昭和8(1933)年
伝道開始九年目を迎えた教会はその地歩ややに定まり諸集会も形を整えて来た。創立数年の様な驚異的な発展はない。この事は何れの歴史に於ても同様な傾向であろう。これは内に省みて真の意味での教会形成に意を注ぐ第二の期間に入りつつあるともいえよう。その為かかかげられた標語は「忍耐」で、「汝ら神の御意を行いても約束のものを受けん為に必要なるは忍耐なり」(へブル10ノ36)から引かれている。年賀の一欄に次の言がある。
「鍛練を経なければ真の成果は結ばれぬ。鍛練には忍耐が必要である。意志の力が必要である。信仰が必要である。希望が必要である。愛が必要である。我らは我らを襲う倦怠の念や低い卑しい傾向に打ち克って、あくまでも目標をば高くおいて、神の聖旨と信ずる所に勇往邁進せねばならぬ。我らはただなし得るほどの業をなして、神の恵みに報いんことをおもうべきである。」
今年の多くの特別集会は前述の理由から内部強化の目的をもってなされているものが多いし迎えた講師陣もこの線に沿うて迎えられている様に見える。賀川豊彦氏を筆頭に、木村清松氏、釘宮辰生氏、升崎外彦氏、佐藤端彦氏、高崎能樹氏、岩橋武夫氏、木村靖氏、松村介石氏、原田譲二氏、キュクリツヒ氏、安井哲子氏、青木澄十郎氏と十四を数えている。まことに広範囲にわたるバレエテイに富んだ講師陣である。