
誰にもモチベーションに波があるはずですが、それをコントロールするのが「デキル社長」だと思います。
自分なりのモチベーションアップ法を持つことが大事だと思います。そのためには、自分自身の「モチベーション」を理解する必要があります。
これはモチベーションやリーダーシップで有名な神戸大学の金井壽宏先生の本です。この本からの学びをまとめて、「デキル社長」がご自身のモチベーションに対する持論を持てるようになればと思います。
目的は、モチベーション(やる気、意欲、動機づけ)の仕組みを知って、自分でコントロールできるようになるため(そこに一歩でも近づくため)の持論(自論)を持つことです。
*超頭の良い先生の本なので、一部の理解が不足しているかも知れません。これをきっかけにご興味を持たれた方は、是非原著をお読みください。
社長や部長のモチベーションは、自分自身のことだけではなく、自分を取り巻く周囲の人との関係性にも大きく影響を受けると思います。
例えば、部下を一方的に叱りつけたら、ばつが悪くて自分の仕事のやる気もダウンしてしまったとか、ありませんか?
ですから、「デキル社長」のモチベーション持論(自論)は、自分+周囲の関係を含めたものでないといけません。
自分のモチベーション調整のための「セルフ・セオリー」を持つと同時に、自分の周囲の「ワールド・セオリー」も持つ必要があります。
一般社員:自分のモチベーターを発見しやる気を自己調整できることは大切(社員それぞれ十人十色あり)
管理職:人に動いてもらうことが課題であるのでワールド・セオリーも必要。周りの人たちのモチベーションにも働きかける必要がある。でないと、自分の価値観を押し付けるだけのマネージャーになる。
偉くなると忘れがちですが、部下は自分とは違うモチベーションを持つということです。それを学ぶためにワールド・セオリーを持つことです。
ワールド・セオリーを持つことが大事ですが、先ずは自分を分析して、自分がどのようなことにモチベーションを持つのか知ることから始まります。時間のある時に紙に書きだして、じっくりと考えてみると良いと思います。
この次に経営学の考え方をいくつかご紹介しますので、書いたものを当てはめて再度考えると、より深く自分を知ることが出来ると思います。
多くの学者が研究していてたくさんありますが、いくつかをまとめます。自分で書いたモチベーションを、以下の考え方に当てはめて、自分がどの位置に居るのかが理解できると、モチベーションがダウンした時に自分で調整できるようになっていくと思います。
やる気は、自分の内なる声から出てくる場合と外圧によって動かされる場合がありますよね?「1億円やるからこの契約書にサインを!」なんて言われて動くのを「外発的モティベーション」とされています。
外発的モティベーション:給料、ボーナス、昇進、お客様からの感謝など外部にモチベーションを置いている場合
内発的モティベーション:達成感、成長感、有能感、自己実現など内から湧き上がる場合
「あいつは、仕事の質ではなく、給料のことしか考えてない!」とか「社長になったら、もう自己実現にしか興味がないですよ!」とかとか。
1.経済人モデル:お金、ボーナスのような経済的なことにモチベーションがあるタイプ
2.社会人モデル:集団、組織に所属している安心感や喜び、人間関係にモチベーションがあるタイプ
3.自己実現モデル:自己実現に向けて、自分の可能性を開花させるために自分自身で動機づけるタイプ
4.複雑人モデル:時と状況によって上の3つが混ざりあるタイプ
「複雑人モデル」は私には「反則」のような気がしたのですが、「今の赤字ぎりぎりの状況では経済人タイプだが、本当は自己実現を重視する人間なんだ!」ということもありますので、そう考えると複雑人という理解になるのでしょうね。
また、「自分は、自己実現にモチベーションの比重が高いが、A君は完全に経済人、Bさんは社会人だな」と自分、そして部下を理解して、接し方を変えてあげることで、彼らのモチベーションを上げて、会社がうまく行くということです。
これが、セルフ・セオリーとワールド・セオリーを統合して、モチベーションの持論(自論)を持つ、と言うことだと思います。
金井先生が実務家から出てくる言葉をまとめた結果、3つの系統に分類されることが分かったそうです。
1.緊張系:目標とのズレ、未達成感、危機感、、、このままではダメだ、危ない!やらなければ、という動機(ネガティブ)を持つタイプ
2.希望系:希望、夢、目標、ロマン、やりがい、、、その方向へ近づきたい、なりたい、という動機(ポジティブ)を持つタイプ
3.持論系:自己制御、自己調整、自己への報酬、マイペース、、、自分で自分を鼓舞する、モチベーションの持論を持つタイプ
「あー、明日の締切までにやらないと、、」という緊張系に動機づけられて動く人も居れば、自分のロマンのためにひたすら仕事に打ち込む人(希望系)。そして、自分で自分をうまくコントロールしてやる気を出す持論系の3タイプです。何となくわかりますか?
