集団のダークサイド
経営学入門シリーズ「経営組織」金井壽宏より
経営学入門シリーズ「経営組織」金井壽宏より
めっちゃくちゃインパクトあるタイトルですよね(笑)
私が学んだのは、組織が結束することによるデメリットです。つまり、良い組織が出来上がった時に間違った決定が起きやすいということなのです。
社長さんが一所懸命良い会社を作った時にこそ、「問題はないか?」という目(網様体賦活系RASです!「見た目改善」の記事をご参照ください)でしっかり組織を確認して欲しいのです。
個人では正しい判断が出来たのに、集団に入って誤った判断に引きずられるということです。
人は、長いものに巻かれて誤った判断をしがちです。
つまり、社長や部長である「あなた」に部下たちが「巻かれてしまう」こと。
部下は現場で起きている状況を把握しつつも、組織のトップの鶴の一声で、時として合理的ではないあなたの判断に従ってしまう、という問題です。
「会議で全員集まって決めただろう!」なんて怒鳴っても後の祭りです。
優れた個人の集まりでも、内輪で親密かつ隔絶されてしまうと、かなり病理的な集団決定をおこなってしまうことです。
「7つの習慣」でもありましたが、1+1を3にするためには違う価値観と融合する必要があります。
「みんな優秀で、チームの仲が良い。しかも全員一致で決めたから最高の決定だ!」なんて時にこそ、集団浅慮(グループシンク)を疑ってみては如何でしょうか?
組織論の研究では、集団が固く結束すると、他の集団と対立を起こしやすくなると言われています。
例えば、営業部門とマーケティング部門は、それぞれのチーム内の結束力は非常に高い場合、両部門間で争いが絶えない、という状況です。ありがちですよね?
これが営業部門がバラバラだとすると、営業内で「俺はあのマーケのやり方大賛成!」「いや、俺は大反対」とゴタゴタします。営業の一部がマーケ寄りにつけば、「営業対マーケ」のような対立の構図にはなりません。
集団圧力や集団浅慮に対する解決策は、社長さんが少数の意見を日ごろから聞いて吸い上げることです。
現場に仕事を任せていたとしても、その組織の異端児の意見もしっかり聞くことで、会社はもっと強くなると思います。
集団凝集性による問題については、対立する両者に大きな同じ方向の目的を与えることです。
営業とマーケで争っている時には、「経費1000万円で売上2倍になるプランを両方で作れ!」とかでしょうか?
社長だからこそできる、上からの大きな目標をバシッと与えることで、同じ方向を向くようにするのです。
以上、今回は「経営学入門シリーズ経営組織」金井壽宏 日本経済新聞社で学んだ内容をまとめました。興味のある方は本書をご一読ください。
「集団のダークサイド」としてまとめましたが、集団(会社組織)内で仲良くなって、異論を唱えることが出来なくなるのが会社にとっての悪い兆しです。
特に中小企業ですと、大企業とは異なって良い意味で小さくまとまって楽しく仕事が出来るかと思います。ただ、社長と違うことを言いにくくなります。
会社が順調な時にはもう一段飛躍するために、会社が少し調子悪い時には改善、建直しのために、外部の意見を取り入れることをお勧めします。
社員には言えない雑談を私とするだけでも、翌日からの仕事が変わるかも知れません。
お気軽にご相談ください。