昭和十二年(1937)年
会堂移轉再築の年を三人の受洗者を初穂として献げた元旦礼拝を以て迎えた。
一月十一日会堂敷地整備を初め、六月一日から移転解体工事を初めた。この間委員小泉秀吉氏は第二十三回国際労働会議日本代表として出発される事になり歓送会を行った。六月第一聖日から十月第一聖日までの四ケ月間芦屋公会堂を借りて礼拝を守り、芦屋学園は一時牧師館とした業平町の家に於て続けた。十二年十二月十日献堂式を挙行した。司会山下利義、建築経過報告藤井福一、会計報告高橋力男、祝辞西尾組合教会々長、武藤敞牧師、聖書朗読山本作蔵の諸委員がつとめた。
総工費二万五千五百円を要しているが内土地代関係費は一万四千四百五十四円となっている。新会堂落成を祝して長尾己画伯は会心の作になるイエス像二面、即ち”戸をたたき給う主、羊飼なる基督”を献げられた。教会は大いなる感謝を以てこれをうけ、十二月十八日献額式を行った。今日まで会堂正面に掲げられて来会者に無言の説教をしている。この年七月支那事変起る。
戸をたたき給う主 羊飼なる基督