別の見方では、期待理論があります。簡潔にまとめた公式は
[期待]x[価値]=>モチベーションの大きさ/強さ
[期待]は、どれくらい頑張ると手に入りそうか、手に入る確率はどれくらいか?
[価値]は、どのような価値を持ったものが手に入るか?
報酬が得られると思う主観的な確率とその報酬によって、モチベーションの水準が決まるという理論です。
例えば「あと1000万円売上を作ればボーナスが満額受け取れる。じゃ、残業して終わるまで頑張るぞ!」「あと5キロ痩せると、美人のあの子と付き合える。死ぬ気でダイエットするぞ!」と言う感じです。
人間モデルは、どこにモチベーションがあるかでしたが、期待理論はどれくらいモチベーションがあるか、の量を考える上で役に立ちそうです。
社長さんなら、部下のタイプを考えて、ボーナスの設定とかでしょうか。金額で出すか、社員旅行で出すか?ボーリング大会がいいかなとか。
達成動機がめちゃくちゃ強くて、自分の目標に向かってバリバリ仕事をするけど、全く仲間とうまくやっていけない部下が居たら大変ですよね。その人には、周囲と上手に付き合いたいという親和動機が足りません。親和動機には、他者と打ち解けるために自己開示の精神が必要です。
問題を解決するという課題達成系の側面(達成動機)と、育てる、愛する、いっしょにいるといった親和欲求の側面(親和動機)の二つの側面がありますが、トップとして尊敬されるには、両者のバランスが重要です。
さらに、会社組織の上に立ち、大勢を引っ張るためには、周囲に影響を与えるパワーが必要です。これを勢力動機(パワー動機)と言います。勢力動機ばかりが強くて親和動機が低いと、部下をこき使うようなブラック企業になるかも知れません。
組織の上に立つ社長としては、部下に適切な目標を与えて「達成動機」を刺激し、良好な職場環境を作り、みんなで目標達成したいという「親和動機」を呼び起こした上で、組織運営を行って期待する結果を出す(勢力動機)ことが求められると思います。それこそが社長のモチベーションではないでしょうか?(人によるとは思いますが。。。)
ともかく「デキル社長」としては、達成動機、親和動機、勢力動機の3つのバランスを自分の理想形に取ることが必要です。
勢力動機(Power Motive)と は,McClelland(1975) によれば,「相手を攻撃,援 助,忠 告,統 制するな どの 強い行為,相 手 の感情を動かす ような行為,名 声 をあ げることへの関心,な どに対する欲求」 と定義されて いる。
まだまだたくさんあるのですが、学者ではありませんので、実務家としてはこれくらいで充分かと思います。
その1)自分のモチベーションと思われる事柄を書いてみる(セルフ・セオリー)
その2)モチベーションの軸でどこに当てはまるのか考えてみる(キーワードを整理)
外発的と内発的モティベーション
人間モデル(経済人、社会人、自己実現、複雑人)
達成・親和・勢力動機
期待理論
その3)セルフ・セオリーの完成
キーワードを整理して、自分のモチベーションを調整できるようなストーリーを作ってみてください。
その4)ワールド・セオリーの作成
*自分に影響を与える人たちのことを、モチベーションの軸に沿って考えてみる。
*自分との関わりあいとして「ワールド・セオリー」としてストーリーをまとめる。
その5)完成!
セルフ・セオリーとワールド・セオリーをまとめる。
以上です。
やってみると難しい作業だと思いますが、一度に正解が出ないのが当たり前ですので、気長に取り組んでください。
この作業を通じて、自分のモチベーションだけでなく、周囲への影響力も含めたモチベーションの持論(自論)を持てたあなたはきっと素晴らしい経営者に違いありません!
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